桜は散る時が一番美しい
厳寒の冬を耐え抜き
暖かな春を迎え
ゆっくりとその蕾を膨らませ
最初の一輪を咲かせる
一つの花が咲けば
文字通りこの世の春が訪れるように
3分咲き
5分咲き
7分咲き
そして満開になる
桜は咲いたそばから散ってゆく
花散らしの風
花散らしの雨
桜は満開になるほどに
向かい風にさらされる
花の季節は短い
その散りゆく姿に
人は己の人生を重ねる
皆が満開に咲き誇りたいと望みながら
いつ訪れるともしれない春を待ち
吹きつける寒風を
うずくまり
震えながら耐えている
冬が終われば春が訪れる
そう信じて
桜と共に咲き誇る日を
グッと堪えて待っている
散る桜は
人生の頂点を思わせる
その散りゆく姿は
努力を重ね
やっと成功を掴んだ人間の
華々しさと儚さを映す
散り方にこそ美学がある
どうせ散るなら
桜吹雪となって
見る人に感動を与えよう
自らの生きたすべてを
この一瞬に表そう
一片一片
静々と散るのは
秋の紅葉にふさわしい
桜となって咲いたなら
惜しみなく
パッと散ろう
散る桜にこそ美学がある
散らぬ桜を誰が見るのか
散る桜にこそ人生がある


