世界的な大学ランキングが発表されても、日本のマスコミは静観していることが多い。
今年は東大京大が何位でした、と書いても、早慶や関関同立が何位でした、とは触れない。
マスコミに、有名私大文系出身者が多いことと無関係ではない気もする。
早慶上理、GMARCH、関関同立。愛知だと南山、福岡だと西南学院も社会的評価の高い人気の総合大学だ。
それらの大規模私立大学は卒業生の数が多く、著名人も輩出し、地元の政財界で大きな影響力を持っている。
そんな誇りある大学が、世界では評価が低いとなると、おもしろくないだろう。
現状に安住している保守的な人々は、「判断する基準が不利だし」とか「外国とは違うし」などと自分のプライドを傷つけないためにバイアスをかけた視点でランキングを眺めて心を落ち着かせる。
しかし、そうは言っても韓国の私立総合大学は、世界の大学ランキングで結構上位に入っている。
難関私立大学の成均館大、高麗大、延世大などは堂々200位以内だ。
https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2020/world-ranking#!/page/0/length/25/locations/KR/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats
89 成均館大
179 高麗大
197 延世大
トップとは言えない有名私立大学でも、500位以内に入っている。
301–350 慶熙大
351–400 漢陽大
401–500 世宗大
それに比べて、日本国内で難関と言われている私立総合大学のランキングは残念ながら低め。
研究機関としては高く評価されていない、という現実を直視すべきではないだろうか。
601–800 早稲田大、慶應義塾大
801–1000 東京理科大、立教大
1001+ 明治大、青山学院大、中央大、法政大、上智大
1001+ 関西学院大、関西大、立命館大、同志社大
ランク外 学習院大、南山大、西南学院大
ただ、私立大学でも、近畿大学や帝京大学といった医学部のある大学は比較的ランキングが高い。
論文を書く研究者が多いからだろう。
世界的に引用される論文が多い教員を抱えていると、ランキングアップにつながる。
世界大学ランキングにおいては、ブランド力や影響力ではなく、研究力が重要だ。
国公立大学は地味だが、私立大学に比べるとランクが高め。
就職を優先するなら有名私立大学に行くと有利かもしれないが、研究を志すのであれば、研究機関として評価の高い大学に行く方が良さそうだ。
あまり注目されていないけど「指定国立大学法人」に選ばれた大学は、研究力の向上のために柔軟な施策を進める可能性が高い。
マスコミは、私立総合大学から多くの広告費をもらっているためか、世界の大学ランキングで1000位に入らない大学も、「難関大学」としてもてはやしている。
だが、実態のないイメージに流されて、教育や研究の質に目を向けないで進学先を決めると、損をすることもあるので注意が必要だ。
新聞や雑誌、予備校なども、早慶上智やGMARCH、関関同立を「難関大学」と言うのであれば、旧七帝大だけではなく、広島大や千葉大、金沢大なども「難関大学」として扱うべきではないだろうか。
河合塾やベネッセはどのように認識しているのだろうか。
関関同立などを「難関」と書いているのに、広島大や千葉大などを「準難関」などと表現していると、不当表示として批判を受けるかもしれない。
■THE世界大学ランキング2021(500位以内の日本の大学)
36 東京大★
65 京都大★
251–300 東北大★、東京工業大★
301–350 名古屋大★、大阪大★
351–400 産業医科大※
401–500 北海道大、九州大、筑波大★、東京医科歯科大★、藤田医科大※、帝京大※
※は私立大学
★は指定国立大学法人(2020/10段階)
(参考)
https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/6768
■THE世界大学ランキング2021 日本から116校がランクイン【一覧掲載】
2020.09.08 高校生新聞
英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は2020年9月、世界の大学を研究の影響力や国際性などの基準で順位付けした「世界大学ランキング」の最新版(2021年版)を発表した。1位は5年連続で英国のオックスフォード大学。日本からは前年より6校多い116校がランクインした。中国をはじめアジアの大学の存在感がましている。国内の最高順位は東京大学の36位だった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65049500V11C20A0L60000/
■筑波大 指定国立大学法人に 分野超えた研究など実践
2020/10/15 19:26 日経新聞
筑波大学は15日、文部科学相から指定国立大学法人の指定を受けたと発表した。学長の強いリーダーシップが発揮されるとともに大学の目指すべき方向性や取り組みが全学的に浸透している点などが評価された。今後は「真の総合大学」として分野の壁を超えた研究や世界に先駆けた教育モデル、筑波研究学園都市の立地を生かした産学連携などを実践する方針だ。
指定国立大学法人は、大学の教育研究水準の向上とイノベーション創出を図るため世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を指定する制度。2017年の東京大学や京都大学をはじめ、計9大学が指定された。
筑波大は、人材育成と研究力の強化を通じて地球規模の課題を解決する「真の総合大学」を目指すとし、実現に向けた様々な目標を掲げた。
人材育成関連では、医学群などを除いた1600人の学生に1600人の教員が対応する「チュートリアル教育」を実施するほか、外国人学生を5000人と全学生の30%まで増やしたり、若手教員を900人規模で採用し、全教員の30%を占めるようにしたりする。
研究関連では、企業の研究部門と一体化した「B2A研究所」を設置し、研究成果の社会実装を進める。筑波大発スタートアップは現状の3倍の500社に増やし、資金調達額も100億円と現状から倍増させる。
永田恭介学長は今回の指定について、「国立大学改革を先導する役割が改めて本学に期待されたことを意味する。この期待に応えることが我が国の高等教育、ひいては我が国の発展の原動力となると確信している」とコメントした。