乳がんは、女性がかかるがんのなかで最も多く
初潮が11歳以下、初産が30歳以上
セルフチェックのやり方や頻度は?
乳がんは、体の表面にできるがんのため
自分で見つけることができる数少ないがんの一つです。
月に1回は、自分で乳房にしこりや変形がないかどうかを
チェックすることをオススメします。
セルフチェックを行うときは、上半身裸で行います。
入浴時に石けんをつけて行えば滑りがよくなるため
見つけやすくなります。
閉経前の人は、乳房が張っていない
月経後の4日~1週間ほど経ってから行うとよいでしょう。
乳がんによるしこりは、多くの場合
触れるとくるみのように硬くてゴツゴツした感触です。
一方、乳がん以外の病気によるしこりは
グミのように軟らかくて動くことが多いようです。
ただし、気になることがあったら、医療機関を受診しましょう。
セルフチェックをしてみましょう
①鏡に向かって腕を上げ、変形や左右差がないかをチェックする
②放射線状、または渦を描くように手を動かして、しこりの有無をチェックする
③仰向けになり、乳房の外側から内側へ指を滑らせ、しこりの有無をチェックする
乳がん検診ってどんなことをするの?
現在、乳がんの検診は、40歳以上の人であれば2年に一度
お住まいの自治体で受けることができます。
この検診ではマンモグラフィが使用されますが
自治体によって超音波検査(エコー)も併せて受けることができます。
マンモグラフィ
マンモグラフィは、乳房のしこりのほか
カルシウムの沈着による石灰化がないかどうかを確認します。
多くは良性ですが、1か所にたくさんの石灰化が集まっていたら
悪性が疑われます。
石灰化は触診をしても、しこりとして確認できないので
マンモグラフィでしか見つけることはできません。
超音波検査(エコー)
乳房に超音波をあてて画像を調べるのが超音波検査(エコー)です。
2015年に発表された東北大学の大規模な調査研究によると
マンモグラフィと超音波検査を併せて行えば
乳がんの早期発見率は約1.5倍になるということが明らかになりました。
マンモグラフィではがんが見つけにくいこともあるそうです。
乳房の小葉と乳管は、併せて乳腺といいますが
乳腺はマンモグラフィに白く映る一方、しこりも白く映ります。
乳腺の濃度が高い人がマンモグラフィの検診を受けても
しこりは見つけにくいのです。
50歳未満のアジア人の約8割は
乳腺濃度が高いといわれているので
50歳未満の人や授乳経験のない人などは
マンモグラフィだけでなく超音波検査も受けたほうがよいでしょう。
遺伝学的検査(保険適応の場合あり)
乳がんの5~10%は、遺伝性によるものと言われていますが
最近、この遺伝性による乳がんの発症リスクを調べる
遺伝学的検査が行われることもあります。
血液検査で行いますが
遺伝学的検査にかかる費用は
保険適用外の場合は約20万円と高額です(2020年4月より遺伝性乳がん卵巣がん(hereditary breast and ovarian cancer: HBOC)診療の一部が保険適応となっています)。
プライバシーにも関わる検査のため
検査前に遺伝カウンセリングを受けられる施設もあるようです。
遺伝カウンセリングでは
最初に家族構成や病歴などをヒアリングすることで
おおよその発症率を推測し参考にするなどしているようです。
乳がん検診に行ったけど検査が痛すぎて
もう2度と行きたくないとおっしゃった患者さんも
いらっしゃいます。
確かにマンモグラフィは乳房を板で挟んで撮影するので
挟んだ時の痛みがキツいとは思いますが
生理のある方は生理周期に合わせて
乳房のハリの少ない時期に健診を受けられると
少しは軽減できるかと思います。
早期に発見して治療をすれば
治る可能性の高い乳がん
セルフチェックとともに
乳がん検診も定期的に受けていただきたいなと思います。
乳房にしこりがある!など、乳がんが心配な方は
乳腺科、乳腺外科といった診療科のある医療機関に
ご相談されることをオススメします。
乳がん検診の検査内容や費用は
お住まいの自治体にご確認くださいね。