心の響き

午前5時半テーブル下の寝袋から芋虫のように這い出しました

先ずは気に掛かるのが台風18号の進路です 携帯・スマートホンで

チェック どうやら本土上陸して日本列島を縦断しそうな兆し 

当日は箱崎仮設住宅B地区・釜石仮設青葉商店街で「ピザ教室」浜町

地域での交歓会 1日で3か所もの移動は「呑ン兵衛連」始まって

以来のハードなスケジュールです 何とか天候が保ってくれるよう

祈るばかりです

午前7時大槌湾の漁村箱崎地区へ向かいました釜石から20分位だとの事

カーナビの誘導で向かいましたが道路が有りません橋もありません

荒涼とした雑草生い茂る原野に残る建物の土台でそこが集落であった事を知らしめます 一同息を呑みましたあれから2年半が過ぎたと言うのに



よもやま“風土記”-4


<電柱は敷設したものの瓦礫を撤去後は手付かずの状況です>

よもやま“風土記”-1

<この電柱を境として心を引き裂く程の明暗が・・・>

ベニヤ板のプラカードのような標識を頼りに仮設住宅B地区に付いたのは

40分も過ぎてからです お迎え頂いたのは佐々木さんを始めとしたとした3人の“ばっぱ”『何~も無い処へよくまあ・・・』集落が残る高台

入口あたりに30戸程の仮設住宅が建っています その前広場が会場です

早速準備に取り掛かりました



よもやま“風土記”-9

数日前 午前9時から「ピザ教室」を始める旨のチラシを配って

くれたとの事ですが顔は覗かせるものの中々集まってくれません 

そんな状況の中一人の小学4年の女の子が参加してくれました 

それからです人が集まり始めたのは・・・



よもやま“風土記”-5

箱崎地区には学校は津波で流された為学校がありません 釜石に

アパートを借りて通学 実家が残っている人は週末に帰ってくると言う

生活だそうです 当日スポーツ少年団の子供や親達の参加が予定されて

いましたが急な試合が入り参加出来なくなった事もあり 参加者が

少なくなったとの事でした


よもやま“風土記”-8

しかしながら集まって来ましたよ“ばっぱ”“じっちゃ”少女たち

それに1歳~2歳の赤ちゃんとお母さんたちが・・・

(今回気付いたのが何処へ行っても赤ちゃんの数が多い事です 

お聞きしますと震災で崩壊し失ったものが多い中何か拠り所をと・・・

戦後のベビー・ブームと同じ現象です)何時の間にか仮設住宅前

の広場は人で一杯になっていました



よもやま“風土記”-6

120人前のピザを焼き終え次の会場への段取りをしていますと矢野さん

から食事のお誘いを頂きました 遠慮しましたが準備してくれている

と言います 鉄板や釜を冷やす時間も必要です 

折角ですので甘える事にしました



よもやま“風土記”-2

仮設住宅の集会場10畳ほどでしょうか テーブルに手作りの料理が・・

各自持ち寄ったものも有るようで見るからに心のこもった手料理です

ありがたく頂戴しました



よもやま“風土記”-3

<郷土料理の「ひっつみ」>

初めての郷土料理“ひっつみ”<小麦粉を引き伸ばした「すいとん」

のような汁物>で出汁がとても美味しかったそれに「マンボウの刺身」

それぞれが持ち寄りと思われる数種類の漬物・・・“おもてなし”の心

皆感動の面持ちです



よもやま“風土記”-1


<マンボウのお刺身>

次の会場の予定時間が迫ってきました それに空模様も怪しく小粒の

雨がぱらついています 余りにも心地の良さにしばらく身を置いて

いたい思いに駆られましたが 後ろ髪を引かれる思いで箱崎を

後にしました



よもやま“風土記”-10

“ばっぱ”達の『今度は遊びに来て・・・』涙が滲みます

※ 何故だか②が抜けていたので再度付加しました