宮島での給餌が月1度になった理由 | フーの宮島の「シカ」考

フーの宮島の「シカ」考

大好きな動物のはなし(=^ェ^=)

感じたことや、お伝えしたいことを駄文ながら書いています
ご覧になった方のコメントお待ちしております



宮島の鹿愛護会がかつては月2回、給餌していたのをやめ、月一度になった理由についてお話ししたいと思います。
動物は捕食者から逃れる、餌を確保したい、子孫を残したい
と生まれ持った本能を備えています。
宮島に詳しい方のお話では鹿の餌となるアラカシ、ウラジロガシ等が山にありながらそれでも人が与えてくれるかもしれない餌を期待して人のいる市街地に鹿が集中定着しているそうです。
この鹿の自然な餌となる植物がどの程度どこら辺にあるのかこちらでもできるだけ調べていきます。秋になる木の実だけでなく四季を通じてあるのか、無いのか。
人が足を踏み入れるのが不可能な険しい場所もあるのであくまでも市街地の鹿の行動域の範囲でです。
元々山歩きやアウトドアに馴染みがなく植物を知らないので頭が痛いですが、そうは言っておられませんね。
少し奥の森に入って行くと、個体群ごと移動するか否かは別として鹿が食べられる植物が生えているそうなんです。これは愛護会の他のメンバーの方もご覧になったらしいです。
やはり人間の与える食物よりは自然の物があるならそれに越したことは無いのです。
なぜなら人間の胃と違い鹿は牛と同じように4つの胃を持っており、一つ目の胃ではバクテリアによる発酵を始めます。
二つ目の胃は分解された消化物を再び噛み返しするポンプの役目です。
三つ目の胃では食べたものをすりつぶします。
そして四つ目でようやく胃液を用いて消化していきます。

人間の側で餌をもらおうとする鹿は本能に応じて市街地で餌を探しますが、見つかるのは人間の食べた後のラッピングやパンフレット、ビニール、縄、等です。
そのような物を食べたら一つ目の胃で溜まって発酵ができないばかりか、噛み返して吐き出すこともできず、腹部に異物が溜まります。それでは栄養失調や健康被害を招いてしまいます。
また、人の近くにいることでの弊害、事故(子供への人身事故、観光客の持ち物を食べてしまう等)のリスクが高まります。もちろん鹿が怪我をする、事故に遭う等その反対もしかりです。
この閉鎖された空間の中で生きていく、そして人間と共生するには奈良の鹿のように人間が完全管理体制を敷いていくか、もしくは適度な距離感を持ってある程度野生に近づけて行く道を探って行くかしかないのです。
しかしながら皆様ご存じのとおり行政では野生と定義されており、餌やりを禁止しています。
餌やりで鹿の栄養状態が改善されると繁殖に適した個体が増え、更に鹿を増えさせる原因となり、頭数が増えるとまた食べ物に事欠き不幸な鹿が増えるという悪循環です。
では頭数制限対策として避妊措置もあるではないかと思いますがそれも断固反対されています。
なぜなら排泄などで残留ホルモンが他の生物植物に悪影響を及ぼすと取り返しがつかないからです。宮島には希少な植物や昆虫もいます。
今はホルモンを用いない研究もされているそうですが、実用化にはかなりの時間を要する為、ここでは割愛させていただきます。
また、去勢はどうかと言いますと牡鹿は繁殖期を迎えますと行動域を変える事から例えほとんどの牡鹿を去勢したところで一頭でも残っていればその一頭が何十頭もの自分の子孫を残す事も可能です。
すなわちそれは近親交配による新たな弊害を生むことになってしまいます。
ですから去勢につきましては現実的でないのです。

では私達にできる事は何かと言いますと人的依存度の高いこの市街地鹿の保護管理をやっている機関が滞りなく行えているかの監視(保護管理記録の開示)です。

管理記録開示されない限りはゆくゆくは市街地の鹿をできるだけ野生に近づけるという命題は考慮して、鹿への救済措置として月一度とし、山側へ誘導して鹿の食性を考えた給餌をしています。

また私事で恐縮ですが、現地に赴く人員は現在3名でそれぞれに遠方である、仕事で時間の自由がない、健康上の事情もあり、月1での結論に至っています。
それでは足りないとおっしゃる方もいるかも知れません。そういった方は是非ともボランティアとしてご参加をいただけるとありがたいのです。






Android携帯からの投稿