未来の職業別給料は

すでにその仕事に就いている人も、その仕事を目指している人もやはり気になるのはそこだろう。

そこで今回本誌では、株式会社おたに代表の小谷祐一朗氏の協力のもと、さまざまな職種の「適正賃金=将来の賃金」を算出する史上初の調査を行った。

使用したのは同社が開発した価格予測AI『GEEO』。全国のハローワークの求人データ約500万件をもとに、経済統計や経済政策にかかわる1000を超える統計データを加味した独自のビッグデータを作成したうえで、『GEEO』が各職種の「将来の賃金」を弾き出した。

その結果をまとめたのが本稿の5ページに掲げた表。現在の平均募集賃金(実績値)と、AIが算出した将来の賃金(予測値)を比較して、下落率、上昇率が高かった順にランキング化している。

前述した歯科医師の場合、現在64万円の月給が、将来的には17万円にまで7割ダウンするという結果になっているのだから恐ろしい。FPや税理士、生保営業も給料は半額以下である。

ワースト4位には高速道路の保守・点検が入っているが、これはIoT(モノのインターネット化)の洗礼を受ける仕事の代表だ。

「これまで人間による目視で点検していたものが、IoT時代にはほとんど機械で代替できるようになります。たとえば、道路に埋め込まれたチップやセンサーが道路の傾き、揺れなどを監視して、道路に設置した監視カメラの高解析度映像からひび割れ状況などが把握できる。

そのデータはすべて中央システムに送信されて、問題があればAIが察知してアラームを鳴らしてくれる。すると、保守用ロボットが出動する。人間が入りこむ余地すらない」(前出・鈴木氏)

しかも、日本ではこれから少子高齢化・人口減少が進むことで、すべてのインフラを保守する財源が確保できず、インフラ業務の需要自体が減っていくという面もある。

        

縫製工が大復活するワケ

給料が下がる仕事のランキングには大工、建築現場監督、不動産営業といった建築・不動産業界の仕事が数多く入っているが、これもまた少子高齢化・人口減少の影響をモロに受ける職業といえる。

「2024年には全国民の3人に1人が65歳以上になり、'45年には東京都でも3人に1人が65歳以上になるといわれるなか、これからは住宅取得者の数が恐ろしいペースで減っていくのが目に見えています。

同時に空き家が増え続けるので、若い人は新築住宅を作るのではなくて、中古物件をリフォームして住むようになる。そうなれば、新築住宅の市場自体がほとんどなくなることすらあり得る。

当然、住宅メーカーや大手ゼネコンをはじめとして、建築、建設にかかわる仕事の需要は激減する。建築業界はいまでこそ人手不足で給料が高くなっているが、将来は安泰ではない」

AIと人口減少が同時に襲ってくる社会はかくも残酷で、われわれの仕事と生活を一変させてしまうわけだ。

※「アフターメンテナンス」は施工後物件の点検、修繕などアフターフォローにかかわる仕事。「騎乗員」は育成・生産牧場などで競走馬の育成、調教など全般にかかわる仕事。「製缶工」は鋼板を使って産業機械の重要部材などを製造する仕事。「牧場作業員」は酪農牧場などで搾乳など牛舎内雑務全般を担う仕事。「アイリスト」はまつげエクステなどまつげ関連施術を行う仕事。「作業療法士」は障害を負った人や心身機能が衰えた人などのリハビリを担う仕事。「言語聴覚士」は言語障害、聴覚障害を負った人などのリハビリを担う仕事

 

 

 

 

 

 

 

 

※「製材工」は製材工場などで木材加工を担う仕事。「生活支援員」は施設などで障害を持った人の日常生活支援などを行う仕事
※「教習指導員」は自動車教習所でのインストラクター
※「サービス提供責任者」は訪問介護においてコーディネーター業務全般を担う仕事