1996年くらいのことだろうか。
ある日アパートのドアを開けると、日経新聞の勧誘の人がいた。
南国的ないかつい顔立ちの男。
話を聞いていると、なぜか感謝された。
新聞の勧誘だというだけで、話も聞いてくれない人が多いとのこと。
歳も近かったので親近感があったらしく、その後車でアパートまで来てくれた。
小さいけどやたら加速の早い車(改造車か?)で周辺の住宅街をドライブした。
そこで彼が語ってくれたのは、関東連合の一員だということ。
トップの人と盃を交わしたとか。
当時はまだアンダーグラウンドな世界に疎かったので、連合とか盃とか聞くと
てっきり広域暴力団の話かと思って聞き流した。
沖縄のハブや琉球空手について話していたことも覚えている。
女性が草むらに入って用を足していたらハブが! とか
指の骨をわざと折ってなおして太くして突く! とか、痛い話が多かった。
当時乗っていたぼくの小さな車を見て、言ってくれれば激安(5万円とか)でいい車を売ると言っていた。
内心、盗難車か何かではないかと想像した。
その後、彼が事故を起こしたとか逮捕されたとかいう話を耳にした。
もう日経新聞の勧誘はやっていないらしい。
珍しい苗字の人だったけど、検索しても情報は出てこない。
今も元気にしているだろうか。
最近、半グレとして話題の関東連合の人たちは80年代生まれの人が多い。
ぼくが知っている10歳以上年上の人たちとは、もう全然違うグループになっているのではないだろうか。
それにしても当時の日経新聞には無茶な勧誘も多かった。
実は病気で、という泣き落とし。
無料でいいから、と言って契約してその後料金徴収。
その後、日経新聞の次長になっていた知り合いにちょっと言ったことがあるけど、
勧誘のことはよく知らない様子だった。
先日東京新聞の購読をやめたし、日経新聞か毎日新聞でも取ろうかと考えていたら、むかしのことを思い出した。