俳優座公演「コーカサスの白墨の輪」感想(2018/8/16投稿) | ささぴーさんの長い文章 ☆ぐぐたすからお引越し☆

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Google+で公開していた舞台観劇、SKE48公演の感想ブログのアメブロ移籍版です。
めちゃくちゃ長い文章で感想書いてますが、お時間のある時にお読みください。

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総合劇集団 俳優館公演

コーカサスの白墨の輪

名古屋市千種文化小劇場(ちくさ座)
8月4日(土)19:00公演


観劇感想



出張で1か月ほど東京に滞在の中、
2回目の週末に名古屋に戻ってきた際に、
ちくさ座での舞台観劇をしました。

今回の舞台ですが、まったく初めての劇団。
どんな雰囲気で観るんだろうとドキドキで。
あとはアリスインプロジェクトの公演から
何度か観ている荒木美穂さんが出演するので、
観に行かせて頂いた次第になります。

今回の舞台は日本でも何度でも上演されている
ベルトルト・ブレヒトさんが作った作品。
たぶん、演劇に詳しい方はご存知だと思いますが、
全く無知で不勉強な私にとっては初めての作品。
「コーカサスの白墨の輪」とWEB検索すれば、
あらすじなどいっぱい見ることが出来ます。

ただ、全然無知な私でも、
劇の最初から演者さんから、
こういう、こうこうなお話ですと説明が入って、
また、劇中でも歌に乗せる形になりますが、
ストーリーやキャラクタの紹介があるし。
初見さんでも理解できる内容で安心しました。

あと、「大岡裁き」という説明だけで
この内容の大部分が掴めました。


お話的には、復活祭の日の出来事。
金満でワガママな政治をしていた領主が
クーデターを受けて殺されることになる。

領主夫人に仕えるグルシェ、
兵士のシモンと婚約をするが、
シモンは領主夫人を守るために戦いに出る。
クーデターから逃げる領主夫人。
しかし、乳飲み子の夫人の子ミヘルが置き去りに。
グルシェはミヘルを見捨てることが出来ずに
ミヘルを抱えて逃げることになる。

数々の苦難を乗り越えて、グルシェの兄の住む家に。
そこでグルシェとミヘルの身の上を案じて、
もうすぐ死にそうな男と結婚するように勧める。
結婚式と葬式の日、戦争の終結が知らされる。
死にそうな男は生き返る。
徴兵を恐れて死ぬ振りをしていた。

後日、シモンが戦争から帰ってくるが、
家族生活をしているグルシェを見て絶望し、
誤解を受けたまま立ち去る。
その後、領主夫人の家来が来て、ミヘルを連れ去る。

都ではただの飲んだくれのアツダクが裁判官となり、
名裁判の連続で民衆の支持を得ていた。
そんな中でミヘルを巡る2人の母の裁判も行われた。

ミヘルは領主夫人の子なのか?グルシェの子なのか?
アツダクは2人の言い分を聞いたうえで、
白墨で輪を描き、その中央にミヘルを置かせた。
ミヘルの両手を2人で引かせた。


最終的には領主夫人が強引に引っ張り上げるも、
子供の腕が痛むことを拒否したグルシェを
愛があるとアツダクが判断し、グルシェの子と認めた。
というところでお話が終わります。


個人的に途中までは内容理解も出来たんですが、
アツダクが裁判官になって、
2人の母親の裁判のあたりは
ちょっと素早く事が進んでいったような気がしました。
時が早く進んで、シモンと仲直りし、めでたしめでたし。
・・・が素早く進んだのがちょっと惜しいかなと。
途中まではじっくり、ゆっくりと話が進んでて、
理解が深まっていたのに、ちょっと惜しい気が。

ただ、その部分は冒頭での説明の
「大岡裁き」で個人的にカバーはされてました。
なので、この説明がなかったら、
何のお話なんだろうとなってしまう感もあったかなと。

ただ、個人的に感銘を受けたのが
あの劇場の中に国家と言うか、民衆が存在していたなと。
メインで劇が進行している周りには民衆が居て、
生活や息遣いなどが感じられる雰囲気で。

よく演劇の中で生きるという言葉を聞きますが、
生きるってどういう雰囲気なのかなって?
目の前の限られたキャストさんでは
あまりそういう事も感じ取ることが出来なくて、
色々疑問に思ったことがあったんですが。
今回の演劇を観たことによって、
この世界に生きているということが伝わりました。

民衆として、仕える身として、
多数の人間が活動をしている。
その状況がこの劇で垣間見えることが出来て。
そこから、何か起こるごとに民衆は注目し、
アツダクの活躍を支持したりなど。
戦争の終結を喜んだりとか。

こういうのが劇の中で「生きる」ことなのかなと。
この演劇を観て、その後観劇した舞台でも、
その意味を理解して観れたような気がします。

ちなみに、荒木美穂さんは
今回その民衆や女中の一人として演技されてました。
セリフの数は少ないながらも、
そこの中に生きる一人として立派に演技されてました。

あと、歌劇も初めてだったので、
その歌声にめちゃくちゃ感激しました。
ラストの全員の歌唱は圧巻でした。


終演後に荒木美穂さんにも挨拶できたし、
いい観劇になりました。
めっちゃ共演の男の子とじゃれあってましたね。
元気なお姿と、演技を観れて嬉しかったです。


ちくさ座はまた10月にお邪魔します。
名古屋の中では大好きな劇場です。(^ω^)