イライラする、感情がうまくコントロールできない、頭痛や肩こりがつらい・・・。多くの女性が抱えているこうした悩み、もしかしたらプレ更年期のサインかも。漢方に詳しいカガエ カンポウ ブティック漢方カウンセラーの成田かおるさんに、プレ更年期のセルフチェックとケアの方法

 

 

プレ更年期とは、脳と子宮の連携がうまく行かずに起こる症状

そもそも更年期症状とは、閉経前後(平均的には45~55歳)に訪れる、女性ホルモン分泌の低下にともなう不調のこと。通常女性ホルモンは、分泌の指令を出す脳と、その指令を受けて女性ホルモンを分泌する子宮がスムーズに連携することで正常に分泌される。

ところが更年期になると子宮の働きが弱まるため、脳が指令を出しても子宮から十分な女性ホルモン量が分泌されなくなる。すると、脳が「もっとホルモンを分泌して!」と子宮にどんどん指令を出すようになり、興奮状態に。この状態が続くとホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れ、ほてりやのぼせ、めまい、不眠といった更年期症状を引き起こすのだそう。

こう聞くと、20代や30代のうちは更年期症状とは関係ないようにも思えるけれど、実は更年期に似た症状は若いうちから起こることも多いのだとか。オズモールのアンケートでも、「もしかしてプレ更年期かも」と感じたことがある人にその時期を聞いたところ、35~39歳が29.2%、35歳未満が12.8%と、20~30代で更年期症状に似た不調を感じる人も少なくなかった。

「20~30代の女性の場合、子宮の働きは低下していないものの、夜ふかしやストレスなどによって脳が興奮している人が多くいます。漢方ではこの状態を『気(エネルギー)が上がる』といい、これにより更年期と同様、脳と子宮の連携がうまくいかなくなるケースも見られます」(成田さん)

この「気が上がる」ために起こる症状が、プレ更年期症状に当たると考えられるみたい。

あなたはプレ更年期?セルフチェックをしてみよう

気が上がると具体的にどんな症状が現れるのか、気になるところ。さっそく次の項目に当てはまるかどうか、チェックしてみて。

□すぐに怒ってしまう、またはため息がよく出る
□頭痛やめまいが起こる
□月経前に胸や脇が張る
□月経前や月経中にお腹が張るように痛む
□月経血にかたまりが混じる
□上半身はのぼせやほてりを感じ、下半身や末端は冷える

これらはいずれも、気が上がっていると起こりやすい症状。チェックが多いほどプレ更年期の不調が現れやすい状態だと考えて。

「気が上がると熱が頭部にたまり、カッとして怒りが抑えられなくなる、いつもイライラする、情緒不安定などの症状を引き起こします。また、気が上がると血行不良も起こりやすく、子宮に栄養が行き渡らず働きが低下してしまい、つらい更年期症状を招く可能性もあります。更年期症状を予防する意味でも、早い段階から気や血(けつ≒血液)のバランスを整えておくことが大切です」(成田さん)

就寝時間と食生活の見直しで、プレ更年期症状を緩和して

プレ更年期の症状が気になる人は、まずは就寝時間を見直してみて。遅くとも24時までに、できれば23時までに就寝するのが理想的。

「東洋医学では23時~午前3時は睡眠のゴールデンタイムとされています。この時間に熟睡できれば上がった気を静めることができますが、反対に起きていると、気が静まらずに興奮しつづけることになり、症状を悪化させることにも。この時間帯に熟睡することは、プレ更年期や更年期対策の鉄則と考えてください。日中に深く息を吐く、目をつぶってゆっくり呼吸する、体を大きく伸ばすなどの方法でも、気を静めることができます」(成田さん)

そして、頭部に上がった熱を冷まし、気を静めるホウレン草やセロリ、ミントなどの食材も積極的に取り入れて。ニンジン、ピーナッツ、レーズン、クコの実、イカなどは血を補い、ホルモンバランスを整えるのにおすすめ。さらに、気の巡りをよくすることに効果的な香味野菜や柑橘類などもあわせて取ろう。

「若いうちから子宮のケアをすることも大切です。腰回りを冷やさないように温め、マッサージをしたり、子宮のケアにつながる黒米、黒豆、黒ゴマ、栗、クルミなどを日常的に取るようにしましょう」(成田さん)

脳と子宮のケアを意識して、プレ更年期症状を和らげよう。

 

デリケートゾーンケアは、子宮をケアするということ

 私たちの体は食べたものからできている。けれど同時に人間は、経皮吸収といって皮膚からも物質を体内に取り込んでいる。そう、コスメや下着そしてナプキンなど皮膚に触れるものも、私たちの体に影響を与えているのだ。ましてや、膣やそのまわりのデリケートゾーンともなれば…。子宮や卵巣からわずか10センチ前後。このゾーンのケアが、私たちの未来を左右する鍵になると、《コスメキッチン》の下田裕華さんは言う。

 「有害な成分の物質が触れていれば、それがどんどん子宮にたまり、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。逆に言えば、きちんとしたケアをしてあげれば、体や子宮を整えるということにつながります。つまり、デリケートゾーンケアは、子宮ケアでもあるんです」

 大切なのは毎日のケア。顔と同じようにやさしく洗い、潤いを与えマッサージをして、いたわってあげる。その際のポイントが、専用のコスメを使うということだ。

 「膣内は、顔などの肌よりも酸性値が高いため、そのケアには専用のコスメを使いましょう。きれいに洗ったら顔と同じように保湿をし、マッサージで血行もよく。毎月使う生理用品も見直してみてください。それが、健やかな生活への第一歩です」

 毎月の生理や、いつか経験するかもしれない妊娠・出産、そして閉経とその後も続く私たちの人生。いくつになっても女性が自分らしく生きるために、日々のデリケートゾーンケアは重要になってくる。

 「若い方や、生理の悩みが少ない方は、なかなか意識が向きにくいと思います。それでも、まずは自分の体に向きあい、デリケートゾーンに関心を向けてみてください。それがウェルネスな人生につながっていきます」

 今日からだって遅くない。未来の自分のために、いまできることからはじめてみよう。

 

 

 

 

オイルで膣ケア

きちんと洗ったら、アフターケアも忘れずに。ネロリの香りのこのオイルは、デリケートゾーンのケアのために開発されたもの。お風呂上がりにVIOラインへ塗布して、なで温めるようにマッサージすれば、デリケートゾーンの乾燥対策、硬くなった肌に潤いを与えてくれる。産前の会陰ケアにもおすすめなんだとか。

 

 

 

 

外部刺激から守る

下着の締めつけにナプキンなどの摩擦やムレ。これらの外部刺激は、ニオイや肌荒れなどのトラブルのもとになる。だから、できるだけ守ってあげたい。そこで頼りになるのがこのクリーム。シチリア島の海洋性ミネラルをたっぷりと含んだクレイと、14種類の植物成分を配合し、敏感な肌をカバーしてくれる。

 

 

 

 

布ナプキンに変えてみる

布ナプキンの心地よさは、使ってみなければわからない。ならばまずは、3種類の布ナプキンがセットになったこちらでチャレンジを。土壌からこだわった“純”オーガニックコットンのやわらかな風合いは、つけているだけでも気持ちがいい。まずはおりものや冷え対策として、生理ではない日から試してみるのもいいかも。

 

 

 

いつものナプキンを見直す

いま使っているナプキンを変えるだけで、世界は変わるかもしれない。環境活動家でもあるスージー氏がつくったナトラケア社のオーガニックコットンのナプキンは、吸収剤も含めて化学物質不使用。パッケージも土に還る素材で、体と地球にやさしい製品になっている。布ナプキンにはまだ抵抗が…という人はぜひお試しあれ!

 

 

 

 

20~30代で女性ホルモンの分泌量が減る人も

女性ホルモンの分泌に影響を与えるストレス。そもそもなぜ、ストレスが女性ホルモンに影響を及ぼすの? 産婦人科医の入江琢也さんによると、「女性ホルモンは脳からの指令で分泌される」からだそう。
「女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、卵巣は自分勝手に女性ホルモンを分泌しているわけではなく、脳に存在する視床下部からの指令によって、分泌を調整しています。視床下部は自律神経を司る重要な部分なので、ストレスによって視床下部からの指令が変化すると、結果として女性ホルモンの分泌も変化するのです」と入江さん。

一般的に女性ホルモンの分泌は、30代後半から減り始めるけれど、ストレスや過度なダイエットによる体重減少によって、20~30代でも減少することがあるのだそう。
「女性ホルモンが減少する原因をとり除けば、分泌量は徐々に回復していきますが、もとに戻るまでには1年以上かかることもあります」(入江さん)

女性ホルモンの乱れが肌荒れや抜け毛を引き起こすことも

女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類でバランスを保っているもの。エストロゲンは女性らしさをつくるホルモンとして、乳房の発達や皮膚、骨、筋肉の働きに関わり、30代をピークに減少していく。プロゲステロンは子宮内膜を受精卵が着床しやすいように整え、体温を上昇させる働きがある。月経が終わってから排卵まではエストロゲンの分泌が多く、排卵後から月経まではプロゲステロンの分泌が多くなる。しかしこのバランスが乱れると、月経周期が乱れたり、不正出血(月経期以外の出血)が起きたり、月経が3カ月以上止まる「続発性無月経」になったりすることも。

また、女性ホルモンの乱れは、肌荒れや抜け毛などの症状を引き起こすほか、不妊につながることもあるのだそう。
「月経周期が乱れたり、不正出血が続いたりしたら、女性ホルモンのバランスが乱れているサイン。婦人科系の病気の可能性もあるので、一度婦人科を受診してみてください」(入江さん)
 

気づかないうちに心身に影響を与えている女性ホルモン

日常的にストレスをコントロールして、体調を整えることができれば、結果的に女性ホルモンのバランスも整うはず。
「自分でも気づかないうちに、女性ホルモンの影響を受けていることを知ることが大切です。月経前までの約1週間は、精神的にも身体的にも不安定になりやすくなります。この時期はイライラしたり、精神的に不安定になりやすかったりすることを理解しておくことで『この時期に重要な仕事をしない』など、心がけることができます。一方、心身の調子がいいのは、月経後から排卵前までの約1週間。この時期は積極的に体を動かして活動的に過ごすことをおすすめします」(入江さん)

今は新型コロナウイルスの影響で、活動的に過ごしにくいけれど、月経後から排卵前までは、できるだけ家でできるエクササイズなどをとり入れて。女性ホルモンの分泌に合わせた生活を送って、体調やストレスのコントロールを目指そう!