昨年の半ば以降,長男の調子というかアベレージが急上昇.

 その背景には,週3の部活動や全国大会を含む試合経験もさることながら,筆者の「ボウリング場めぐり」に同行して,あちこちの「初めてのセンター」で投げてみる経験が効いていると思う.

 

 中2で始めてリアクティブウレタンのボールを持った時には,12Lbsだった.

 中3でそれを「振り回す」感じになったことで「増量」を決意したが,ここで選択肢が三つ浮かんだ.

 いずれ15Lbsに辿り着く可能性もあるので,1Lbsずつ刻む(12⇒13⇒14⇒15)か,思い切って14Lbsにしてしまうか,取り敢えず13Lbsで慣らしてその次を15Lbsにするか,だ.

 

 筆者自身は,最初のキャンペーンボールこそ14Lbsで作ったが,その先は全て15Lbsで現在に至る.体格的には16Lbsでも問題なく行ける(正直15Lbsでも若干「振り回し」気味)と思う(実際プロなどからもよくそう言われる)のだが,16Lbsだとボールの選択肢が途端に少なくなってしまう.数多あるボールから選びたいというよりは「セール品になるのが大抵15Lbs」という背景のほうが大きい.

 一番人気(需要)があると思う15Lbsが,売れ残ってセール品に,というのは(ボウラーではない一般人の感覚を考えると)不思議な気もするのだが,需要が大きいからこそ,ボールメーカーも15Lbsを重点的に製造・出荷しているのだと思う.15Lbs以外で売れ残るのは大抵12Lbs以下なので,筆者どころか長男でも使いどころがない.いやまあ,手にしっかり合った12Lbsだったら「剛速球」を投げ込むこともできそうな気もするので(特に左投げ),それはそれで「ちょっと違ったスポーツとしてのボウリング」になりそうな気がしないでもない.

 

 結局,長男は12(中2)⇒13(中3)⇒14Lbs(高1)と増量し,現在に至る.

 恐らく,13Lbsを投げる期間はかなり短くなると予想し,実際そのとおりになった.

 

 よく聞く話だが,メーカーがボール(というかコア)を設計する際には,15Lbsでパフォーマンスが最大に発揮できるように作る,と言われている.そのため,15Lbsの他には14Lbsしか作らない,というボールもあるらしい.流石に15Lbsしか作らない,というのは聞かないが,上級者でも女性だと14Lbsもかなりの需要がありそうだし,男子プロでも14Lbsを「愛用」している人もいる.その次に人気・需要があるのが16Lbsなのかな,と思うが,それは上級者の場合であって,一般的には13⇒12⇒11⇒……となるのだろうと思う.

 

 そのため,かなり「細身」で「軽量」な長男の場合,14Lbsに落ち着く可能性も少なくなかった.

 なので,13Lbsとしては「安いけど性能もそこそこ」と言われる「UP BEAT (Pearl)」を「つなぎ」に使った(12Lbsは「Gyration II MRG」だった)が,14Lbsにするところから,そこそこの品にしようと考えた.

 丁度,高校進学の直前だったので,「ジュニアクラブ練習会」でお世話になっている佐々木智之コーチ(ナショナルチーム・プレイングコーチ兼男子キャプテン)に相談して「MELEE JAB MidnightBlue」を選択した.

 そしてその後,長男の「ホーム」(ジュニアクラブと部活の練習場所)である「ボウリング王国スポルト八景店(114-097)」とその中に店を構える「ヒサカプロショップ」が共同で行ったセールで「PHYSIX PowerElite Blue」を追加.

 このボール,コンディションの如何に関わらず「何とかしてくれる」感が強い.ボールとしての「強さ」はほどほどなのだが(その分,相当に枯れてきてもどうにかなる),ピンアクションは「流石PHYSIX」という感じで,文字どおり「どうにかする」ボールかと.

 初心者から上級者まで,それぞれが(いい意味で)それなりに使えるボールで,まさに「万能型」と言えようか.

 「ヒサカプロショップ」でのドリル代とソリッド・グリップまで込みで22K円程度だったと思うので,かなりの「お買い得」で,長男の分だけではなく,筆者の分も買ってしまった(迷った末に右投げ用としてドリル).

 

 ところが,この高校入学前後に購入した2つのボールが,1年少々使ううちに,かなり草臥れてしまったらしい.

 

 「PHYSIX」こそ,元々のポテンシャルが高いので,カバーが弱っても中盤以降では使いどころがありそうなものの,「MELEE」は「オイル抜きしてもちょっと……」という状態らしい.

 そんな状態のまま,昨年暮れの「全国高等学校対抗ボウリング選手権」ではAVG190台半ばで乗り切った.これは,付いて来てくれていたOBの木村晃プロ(1431/60期)が,ゲームやシフトの間に表面加工したりしながら対応策を教示してくれたのが大きい(やっぱプロってすごいな,と).

 

 でももう「流石に無理」ということで,次のボールを考えることに.

 

 この2つのボールの「後継」として,同じくらいの「位置付け」のボールにするか,これらは「一段弱い」ボールとしての位置付けにしてより強いボールを加えるか,のどちらかとなり,後者を選択.

 結果として「NANODESU AccuDrive III」を選んだ.

 

 長男は「NANODESU」は初めてだが,筆者は既に右投げ用で「AccuLine TourPremium IV」と「NANODESU Nine」,左投げ用として「AccuRise X」を使っている.いずれも「さすが国産」と思える扱いやすさがあり,特に「AccuRise X」は現在(若干強過ぎる感はあるけれど)「遠征用」の(左投げ用)エースボールになっている.一方で「TourPremium IV」は,それこそ2021年3月の「湘南ボウル(114-081)」の営業終了直前に購入したボールなので,ちょっと「へばった」感が出始めているが.

 

 しかし「AccuDrive III」では強過ぎる,となった時に,草臥れてきた「PHYSIX」や「MELEE」へとチェンジすると「落差」が大きいかな,と思い,それらのボールの「元々の強さ」に近いボールを何か一つ,と考えて「ZEN GoldLabel」も追加した.

 これも佐々木コーチに相談して,「ZEN」の他にはSTORMの「SUMMIT Peak」などが候補に挙がったが,長男本人が「ZEN」を選択した.

 流石に「MELEE」は「一線を退いた」扱いになってしまったようだが(一応,近日中に最後の「お化粧直し」(スパンやホールサイズの最終確認)をして「ラウンドワン吉祥寺店(【118】113-134)」に移管するか,とは考えている),長男的には「AccuDrive」>「ZEN」>「PHYSIX」>「スペアボール(T-Zone)」というラインアップになっている.

 実は,スペアボールと「AccuDrive」以外は,全てパールリアクティブなので,何かソリッドの球があったほうがいいか,とか,ウレタンってどうなんだろう,とか考えたりもするのだが,長男の球質を見ると,そこら辺は微妙な感じ.

 また,体格的に3個入バッグは厳しいと思い,現状ならば「2個入」✕2で済む,ということもある.2個入カートに1個用の小バッグを取り付けて運ぶこともできるから,このほうが(仮に1~2個増えたとしても)いいかも知れない.

 大会の際に周囲を見渡すと「3個入✕2」がデフォなんじゃないか,と思ってしまうのだが.

 

 あくまでも自分のポリシー的なものではあるけれど,自分自身が「スイッチボウラー」ということもあり,「そうそういくつも持って行けない」ことから,基本的に遠征時は「左右各1個」に絞るとともに,スペアボールさえ諦めた.

 その制約の中で,初めてのセンターで投げてみたりするうちに,多くの(中級以上の)ボウラーが当たり前のようにやっている「ボールチェンジ」をしないで,「今ここにあるボールだけで何とかする」ということを通して投球の幅が拡がった,「引き出し」が増えたと感じている.スペアボールを使わないために「縦回転MAX」で投げるには……とやっているうちに,回転軸のいじり方が「ストンと落ちた」と感じた.

 競技会ではないなら「最悪ハウスボール投げちゃる」と開き直り,スパンの合わないボールでも「テープでどうにかする」とあれこれやっていると,サムの抜けに対する「感覚」も変わり,全体的に「指先の微妙な感覚」が磨かれた気がしている.

 

 長男のボールは,こんな感じだが,筆者のボールは……と見ると,右投げ用こそ年に1個のペースで(主にセール品を)購入してはいるのだが,左投げ用は2020年の暮れに「In2ition」を買った以降は,2022年10月の前出「AccuRise X」くらいだ.

 「In2ition」は,3年半ほど使っているが,未だにそこそこ使えており,現在は「ラウンドワン横浜駅西口店(【36】114-106)」で右投げ用の「AccuLine TourPremium IV」とセットで保管してあり,横浜駅ベースで遠征する際にはこのセットが活動する.

 ともに,幅広いコンディションで使えるボールかと感じているので,このポジションに落ち着いているが,前述したとおり「TourPremium IV」は,若干お疲れ気味ではある.

 「AccuRise X」は,「スポルト八景」のロッカーが「定位置」だが,自宅ベースでの遠征時には,右投げ用「PHYSIX PowerElite Blue」とともに持って行くことが多い.

 

 この他に,実はこの間,左投げ用のボールが1つ増えている.

 「The Emperor Gold」.

 

 

 これは,かつてホームだった「ラウンドワン横浜戸塚店(【8】114-108)でのスタッフチャレンジの「抽選賞」で貰ったボール.つまり「タダ」である.横浜戸塚店で貰ったものの,3日後には閉店してしまうのでドリルは間に合わず,事情を話して横浜駅西口店でドリルしてもらった.

 これまた割合いろんなコンディションで合わせやすいのだが,現在は「ラウンドワン吉祥寺店」に置いてある.

 

 という具合なのだが,最近の「遠征用」として主に使う左投げ用ボールは「AccuRise X」になることが多い.

 いいボールなのだが,多くのボウリング場のハウスコンディションに対しては,若干強過ぎることが多いのも事実だ.

 何かいいボールないかな……と思っていた時に,ふと見たのが「Astro PHYSIX II」.

 今年の2月から3月頃に「ヒサカプロショップ」の店頭で見て,POP(の普通は「ミディアム向け」とか書くところ,PHYSIX系はよく「万能」とか書いてあったりするけど)に「完売の予感」と書いてあったので,「完売したの?」と訊いたら,今入荷した15Lbsはもう残ってないけど,5月頃に再入荷するから,それで良ければ確保しますよ,と言われた.

 

 折しも,その直後の「ヒサカプロショップ杯」で,とんでもない絶好調(250UPするわ,スクラッチトータルが余裕でプラスだわ)で優勝してしまい,6月まで有効の「プロショップ5,000円券」をもらっていたので,ドリル代はほぼタダみたいなもの.

 

 全部込みで33K円ほどで済んでしまったのだが,これラウンドワンでも(PHYSIXは12Lbsとかしかなかったりするけど)32,640円とかする.

 そう考えたら,ドリルは確かだし,15Lbsが確保できたし,ソリッド・グリップも込みなんだから明らかに「お買い得」.

 

 なお,HI-SPのサイトで確認すると「5月再入荷分はロゴの色が若干変わります」とあり,初期版はゴールドっぽいラメ入り風だったのが,再入荷番はアイボリーホワイトっぽいプリント風になっている.尤も,性能の差はないだろうけれど.

 

 投げてみた.

 

 左だから右投げよりも曲がる,という分を差し引いても,キレはかなりいい.

 手指の微妙な具合や,リリース時の挙動によってボールの動きが大きく変わるのだが,その感覚は非常にリニアで, こう変化させたい,という投げ手の意思が素直に伝わる感じ.

 走りも良く,ピンアクションも流石で,「きちんと投げられれば」ストライク量産になりそうだが,その「きちんと投げる」が難しいので,そこは練習あるのみかと.

 

 とにかくボール自体が持つポテンシャルによって,投げるラインに「幅」が取りやすい.

 筆者の左投げは「コントロールは二の次」タイプなので,「大体この辺に転がす」程度の大雑把さなのだが,これでレーンコンディション自体にも「幅」が取れるなら,かなり楽できそうな気がする.

 どこかで左投げの「とんでもない記録」を作ってしまいそうな予感さえ感じるボールだ.

 

 入荷待ちの間に,ふと思って「14Lbsって入りそう?」と訊いたのだが,ちょっと難しい,ということで長男の分は諦めた.

 

 しかし,PHYSIXが人気がある理由が,よくわかった気がする.