自分の為にする挨拶 | 終活オヤジの独り言

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今日も、誰にも何の役にも立たない、どうでもいい様な事をつぶやきます。
もし、お気に障った事がありましたら年寄りの言う事なのでお許し頂きたいと思います。

挨拶で、思い出す事があるのです

 

これは、50年以上も前の話です

 

1年弱ですが、牛乳配達をした事があるのです

 

   

 

当時、牛乳もヨーグルトもカツゲンもみんな瓶入りでした

 

私は、車の免許を持っていなかったのでバイクや車ではなく

自転車で牛乳配達をしました

 

自転車の後ろの荷台に、牛乳瓶が入った木箱を二段に重ねて

積み、麻袋二つにヨーグルトとカツゲンを入れて、ハンドル

の左右にぶら下げるのです

 

牛乳配達用の自転車は、牛乳瓶などの重量に耐えられるよう

に頑丈に作られていました

 

そんな自転車に配達分の牛乳を乗せると、最初はふら付いて

真面に乗れなかったほどでした

 

雨の日も風の日も雪の日も牛乳配達は、正月の3が日以外は

休みがありませんでした

 

幸い、当時の函館は積もるほど雪が降らなかったので、冬も

自転車で牛乳配達をしました

 

それでも、1度だけ雪で滑って自転車を倒してしまい牛乳瓶

を数本割ってしまった事がありました

 

その時は、一度店に戻って割れた分を補充してから配達を続

けたのでした

 

牛乳を配達する前に、最初に教えられたのが挨拶でした

 

私の配達地域は住宅街でした

 

朝5時半くらいから配達を開始します

 

各家庭の玄関先や勝手口に、牛乳瓶を入れる専用の木箱が置

いてあります(置いていない家もありましたが)

 

その箱の中に空き瓶が入っているので、空き瓶を回収して新

しい牛乳を置いていくのです

 

その時に、明るくはっきりとした声で「おはようございます」

と必ず挨拶するように言われたのでした

 

  

 

朝早いので、周りには誰もいません

 

家の人も中にいて外には出てきません

 

それでも「おはようございます」と挨拶をするのです

 

それは、目の前に相手がいなくても牛乳の配達に来た自分の

存在を家の人に知って貰う為なのです

 

最初は、なかなか声がでませんでしたがすぐになれて、きち

っと挨拶が出来るようになりました

 

 

以前こんな、事があったそうです

 

それは、お客さんから「牛乳が配達されていない」と言われ

たそうなんです

 

配達員は間違いなく配達したと言う事で、お客さんに空き瓶

が有ったか確認して貰ったところ、空き瓶はなかったと言う

事でした

 

配達をしていないのであれば、空き瓶は残っているはずです

 

それに、配達が終わった後で持ち出した本数が余るような事

があれば、すぐに未配達のある事が分かるのです

 

つまり、空き瓶を回収して新しい牛乳瓶を入れた後、誰かが

その牛乳瓶を持ち去ったと言う事になるのです

 

家の人は、いつ牛乳配達の人が来たのか分からない、と言う

事が問題の一つとして取り上げられた事で、挨拶を徹底する

ことで牛乳配達員の存在を家の人に知らせる一つの手段とし

たのです

 

 

それで、牛乳配達の初日に挨拶をしっかりするように言われ

たのでした

 

つまり、挨拶は相手や他人の為ではなくあくまでも自分の為

にするのだ、と言う事なのです

 

 

よく、こちらから挨拶をしても無視されたとか、挨拶を返さ

ない、と相手に対して不満を言う人がいますが、そんな事を

気に掛ける必要などないのです

 

つまり、挨拶は自分の誠意を伝える為にするのですから、そ

れが相手に伝わなかったとしても、いちいち反応することは

無いのです