「満天の星空を撮影してみたい」
そう思い立ち、先日、車でぶらり出かけてきました。
目的地は、西はりま天文台。
(HPはこちら)
ひたすら西に向けて車を飛ばします。
道中の三日月という町で、三日月を発見(笑)
渋滞に巻き込まれながらも、出発して数時間後、目的地に到着です。
西はりま天文台駐車場。
見晴らしの良い丘の上に、2つの天文館が見えます。
この日はよく虹が出てました。
晴れてはいるけど雲が多く、星が見えるかどうかやや不安を感じながら、日が沈むまでのんびり散策。
太陽が山あいに沈んでいきます。
夜には、天文台で夜間天体観望会が行われているので参加しました。
一人で(笑)
GWということもあってか人が多く、100名くらい参加されてました。
次回は家族で訪れたいところです。
国内最大の「なゆた望遠鏡」。
これで、月、木星、そして二重星を観測しました。
それはそれでもちろん良かったのですが、
この日の月は、ほぼ半月。
天体観測には、あまり適していません。
月の光が明るすぎて、他の星が見えないからです。
天文台の人も、
「今度は新月のときに来てくださいね。全然違いますから」
とおっしゃってました。
が、しかーし。
今日、見たい!(笑)
そこで、Webで当日の月の入りの時刻を調べてみると、0時半頃でした。
つまり、夜中の1時には月もすっかり沈んで新月と同じ状態になる(ハズ)。
これはいける!
というわけで、しばらく仮眠することに。
西はりま天文台には宿泊施設があるんですが、当然予約はしてません。
駐車場で車中泊です(笑)
車の中で寝ようとしていると、係の人がやってきました。
「駐車場閉めますよ」
「あ、ここで泊まろうかと思って」
「え?」
少し戸惑うおじさん。
しかし、
「まあいいか」
と、許してくれました(笑)
これで心置きなく寝れると思ったのですが、ひとつ問題点が。
とにかく寒い!
昼間はあんなに暖かかったのに、やや高地ということもあってかめちゃくちゃ寒いんです。
服装も軽装で、完全に準備不足です。
しかも夕食を買い忘れてきたために、食べ物もなし。
なんて無計画な(笑)
それでも、車にかろうじて積んであった毛布を重ねて、なんとか寒さをしのぎながら月が沈むのを待ちます。
まぁ、わかってはいたことですが、車の中って寝にくいですねー(笑)
寒さに凍えつつ、ろくに眠れないまま、ただ時間が過ぎるのを待ちます。
観望会の終わりごろには雲が結構出てきていたのでその点も心配でしたが、
ただただ、「満天の星空が見たい」という思いを胸に。
眠れるようで眠れない時間。
そうして時は流れ、ふと目を開ければ午前1時前。
窓の外に星が輝いているのが見える。
ドキドキしながら車の外に出ると、
そこには満天の星空が――。
あまりの美しさに、呆然と立ち尽くしてしまいます。
月の出ていた先ほどまでとはまるで違い、夜空には無数の星々が浮かんでいました。
こんな星空を見たのは、生まれて初めてです。
「ああ、私はずっとこの空を見たかったのかもしれない」
そんなことを思いました。
真っ暗な丘に一人。
真上には、無数にちらばる光。
その吸い込まれそうな星空に、見ているだけで、ふしぎと心が満たされていくようでした。
さて、いよいよ星空の撮影にチャレンジです。
相棒のカメラ”Stylus 1s”に三脚を取り付けます。
星の明かりは、通常では暗過ぎて撮影できませんが、
マニュアルモードにして、シャッタースピードを長めに設定します。
あとはピント合わせですが、よくわからないのでひとまず適当にセット(笑)
そして、初めて撮った星空がこちら。
おお!一応なんか撮れてるやん。
気を良くした私は、構図を変えたり設定を変えたりしながらどんどん撮っていきます。
ファインダーを覗いても真っ暗なので、構図は勘が頼り。
トライ&エラーの繰り返しですね。
こちらは北斗七星。
わかりにくいけど(笑)
露出を多めに。
天文館の上でひと際輝いているのはたぶん木星です。
うっすらと天の川。
肉眼でも確認できました。
と、そんなわけで、なんとか初の星空撮影に成功。
ピントが若干合ってなかったり、構図がいまいちだったりするのはやむなしということで。
私の写真ではいまいち伝わりきらないですが、本当に素晴らしい星空でした。
そういえば途中で、流れ星とUFOをひとつずつ見ましたが、残念ながら撮影できず(笑)
ちなみにこの撮影中ですが、当然のことながら、
ずっと寒かったです。
毛布を羽織り、寒さに震えながら撮ってました。
今度は夏がいいな。
しばらくの間、無心で撮影してましたが、その間に何組かの人たちが星空を見にやってきました。
宿泊客ではなく、外から来てましたね。
たとえ一瞬だけでも、見る価値のある星空だと思います。
そのままずっと見ていたいくらいでしたが、(寒いので)車に戻って、
興奮と冷気に包まれながら、なんともいえないふしぎな気分で眠りにつきました。
そんな最高のぶらり旅。
満天の星空を見てみたい
いつの日か夢見たことが現実になった、かけがえのない体験でした。
それまでなぜか、ずっと先延ばしにしてきたけれど、
自分の気持ちに素直になって、ほんの一歩を踏み出すだけで、
かなえることができた夢。
世界には、もっと素敵な星空があるのでしょうね。
さて、次はどんな夢をかなえようかなー。
次回、旅の後半 ~シワガラの滝編~ に続く。