2015年11月18日に22nd AL.『RAINBOW』が発売された。
「お客さんは優しいし、応援してくれているのは本当にうれしい。ただ、そこに甘えるのではなくて、常に新しい曲を書いて、それを世に出して、その新曲にやっぱ注目されたい。だから、常に現役でいたいし、現役でいないといけない……宮本はおもしろくない!エレファントカシマシつまらない!となったらもうおしまいだし、だれもフェスなんか呼んでくれないし、それこそ、吉川さんだって大阪からわざわざ取材に来てくれないわけじゃないですか?(中略)曲は書けているのに、それを形にするまでに時間が掛かってしまうという状態。それがホントに…辛かったですね」
「今までと同じスピードで歩いているつもりが、買い物でほんの少し急いでいるおばさんに抜かれていく!しかも、おばさんが元気なんだ。特に大阪のおばさんは、元気じゃないですか。よく喋るし。よく笑うし。」
(吉川尚宏)そうなんですよね。電車の中とか、おばさんが数人いると、とても賑やかですからね。
「ね!あれは見ていて、こっちも元気になる。で、何の話をしてるの、これ?(笑)」
(「Talking Rock!」2015年12月)
彼らは自らの内的な、しかも決して前向きではない理由と向かい合う苦しみを実感しながら、結果これだけフレッシュでカッコよくて日本のロックをさらに先へ進める名盤を作ったのだ。
やはり最高のロックバンドとは、エレファントカシマシのことである。(鹿野淳)
「アルバムに向けて生きていくっていうことが日常だったサイクルが、僕の病気とツアーが丸々1本飛んだことで、機械的にバツッと分断されたわけです。それによって、僕もメンバーも自分達のことを振り返る、現状を認識するという時間があった。で、その先で、また改めて自分達でスタートするべくいろんなことを考えて作っていった。だから今回は、目に見える以上にゼロからのスタートだったんです」
「(『RAINBOW』について)これはまず最初に、村山くんが監督になってバンドで一発録りで録ったんですよ。でも僕がどうしても『このドラムとベースが揺ら揺らヘナヘナしてるのが気に入らない!』ってなって、自分で全部打ち込みをして、村山くんに『俺はこっちの方が好きだ!』って投げたの。そうしたらね、次に村山くんから返ってきたものが、俺が作って投げた打ち込みの音じゃなくて、元々録ってたバンドの一発録りの音に戻ってたんですよ!」
(鹿野淳)へー、随分と骨が入った方ですね。
「そうなんです。だから俺がどんなに打ち込みし直そうとしても、バンドの一発録りで戻ってくるという(笑)。それで僕はこの人いいなぁと思ったし、いいタイミングでこの人と出会ったなぁと思ったんだよねぇ。」
「(略) 鹿野さん、僕はエレファントカシマシというバンドが一番好きなくせに、常にバンドに対して疑いを持っていたわけですよ」
「村山さんって凄くピュアに『宮本さん、バンドの音がこんなにカッコいいのに、なんでダサい打ち込みにしてんの?』って感じなんだよ。」
(「MUSICA」2015年12月)
<特典>【DVD】