『君の名は。』
公開前からずっと気になっていながら、なかなか見る機会がなかったのですが、この前ついに見てきました。
大ヒットしているというだけあって、さすがに面白かった!!
新海監督の作品は、とにかく風景描写がものすごく綺麗だという印象がありましたが、
今回の作品は、絵はもちろん、オープニングからストーリーと音楽に引き込まれてしまいました。
ストーリーの話は置いておくとして、個人的に印象的だったのは
彗星が落ちてくるシーン。
実際に落下する瞬間が描かれたのは1回だけだったと思いますが、そこではなくて、
三葉の頭の中(?)に落ちてくる場面が何度かありました。
そのたびに「キーン」という鐘のような、鈴のような非常に高い周波数の音が響いて、スクリーンも会場も真っ暗になる。
その瞬間がなんとも不思議な感覚で、特に印象に残りました。
「死」は終わりではなく、どこかに繋がっているような「始まり」の音。
なんとなくそんなふうにも思えました。
仏壇に置いてあるアレの音に近いですよね。
かくりよ(あの世)に届く音なのかな。
死ぬのって、やっぱり怖いものです。
でも、この世に生まれた時点で、死というものは共通のルールなので逆らえない。
そのことは、自分でも生まれる前にちゃんとわかっていたんでしょうね。
「終わり」があることを知っているからこそ、生まれてくることができた。
生まれてくるときに、唯一持ってこられる言葉は、自分の「名前」なのかもしれません。
親や周りの人から自分の名前を何度も呼ばれることで、自分を認識する。
そして自分が何者なのかを知っていく。
自分は何が好きで、何が嫌いなのか。
この前、奥さんが子どもに晩ご飯は何がいいか聞いてたんです。
肉まんがいいか、ピザがいいか?
夕食に肉まんかピザという選択肢ってどうなんだ!?という点はおいといてw
すると子どもはいきなり、今年ブレイク中のお笑い芸人永野のマネをし始めました。
「フゥーーーーッ!」
「肉まんより~、普通に~、ピザの方が好っき~♪」
「肉まんより~、普通に~、ピザの方が好っき~♪」
私は別の部屋に居たので声だけ聞こえてきたのですが、奥さんは爆笑してました。
意外にも完成度が高かったようです。
奥さんは負けず嫌いな性格なので、当然自分も張り合います。
「肉まんより~、普通に~、ピザの方が好っき~♪」
でも、明らかに子どもの方が上手い。
他のモノマネは大抵、奥さんの方が上手いんですけどね。
でも永野のマネだけは子どもに一本取られた。
それは認めるしかないようでした。
それ以来、奥さんはたまに練習してわたしに見せてきます。
「ゴッホより~、普通に~、ラッスンが好っき~♪」
で、わたしは答えます。
「あんまり似てないなあ」
そう言うと、
「かわいすぎたか~」
と、返ってきました。
なるほどそうきたか。
なんつーか、この人、自己肯定力がハンパないよ、と思う瞬間でした。
そして妻よ、「ラッスン」ではなく「ラッセン」ね。
ゴッホとラッスンゴレライを比べて何がしたいのだキミは。
というわけで、やはり名前というのは重要なのです。
あなたは自分の名前が好きですか?それとも肉まんが好きですか?ピザですか?
みなさん、今日も誰かの名前を呼ぶ一日を!