いよいよ「県高校総体」本番.

 

 初日は「個人戦」6ゲームが行われる.個人成績はこの日で「順位」が決まる.

 翌日の「チーム戦」6ゲームと合わせて,各校上位3名のトータルピンで「学校」としての「県高校総体」の順位(総合順位)が決まるが,「チーム戦」の成績はメイクチームも含めて順位が決まる.

 そして,「チーム戦」の上位からメイクチームを除いた上位から「全国高等学校対抗ボウリング選手権」への出場校が決まる,という仕組になっている(メイクチームは出場権なし).

 

 「個人戦」は,上位6名までが「入賞」なので,ちょっと流石に難しいかな,と思うし,「総合順位」も2人しか部員がいない時点で相当に不利(3人目はゼロとして計算)になる.

 とにかく本命は「チーム戦」で,これで上位に入れば「全国高等学校対抗ボウリング選手権」への出場権を得ることができる.

 

 神奈川県の「割当」は,恐らく全国で一番多い.

 それだけ「ボウリングをしている高校生や高校の部活動が多い」ということだし,結果を見ても神奈川県の高校が優勝した回数も多い.

 今年も「男子7チーム,女子6チーム」が割当になっているという「内申」があったそうだ.

 で,チーム戦にエントリーしているのは,男子19チーム,女子6チーム……女子,全員出られるやん(というかメイクチームもあるので「お釣り」が出る)……!

 というのも,男子もそうだが女子の神奈川県の強さは段違いで,今回も恐らく,全出場選手の平均点を取ったら,女子のほうが圧倒的に高いんじゃなかろうか,という感じである.男子は19チームあるものの,学校としては10校程度しかないので,普段通りに投げられればどうにかなるかな,とは思うのだが.

 

 高校から(長男は中2からなので多少早いが,それでも全体から見れば遅いほうだ)ボウリングを始めても「全国大会」に出られる可能性が少なくないのだが,これだけの「枠」を育ててくれた神奈川県出身の諸先輩に感謝したい.

 なお,同一校から複数チームが上位に入った場合は「なるべく出場校が多くなるように」調整が入るが,そもそも部員2人なので,その点は気にせず「1ピンでも多く」でいけば良かろうかと.

 

 その意味で,初日の「個人戦」は「肩慣らし」のようなものではあった.

 しかし,前の週に練習した記事でも書いたのだが,長男はレーンコンディションが「月替わり」であることをすっかり失念していたようで,序盤に躓いた.

 後ろから見ているだけで,絶対に「違う」と確信したので,途中で「6枚目か7枚目まっすぐだよ」とアドバイスしてみたものの「違う!」と否定.実際,場内に掲示されていたレーンコンディションや,その「攻略」アドバイスを見ても(これを見て「6~7枚目まっすぐと言った訳ではなく,実際に見ているだけでそう感じたのだから余程だろう),「7枚目まっすぐ」が「正解」と書いてあった.

 勿論,ボウラーのタイプによって,それがベストとは限らないのだが,標準的なストローカーである長男や筆者は,それを基本に考えるほうが無難だと思う.

 

 なお,このコンディションは,デイリーコンディションにしては難易度がかなり高い.

 「普段の『えのボー』をイメージすると痛い目に遭う」と,他校の監督の先生も言っていたので,確かだと思う.

 幅がなく変化が速いのが際立っていて,その点では左投げは有利だとは思うのだが,それでも全体的に皆スコアは総じて低目だった.

 

 それにしても900に届かないというのはショックだったようだ.

 

 初日は14時頃に終わったのだが,その後センター内の飲食コーナーで昼食を取りながら「残って練習するか?」と訊くと「する」と言う.

 

 本当は,レフティが入っていた後の(大会後メンテナンスは入っていないようだったので)3~10番のどこかに入りたかったが,空いておらず16番へ.

 ここは女子が使っていたレーンで,現在の県内高校女子にレフティは(右バックアッパーも)いないので(3年ほど前に卒業した人にはユースメンバーになった人がいて,現在の中2に一人上手い子がいるのは知っているが),左側はほぼ使われていない筈である.

 

 2ゲームほど投げたところで,変化の速度を上げようか,と思い「参戦」することにした.

 

 とは言え,こんなことになるとは思ってもいなかったので,ボールどころかシューズすら持って来ていない.

 いや,それでもこれだけ変化していくレーンなら,ハウスボールでもかき乱すことはできそうだし,スコアは度外視していいのだから,一歩助走で転がしたっていい,と400円でシューズを借りることに.

 フロントに言って,ボウラー追加をしてもらい,第3ゲームから加わることにした.

 

 14Lbs.のハウスボールで,スパンが長めでかつサムホールの小さいものを探し,サムホールの「腹」側(内側)に滑り止めの「TA-2d」を,「背」側(外側)にはサムクッションと調整用のサムテープを4枚ほど入れたら,かなりしっくりくる感じになった.

 実際にスイングしてみても,落としてしまうような感覚は全くなく,マイボールと大差ない感触で投げられるし,何なら「なんちゃってローダウン」も行けそうな感じだ.

 シューズも一計を案じ,小物入れにあった「使い古したノンスリップの『TA-2b』」を左足のソールに2~3枚貼ると,きっちりとグリップするではないか! これ,元々マイボールに貼っていたものが,摩滅して来て出口側がツルツルになってしまったために交換したものだが,摩滅したのは2~3割くらいまでなので,何かに使えるかも,と思って取っておいたものなのだ.まさか,こんな使い方があるとは(笑).

 ただし,投げ終わってから(元通りに剥がそうと思い)見てみると,ほぼ「滑り止め成分?」はなくなっていた.それだけ効いていた,ということでもある.摩滅した分がアプローチに付着したりはしていないかと見てみたが,そんなことはなかった.考えてみたら,マイシューズのラバーだって,結構磨滅するではないか.

 

 で,最後にはマイボールに迫ろうかという「性能」を発揮し始めた.

 細かいコントロールには難があるが,全体的に「中遅外早」に感じるレーンコンディションなので,ハウスボールでも中に入っていくと多少は曲がる.これを活用すれば,いい感じにポケットを突くことができるし,少々の内ミスは裏ストライクの可能性もある.

 開始直後に長男が「曲がらない」と言っていたような状態の場合には(もっともすぐに変化して,今度は思いがけず曲がってしまうようにもなるが),このハウスボールでの軌道は参考になる筈だ.

 

 何より,「ハウスシューズでハウスボールを投げているだけのおっさん」が,突如としてストライクを連発し始めたので,周囲の一般客が「ちょっと引いていた」かも知れない.

 なお,2ゲーム目(第4ゲーム)の8フレに,2-6-7-10という「目を覆いたくなるようなスプリット」になってしまったが,何とこれを見事にメイク成功.7番タップを含めて,外側の残りピンが苦にならなかったので「スペアボールがあれば,こんな感じなんだな」と改めて思った.

 実際,レーンが遅くてどうしようもない時には,「スペアボール代わりにハウスボール投げちゃダメ?」と思うこともあるのだが,厳密な競技会ではNGの筈である.

 

 さて,筆者は4ゲームでやめておこう.

 長男はもう1ゲーム投げて,結局7ゲーム.

 今度は,最初の状態がわかってからスタートしているから,出足は良かったが,レーンの変化に伴って合わなくなっていった感じ.

 特に,筆者が「参戦」した第3ゲーム以降は,目に見えて合わなくなったから,ハウスボールとは言え(ヨーロピアン方式でもあるし),レーンコンディションの変化に与える影響は,それなりにあるのだと思う.

 逆に言えば,ハウスボールでも「尻上がり」になったことから,レーンだけではなくボールにも「慣れて来た」こともあるのだろうが,レーンコンディション変化が大きい場合には「あまり曲がらないボール」というもの(例えばウレタンボールとか)を考えてもいいのかも知れない.

 

 長男の一投目ボールは2つしかないので,選択の余地がないから,レーンが変化するまでが勝負,だとは思う.

 あとはどこまで「変化」について行けるかと,レフティ同士の「競合」がどれほどあるか,だろうか.

 

 なお,今回は,先日の「練習」時に貰った「1ゲーム無料券」があったので,長男6ゲーム+筆者3ゲーム分で済んだ.