“泥酔”<その2>
小屋に到着すると乾杯する前に燃料の確保を致します
先ずは酔っ払ってしまわない内に宴会場となるウッドデッキで
炭をいこします僅かな火種で確実に火おこしが出来る私の役回りです
他の者は焚き木拾いへ出掛けます
周りが広葉樹林帯なので20分も経つと皆一抱えほどの焚き木を
引きずって帰ってまいります
とても素敵な薪ストーブが部屋を暖める燃料となるのです
<標高1700mの山小屋は下界より気温が10度程も低いので
夜間の気温は10度を大きく下回ります>
そして<その1>の
先ずは全員ビールで<カンパ~イ!!天国へ来たぞ~>
・・・は
2時間もすると大方の呂律がおかしくなくなってまいります
いよいよモードは佳境・・・延々7~8時間に亘る宴会に突入です
夫々の勝手気儘な言動はまるで宇宙人と会話しているような錯覚に陥ります
暗くなると急に気温が下がって寒くなるのでデッキから小屋の中に移動します
私はお腹の中のアルコールの湯たんぽとダウン・ジャケットとダウンのテント・シューズを履いていたので鹿の声を聞きながら一人一升瓶を枕にデッキで寝転んでランプの下ウイスキーのロックを飲んでおりました
切っ掛けは今回参加出来なかった仲間からの連絡です
何時もの悪い癖が出てしまいました『電話魔!』それです!
携帯の電話帳から目に留まった友人を引っ張り出し電話攻勢が始ります
翌朝は爽快な?目覚め!
運転手2名以外は<昨夜の続きで>軽めに2時間ほどの朝宴会を終えます
本日のメインエベント“天空の湯”へ・・・
湯上りに生ビールを飲みながら携帯電話を見ると留守電が入っています
『ご無沙汰して申し訳有りません懐かしい声をありがとう』
所がその方へ掛けた覚えが全く無いのです
かけたのは名前が一字違いの学生時代からの悪友のはずです
気分がとてもハイの状態での留守電でしたので40年前に交わしていた
随分乱暴で人には言えない様な言葉で喋ったのを思い出し頭が白くなりました
恥じました・反省しました「還暦を迎えた歳のお前は・・・恥を知れ!」
思い出すと過去には身が縮む程の恥ずかしい出来事が数多く有りました
でも今となるとその多くは不思議と楽しい思い出として?残っていませんか?
ま~いっか!その内彼とも思い出話として楽しく語れる時も来るさ・・・
恥を忍んで久し振りに電話しました
翌日年長の彼の方から体を気遣ってのメールで『 “泥酔”はなるべく避けたほうが良いですよでもその年で其処までやれるのは羨ましいですね』そうだろう そうだろう 直ぐ調子者に還ってしまう私です
因みに彼の方とは但馬で開業医をしている先輩です
幸いにして?この出来事が旧交を温める事になりそうです
『踊る阿呆に見る阿呆 同じアホなら 踊らにゃそんソン!』
山小屋のデッキで仲間達とアホ面下げて踊っていた自分が愛をしく思える
今日この頃です
<人生を達観しているのか?それともアホなのか・・・!!>