栃木県足利市の山火事は26日で発生から5日となりますが、空気が乾燥した状態が続き消火活動は難航しています。

週明けまではまとまった雨も降らない見込みで、鎮火の見通しは立っていないということで、市は引き続き合わせて305世帯に避難勧告を出しています。

 

 

 

 

 

 

栃木県によりますと今月21日に足利市西宮町で発生した山火事は延焼が続いていて、25日の時点でおよそ100ヘクタールが焼け、さらに燃え広がっているということです。

26日は午前6時半ごろから自衛隊がヘリコプターを使った消火活動を続けていて、消防も地上からの放水活動を行っています。

足利市は住宅地への延焼のおそれがあるとして、25日までに市内の合わせて207世帯に避難勧告を出しましたが、26日午前8時に対象を拡大し、新たに市内の98世帯に避難勧告を出しました。

これで避難勧告が出されているのは、合わせて305世帯となりました。

市内の3か所に設けられた避難所には、26日午前8時の時点で合わせて6世帯11人が避難しているということです。

また東日本高速道路によりますと、現場近くを走る北関東自動車道は一部区間で通行止めが続いています。

市によりますとこれまでに火事によるけが人はいませんが、山中にある木造の神社の建物が全焼しました。

宇都宮地方気象台によりますと栃木県内は26日まで11日連続で乾燥注意報が出されていて、週明けまではまとまった雨も降らない見込みです。

鎮火の見通しは立っていないということで、消火活動は難航しています。

 

栃木県足利市の山火事の現場の、ふもとにある住宅街からは山の斜面に帯状に炎が広がり白い煙が立ちのぼっているのが確認できます。

また、ほかにも斜面に複数の場所に炎の赤い光が点在しているのが見えます。

風は強くなく、煙は上に向かって上がっています。

周囲には焦げ臭いにおいが立ちこめ、火が燃えるバチバチという音が聞こえていました。

付近の住民「状況によってはすぐ避難」

山火事が発生している現場の東側にある足利市本城二丁目では、98世帯に対し26日午前8時に避難勧告が出されました。

避難勧告が出る前の午前7時半ごろには、同じ地区内にある住宅のおよそ50メートル先の山の斜面から白い煙が立ち上っているのが確認されました。

周辺には焦げ臭いにおいが立ちこめ、空からは灰も降っていて、住宅にとめてあった車のボンネットの上にもうっすらと積もっていました。

上空から自衛隊のヘリコプターが山の斜面に向かって水をまく消火活動を続け、地上でも午前8時ごろから消防隊員が放水活動を進めています。

付近の住民たちはバケツやホースで自宅の壁に水をかけたり、避難に備えて車に水や食料を積み込んだりしていました。

付近に住む女性は「いつでも避難できるよう貴重品を身につけて家には水をまいた。きのうも一晩中眠れず、心配で涙が出そうになる」と話していました。

また、別の女性は「水や必要な食料などを車に積み込んだ。住宅地に向かって山の中腹まで赤い火がきているのが見える。避難勧告にかかわらず、状況によってはすぐ避難しようと思っている」と話していました。