千葉県立の中高一貫校について、志望校として目指すか研究してみました。
1)千葉県立中高一貫校の特徴
東京都立の中高一貫校とは様相が違っています。東京都の都立中高一貫校は、中学から入学して6年間教育をうける完全な中高一貫の「中等教育学校」なのに対して、千葉県立の中高一貫校は高校からの入学者が多い、「中学併設型高等学校」なんですね。
この違いが、中高一貫校に対してもつ2つの期待を薄めてしまうのです。
・6年間同じ仲間と過ごすことでの、縦横の強い絆と母校愛の醸成されるのではないか。
・大学進学を目指す上で、有利な中3から高校過程の先取リカリキュラムがあるのではないか。
上記2つの期待が持てないと感じたのは、以下の制度的な理由と進学実績からです。
2)募集人数
県立千葉、東葛飾いずれも中学での募集人数は80人、に対して、高校での募集人数は、240人となっています。
高校における中学からの内部進学生は少数派で、高校から入学する生徒が大多数を占めているのです。
社会エリートを選抜養成するよりも、教育機会平等に軸がおかれているように感じますね。
3)高校のクラス編成
両行とも高校1年から内部進学生10人と高校入学生30人ずつ1クラス40人に編成する方針をとっています。
ということは、中3から高校のカリキュラムの学習に入るような先取りカリキュラムは組めないということになります。
もちろん、学科試験で選抜された学力の高い生徒だけで進める授業は普通の公立中学校の授業よりレベルが高い内容を
展開しているのでしょうが、私立中高一貫校のような大学進学を意識したカリキュラムではなさそうです。
中3から高校カリキュラムに入る先取カリキュラムはなし、もしくはあったとしても、高1で戻ってしまうことになるのではないでしょうか。論理的に考えた結論で実情はまた違うかもしれませんが。
他方で、クラス運営では、内部進学生にクラスをまとめるリード役が期待されて、クラスのまとまりが早くできていくことが期待できるのかもしれません。また、高校入試を受けていない内部進学生にも高校入学生が刺激を与えて、新たなケミストリーが生まれる効果があるかもしれません。
4)大学進学実績VS県立船橋
中学校を併設した、県立千葉、東葛飾と、2校と伝統的に並び立つ公立トップ校の県立船橋高校と大学進学実績を比べてみました。
ざっくり見ると、県千葉≒県船橋>東葛 という感じです。
渋幕が台頭する前の公立高が優位だった時代は、県立千葉>県立船橋≒東葛 というようなイメージだったのですが、
中学校を併設した2校が大学進学実績で県立船橋を凌駕してはいません。、むしろ県立船橋の実績が素晴らしくて、県船いいじゃないかと思えてきます。
研究した結果は、学費の安さを無視すると、あまり魅力を感じなくて、むしろ中学を併設していない、県立船橋高校が魅力的に感じる意外な方向に行きました。