エロ・グロ・タブーありの超怪作 「少女椿」(1992)が実写映画化 | 日本アニメ視聴館  アニメ公式配信紹介

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更新内容

2018年2月2日 追記
2014年2月11日
アニメ作品の紹介として執筆公開
2016年2月13日
一部構成変更、加筆※1
2016年4月14日
実写映画化情報ほか加筆

「少女椿」なんと実写映画化されることが発表されました。
5月下旬に公開予定とのことです。※1

参考 マンガ「少女椿」がまさかの実写映画化、中村里砂、風間俊介ら出演
ねとらぼエンタ ※1

アニメ好きな人は世の中たくさんいると思いますが
「少女椿」という作品をご存知の人はどれくらいいるでしょうか…。

私個人、日本のアニメ史上最もエロ・グロ・タブーな作品は「少女椿」なのではないかと思っています。


地下幻燈劇画 少女椿 アニメ映画
 

 


原作は丸尾末広氏による漫画作品。
丸尾氏のイラストや漫画はレトロタッチでなおかつ性的に過激、
幻想的・怪奇的な描写が最大の個性であり特徴といえます。

 

 

 

 

 

 

 


丸尾氏本人は、大正~昭和戦前時代に活躍した画家高畠華宵(たかばたけ かしょう)の影響を受けたそうです。

高畠華宵という画家さん、調べてみると、この方も当時としてはトレンドを見据えた絵を描いています。
大正ロマン・昭和モダンと言われる時代の最先端をゆく人物画を描く画家さんですね。 

イラスト→コチラ(Google画像)

当時西洋のアール・ヌーボーの様式も取り入れたスタイルですね。
個人的にミュシャのイラストが好きなので、この時代の絵は見逃せないものがあります。

あと、戦前で戦況が悪化する前の国内文化はおおらかな現代に通じる雰囲気漂うので、こういった作風のクリエイターさんの作品は観ていてどこか惹かれるところがあります。

 

 

 


 

 

 

 

 

 


話を丸尾末広氏のアニメ映画「少女椿」に戻します。

アニメ映画は演出・作画・台本のクレジットは秋津久秋とありますが、

監督、アニメーター、演出家として日本の有名アニメ作品にも参加している原田浩氏とのことです。

近年の作品では「這いよれ!ニャル子さん」の絵コンテを担当していたらしいです。

 

 

 

 

 


内容は母親の看病のお金を得るため、街で花売りをしていたみどりちゃんが
母親の死をきっかけに山高帽のおじさんの誘いに騙されて 見世物小屋で働かされ、
理不尽に仕打ちに虐げられながらも成長していくものの・・・

 

 


このアニメ、あまりにも過激かつタブー描写が多数あり、
TV放送や一般映画館上映はされず、
アングラ作品として地下上映で行われていたそうです。

2004年に東京国際ファンタスティック映画祭で上映されて以降、
児童ポルノ・わいせつに抵触するとされ、8年間上映禁止となった、
いわくつきの問題作であります。

※近年では国内では金沢映画祭・海外の映画祭で上映していたそうです。

 

 

 

 

 

 

 


ただ、この作品に協力したアニメ会社やスタッフは なかなかの有名どころで
東映動画(アニメーション)や虫プロも参加しているのか、エンドロールテロップに表記されています。

91年頃の制作と考えると当時東映動画は「ドラゴンボールZ」や「きんぎょ注意報」を制作、
手塚プロダクションは「三つ目が通る」を制作していたのですが
その一方でこれほどまでの過激な作品を制作していたとは当時は知る由もなかったでした。

 

ただ、原氏との交流のある人の記事では動画も原氏が作業していたそうで、どの工程で各スタジオが協力していたかについては今のところ不明です。

 

また、通常の上映スタイルとは大きく異なる、小規模な上映スタイルで、混沌としたシーンにあわせ、ライブ演出(会場への案内手法、劇場内でバクチクや桜吹雪などの凝った演出を行った)が行われていたそうです。が、それも数多くではなく、記録上も僅かな回数でしか行われていなかったと思われます。


「少女椿」は映像だけでも悪夢のような境遇描写と、とてつもなく濃い世界観に圧倒されます。

 

 

 

 

 


ちなみに主人公のみどりちゃん。
この少女の生きざまをロックバンド筋肉少女帯の大槻ケンヂ氏が「どこにでも行ける手紙」にその世界観を歌詞にし、その歌を貞本義行氏が綾波レイのイメージを着想(包帯で真っ白な少女…)。

綾波レイのキャラクターデザインが作られたという、

間接的ながら 源流的なつながりをもっていると言われています。

かなりキワモノ的なアニメですが、
クリエイターの発想の栄養源には うってつけの作品ではないかと思います。

作品の一部シーンのみ&過激シーンカット状態ですが、

映像がありましたので、参考までに貼っておきます。


気楽にキャラの紹介

みどり・・・病弱な母親の看病をしていたものの、死別し、
山高帽のおじさんの口車に乗ってしまい、見世物小屋へ。

見世物小屋の諸先輩方に虐められ、辛い思いを受け続けるが
たくましく成長する様子も涙ぐましいかもしれない。

途中から見世物小屋に参加したワンダー正光と・・。

 

 


 

 

鞭棄(むちすて)・・・学ラン姿に包帯をぐるぐる顔に巻いており、
なおかつ両腕がないという強烈な個性を放つだけでなく、
イケメンボイスで、女子ファンの人気が高い。
また、ワンダー正光の罠にはまるものの、幻術を見抜いた点も見逃せないポイント。
確かにとても突出したキャラクターである。32歳。

 

 

 

 




見世物小屋の先輩たち・・・手前の女性は蛇女の紅悦。
いわゆる蛇女というポジションでもあり、ワンダー正光が現れるまで
中核的なポジションにいたと思われる。
けっこうナイスバディーである。心根は優しい。

逆さ首の芳一・・・何も言わないし動かない、メンバーの中ではモブに近いキャラ。

海鼠(なまこ)・・・袋に包まったような容姿で、もぞもぞ動く。
こちらも寡黙な姿ながら、ちゃかりみどりにスケベなことも仕出かす。
個人的に鷹の爪団のフィリップ的な立ち位置のように思えるw。
 

 

 

 



カナブン・・・火を噴く技を取得中の美少女かと思いきや・・・。
みどりの飼っていた子犬を鍋の材料にしてしまうなど、
かなりのドSぶりを披露する。
みどりの発した「犬ぢゃ!!犬ぢゃ!!」のセリフは
代表的なセリフに・・・。(「遠足行きたい」も代表的なセリフ)


 

 

赤座・・・剣を飲む芸を行ったり出来る大男。
怪力の持ち主でみどりを片手で投げてしまうほど。
力はデカいが、あそこは小っちゃいそうな。
 

 


親方・・・見世物小屋の親方。見世物小屋の経営はそれなりだが
ガキんちょに馬鹿にされるようなしょーもない芸しかできない。
男色と目玉舐めが趣味。

「しぇんしぇ~」の言い方と顔がくどいw。
 

 

ワンダー正光・・・西洋手品師で瓶の中を出入りできる小さいおっさん。
たが、その能力は幻術遣いで人々を恐怖の世界に陥れることができる
いわば能力者のような存在。みどりを巡って鞭棄との壮絶?なバトルに・・・。
 

個人的にはこのワンダー正光の特殊な能力は実際の見世物でもあり得ないレベルなので、現実感を匂わせる世界にしつつも、架空の世界の物語にしているのではないかと思えます。

 

 

 

キワモノ的な見世物小屋の描写については本来の見世物興行として当てはまっているのか、その点については偏見を植えつけかねない難しい部分があるのかもしれないですが、丸尾末広氏の世界観に基づくものが大きいので、人間のダークさを強調した虚構世界として観た方が良いかと思われます。

いずれにせよ、とにかく凄く個性の強い、今の時代では深夜枠でも作れそうにないアニメ作品です。

ただ、舞台化はされていて、そのDVDは発売されています。

アニメ映画は47分程度ですが、凄い濃密でそれ以上の時間観ていたような感覚になるかもしれません。でも、グロ嫌いな人は要注意ですね。。


実写映画化された「少女椿」

実写映画化は無理なのではないかと思われていた「少女椿」ですが
TORICO監督によって実写化され、先日予告編が公開されました。



なんとアニメパートがありました。
デジタル彩色によるアニメ少女椿ということになりますが
鮮やかな配色が強く、セル+フイルム上映時代のおどろおどろしさが
影を潜めてしまっている感じがします。また、フイルム時代に比べ、良く動いています。

やっぱカナブンは実写ではイケメン(?)ですなw。
ところで、みどりが「いぬぢゃ!いぬぢゃ!」と叫ぶことになる例の胸糞シーンもあります。

さすがに子犬を粉砕するカットはないですが。

あと、予告でワンダー正光が風間俊介の演技はなかなかアニメ映画版も観たのか、

よく似てると思います。

主役のみどりちゃんを演じる中村里砂さんはモデルでモデルの画像を見ると
全然違うのでみどりとのギャップが凄いです^^;。父親が中村雅俊氏なのもびっくりでした。

けっこう背が高く、紅悦役の森野美咲よりも背が高いです。


監督のTORICO氏は若い感性だからか、ややおどろおどろしい雰囲気はひそめている感はあります。

後半、みどりちゃんがワンダー正光と独立してからはオリジナル色が強くなります。

 

作品の時代が際立っていない感はありました。見世物小屋のクルマが現代のクルマにスプレーで落書きした程度の装飾だったのは、もうちょっと時代考証と再現を徹底した方がよかったのではないかと思いました(たぶん時代考証していないかも)。 BGMもやわらかい印象を与えます。スプレーアートが当時絶対見られないはずなので、そこが余計浮き立って見えました。

【TORICO】脚本・監督を務めた映画『少女椿』告知インタビュー! oscarproch YouTube

映画 少女椿

以上、「少女椿」の話題でした。

ではまた。。

参考
丸尾地獄 http://www.maruojigoku.com/index.html

逆境哀切人造美少女電脳紙芝居『少女椿』 TINAMIX  アニメ映画版のいきさつが最も詳細に記されています。

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