県高体連の「地区大会」に長男が参加.

 

 と言っても,「地区」内にボウリング部のある高校は2校しか残っていない.

 長男の高校は,長男の他に3年生の先輩が1人いるだけで,その先輩も「受験」で日程的に出られない,ということに.

 

 ボウリングの場合,そもそも「部活動」として取り入れている高校は数少なく,個人でどこかのクラブに所属している生徒は「学校名の看板」は背負っている(規定でそうなっている)ものの,あくまでも「個人」としての参加.ただし,同じ学校に複数(かつ同性)の選手がいる場合は,チーム戦にも「学校」として参加することができる仕組み.

 

 地区内には,これまでそのような選手もちらほらいるし,県大会などで上位に入る選手の多くはそういう生徒が多かったが,この春に卒業した「代」が一つの「ピーク」で,今年は大幅に減ってしまった印象.

 長男の高校にしても,今春,男子3名,女子3名が卒業してしまったため,このままでは「存続の危機」に瀕している.

 数多くのプロボウラーを輩出してきた「名門」として(この業界では)知られているだけに,何とか来春は,どこかのジュニアクラブで活動しているような子が入ってくれないか,と期待しているのだが.現在の中学3年生は,かなり「層」が厚い学年なので,誰か一人くらいは……と思うのだが.

 

 ということで「地区大会」にもかかわらず,出場選手は長男以外は,全員もう一校の生徒ばかりという「完全アウェイ」な大会に.

 実際に見ると,一人を除いて全員が同じユニフォームという,ちょっと異様な光景.

 どう見ても,もう一校の練習に「混ぜてもらっている」ような感じになってしまう.

 しかし,県内でボウリング競技の「地区大会」があるのは,この地区だけ.この分では,いずれなくなってしまうのではないかと心配になってしまう.

 

 そう言えば先日,県高P連(PTA連絡協議会)の「横浜南地区大会」というのがあって,長男の高校でPTA副会長をしているため,参加したのだが,それを聞いた長男が「地区大会」という言葉で,ボウリングの大会かと勘違い.

 いや,他校のPTA役員と「対抗戦」やるんだったら,ガチで200/G超え狙いに行きますがな(笑).ボールどころかシューズも持って行かないので,そんな訳ないよ,と.

 

 なお,会場は長男が部活でも使用している「ボウリング王国スポルト八景店(114-097)」なので,そこだけは「ホーム」ではある.ちなみにもう一校は「アカフーボウル(114-100)」なのだが,デイリーコンディションの「クセ」が全く異なるセンターなので,それがどう出るか,というところかと.

 

 14時集合,と言われていて,実際に行ってみたら14時25分から「開会式」,そして14時30分から練習投球という流れ.

 到着した時には,午前中から開催されていた「横浜市レディース何とか大会」が終わるところで,表彰とかやっており,館内がごった返していた.1番から26番あたりまでが使用されていたようで,そう言えば前日に来た時には「13:45頃まで大会のため全館貸切」みたいな案内が出ていたが,27~36番にも別なものが入っていたのか,それとも競技が終わってとりあえず10レーンほど空けたのか.

 時間を考えると,これからメンテナンスを行うとも思えず,比較的年配の女性が多かった(若い人が全くいない訳でもないけど)ことを考えると,恐らくデイリーハウスコンディションのままだろう.

 経験上,男性に較べて女性はレフティが少ないので,左投げの長男は「普段投げているコンディションである上に,荒れていない」という好条件にはなろうかと.尤も,女性の場合は多く使われるラインも男性のそれとは異なることもあると思われるので,一概には言えない.

 ちなみに,現在の「スポルト八景店」のデイリーコンディションは,45フィートあるものの,オイル量はそんなに多くなく,かつ中央部にキュッと集まっている感じ.

 オイルがさほど多くない上に,15枚目よりも内側に集められているため,それより外の変化はかなり早く,伸びるよりも削れるほうが大きいように感じている.

 10枚目より外を使って投げるタイプだと,この変化についていくのは苦労しそうだが,普段からここで投げていると「まあ,こんなもんか」と思えるし,筆者のように「曲げない(曲がらない/曲げられない?)タイプ」のボウラーには,却ってハイスコレーンに感じることもあるかも知れない.いや,このパターンだと,筆者でも存外曲がってしまうんだけども…….

 

 「地区大会」は,男子15人と女子4人の19人参加.1~12番を使用するらしく,13・14番が「予備ボックス」の指定.

 長男は,1・2番に割り当てられて3人打ち.全員男子(女子をまとめず分散させている)だが,同ボックスにレフティはいない.

 もう一校にも一人,そこそこ上手なレフティの男子がいるのだが,ちょっと離れたボックスだった.

 この配置で予選3ゲームを行い,3ゲームトータルの上位から男女関係なく1番から再度割り当てて,決勝3ゲームという流れになる.予選で2~3位だったら同じボックスに留まるのだが,移動先のボックスがどこになるのか見当が付かない.

 なお「昨年は4ゲームでの実施でしたが,今年は予算が付いたので予選と決勝で計6ゲームにします」とのこと.

 

 「スポルト八景店」の1~4番の後ろにはロッカーが置いてあるため,ボウラーズベンチの後ろから見ることができない.

 この結果によって,次の大会への出場権が……とかいう大会でもないし,15番から36番までは「一般営業」なんだから,投げながら時々様子を見に行こうかと考えた.

 受付に会員証を出すと16番が指定された.ここからならば,投げている様子も割合見えるから,丁度いいかも知れない.

 

 実は前日,長男の高校では中学3年生向けの「学校説明会」があり,その一環で「部活動体験」もあって,11時から13時まで「スポルト八景店」に来ている.更に13時から「ジュニアクラブ練習会」と続いて,夕方18時からは「スポコン研修会」.

 「部活動体験」と「ジュニアクラブ練習会」の間に,別のレーンで「自主トレ」として左右各6ゲームずつを投げ,スポコン研修会でも6ゲームを右投げしてしまったので,都合18ゲーム.スポコン研修会では,前後に「練習投球」(終了後のは「反省会」とも言う)があるので,恐らく20ゲーム相当は投げている.果たして体力が持つのか,若干不安ではあるが,取り敢えず投げてみよう.

 

 前日は「スポコン研修会」で右投げに絞ったため,今日は左投げ主体で行こう.長男もレフティだし「応援」という意味でも,左投げのほうが良かろう.

 

 「スポルト八景店」の場合,最初に1フレームだけ「練習投球」が付いているのだが,これは「ゼロ歩助走」で転がしてみる.

 

 1ゲーム目の1フレから7番タップの洗礼を浴びるが,これをカバーできたから,昨日の「練習」が活きているのか.

 すると2フレからダブル,時々ミスが出るものの,7番だったりバケット崩れ(3-5-9)のチョップ(5番残り)だったりと,まあ仕方ないか,という感じで,1ゲーム目から192でスタート.

 2ゲーム目は,更に面倒くさい3-5-9-10という妙な残り方のスプリットを,1ゲーム目の8フレの「反省」を踏まえてしっかりカバーしスタート.4フレからターキーが来て一気にプラスに持って行くが,8フレで3-7と割ってしまう.それでもまだプラスだ,と9フレをストライクとして繋いだものの,10フレが痛恨のノーヘッド.しかもカバーをミスしてジ・エンド.

 それでも187だから,2ゲームまでで379と「応援投球」としては悪くない.

 3ゲーム目も,ダブルでスタートしたのに3フレで厚く入って2-4-7が残り,曲がりを読み違えて2番を残してしまった.更に,6-10残りをイージーミス.10フレでダブルが出たものの,時既に遅し.しかし,そのダブルが効いて188まで持って来た.

 

 3ゲームで567.長男もこのくらい取れれば,結構いいところに行くのでは…….

 

 丁度このあたりで,予選3ゲームが始まったので様子を見に行った.

 長男の第一投もストライクで始まり,幸先いいなと思ったら,2フレはまさかの2-4-7-8-10という,ビッグ5もどきのスプリット.これも2番を10番まで飛ばすのがセオリーなのだが,ギリギリを攻めた結果2番には掠ったものの飛ぶどころか倒れず.しかし,3フレから気を取り直してハムボーン.

 ところが7フレでビッグ4となり,ちょっと「刺さり気味」になる感じ.それでも198で1ゲーム目を終えた.

 

 この「中断」でリズムが狂ったか,筆者の4ゲーム目は3フレで長男よろしくビッグ4となるも,前半は無難に繋いでいたのに,ちょこちょこ見に行ったりしていたら後半の7番や10番の残りをカバーできずに147止まり.

 

 

 ……これはダメだな.

 

 さて,長男の予選3ゲームは,2ゲーム目の前半でスプリットやチョップで苦戦したものの,後半は安定して179にまとめ,この時点で何と「首位」.

 しかし,3ゲーム目に入って(正確には2ゲーム目の後半くらい)からは,中のオイルが変化してきたのか,7番など外側の残りピンに合わせられなくなってくる.

 どうにか終盤の8フレ・9フレにダブルを持って来たものの,10フレで4-7-10スプリットとなって積み上げられず.

 

 

 それでも3ゲームトータルで500を超え,男子3位,全体でも4位で予選を通過(というか全員「決勝」も投げるんだけど).

 

 ちなみに筆者の,3ゲームまでで567をここに当てはめると「首位」になるようだ.どうもレーン変化の速さについて行けていない選手が多いのかも知れない.長男も3ゲーム目に失速したし,筆者も4ゲーム目の後半でカバーが難しくなって来た.

 

 本来,スポルト八景の24番レーンまでは,基本的に会員とマイボウラーしか入れない筈なのだが,何故かこの日は両隣にハウスボウラーが.

 15番は,マイボウラーの連れらしいし,サムレスながら割合まともな投球なのでいいのだが,17番は18番との家族連れで,17番のバンパーを出している.ちなみに,24番までのバンパーは「固定」で,25番以降のバンパーが「オートバンパー」になっている.

 一人もマイボウラーがいないし,誰か「会員」なのだろうか…….失礼ながら,そんな「腕前」には見えないのだが.

 

 まあ,投げるタイミングは右側だけ気にしていればいいので,さほど困らないのだが,アプローチを「占領」される時間が長いため,投球間隔が開き気味になる.なので,いっそ,と時々「地区大会」を観に行く,という感じになる.

 

 さて,筆者は左投げに一旦「見切り」を付けて,疲弊している筈の右投げに挑んでみることに.

 いや,隣の子供達が四苦八苦しているのを見て「おじさんがお手本を見せてあげよう」という訳でもないのだが.

 

 すると,1ゲーム目となる第5ゲームの1フレは「ゼロ歩助走」にしたにもかかわらずストライクに.

 2フレの1投目も「ゼロ歩」で投げたら,6-10が残ったものの,2投目は普通に投げてカバー.

 そこからは,ストライクも織り交ぜながら,「スイッチ直後」としては滅多にない「ノーミス」で,いきなりの192となった.……左投げと同じやん.

 

 しかも,どういう訳だかこの日は右投げでも相当に曲がる.

 かなりの入射角でポケットに突っ込んで行くので,ピンアクションも結構派手目になる.前半の左投げも言わずもがななので,「さっきまで左投げでストライク連発してたおっさんが,いきなり右でも投げ始めて同じくらいのスコア出してる」という頭がバグりそうな光景に,口あんぐり……かどうかは知らないけど.

 おかげで(かどうかは定かでないが),こちらがアプローチでアドレスしていると,親が子供に「待て」を出しているのが背後の気配でわかるようになった(このおっさん「ガチ」だ,って?).

 

 しかし,ちょっと長目に「地区大会」を観に行ってしまった2ゲーム目(第6ゲーム)の前半に大崩れしてしまう.ことごとくカバーをミスり,2フレではダウンスイングしてきたボールが右脚の脹脛(ふくらはぎ)にヒットし,まさかのガター.

 後半は多少持ち直したものの,126にしかならず.

 

 ということで3ゲーム目の第7ゲームは,前のゲームからそのまま引き続いて入ってみた.

 2フレのストライク前後をスペアで繋ぎつつ,徐々に調子と集中力を高める.5フレからのダブルでプラスに持ち込み,そこから慎重にスペアで繋いでいく.

 しかし,9フレでバケット崩れが残り,8フレは164で確定.「貯金」が底を尽きそう……と思ったら10フレ1投目が思ったほどには曲がってくれず,薄く入ってノーヘッド.7カウントとなって9フレが181と,本当に後がなくなった.

 残った1-2-4は,右投げにとって「正確にブルックリン」に投げ込まないとどこかが残りがち(逆に左投げだとチョップしがち)なピン配置なので,かなり慎重に.これをカバーしても,3投目が9カウント以上でないと200UPできない.こういう時に限って6-7とか7-10とかなるんだよな……と,超絶に「嫌な予感」がするも,まるで左で投げたかのような「なんちゃって高速高回転」なフックボールがポケットに命中.スプリットどころか,我ながら惚れ惚れするような豪快なストライク(全てのピンが一気に弾け飛ぶ「アレ」)で200UPを決めた.

 いやまあ,ダブル1つしかないから(ストライクも4発止まり),本当にギリギリなんだけど…….

 

 

 130にすら届かないゲームがあったにもかかわらず,どうにか3ゲームで500は超えた.

 

 左側に目をやると,長男が3・4番ボックスで投げている様子が見える.

 よし,こちらも再度左投げで200UPを狙っちゃる.

 

 しかし,左投げでは5ゲーム目となる第8ゲームは,ストライクでスタートしたものの,2フレ,3フレとカバーミス.6フレからダブルが来たが,オイルの変化に合わせてと思い,中に入ったら8フレで出し過ぎたか左ガターへドボン.ダブルの後でこれは戴けない

 「軌道修正」して10本ともカバーしたものの,9フレで厚く入って2-4-7残りになり,これをチョップしてしまう.

 更に,10フレでもまたガターをやらかし,これまた10本ともカバーしたものの最後も8カウントと微妙.スコアも159と,これまたとっても微妙な数字になってしまった.

 

 「地区大会」もそろそろ第5ゲームから最終の第6ゲームへと入る頃だな,と思い「これで決める!」と挑んだ6ゲーム目(第9ゲーム).

 やや気合が空回りしたか,思い切り1番を真横から叩くような入り方になってしまい,2-4が残る.その辺りに流れるラインが掴みにくいと感じていて,慎重にカバー.

 1フレの感触から,2枚ほど中に入って,ほんの少しだけ外へ出す感じに転がしてみると,2フレから面白いようにストライクが出始めた.

 3発,4発,5発と連発して,どんどん「貯金」が増えていく.

 しかも,かなり外まで出て,大きく曲がってポケットに吸い込まれていくため,ピン飛びの派手さが半端ない.この頃には,周囲はマイボウラーが多くなっていたが,ちょっと「どよめき」が聞こえるようなくらいに調子が乗ってきた.

 

 調子に乗り過ぎたか,7フレで3-9と嫌な残り方をするが「今の俺に倒せないピンはない(7-10は除く)!」と言わんばかりに確実にカバー.こりゃ完全に「ゾーン」に入った,と思ったのだが…….

 

 8フレ,あまりにも過酷な試練が待っていた.

 

 3-7-9……これを左投げで取れと言うのか!?

 ※ 右投げで言えば,2-8-10に当たる.

 

 左投げで,3-9や3-7は,多少のコツと3-7については「運」もあればカバーできなくはない.しかし,3番ピンに対しての「狙う位置」が真逆になるので,全てを倒すことは相当に難しい.

 3-7-9に対して右投げであれば,3-9をカバーするラインで投げれば,運が良ければ3番が7番も飛ばしてくれる可能性がある.

 しかし,左投げでは通常3-9に対して3番の左側に当てて,それによってボールの軌道を若干左にずらして9番へ……という狙い方が基本.3-7をカバーするには,3番の右側に当てて3番を7番の方向に飛ばすことになる.

 両立させようとすると,3番の正面に厚目ストレート気味に当てて,3番ピンを9番ピンの右側へ倒しながら押し込み,その3番の回転で9番を7番方向に飛ばす,とかいう狙い方くらいしか思い付かない.

 しかし,無情にも3番ピンは,7番と9番の間を通り抜けてしまった.

 すると9フレの何でもない6番残りをカバーし損ねてしまう.それでも9フレで192確定.10フレで8本は,よほどのことがない限り大丈夫だろう.

 安心感からか,ダブルとなり,3投目こそ1本残したが,221でフィニッシュ.

 

 久々に,「力の左・技の右」を見た気がした.

 

 

 時間的にも,もうそろそろ終わりにしないと.

 

 で,長男.

 

 最後に失速したものの,210UPを連発して,見事に「優勝👏」.

 ただ一人で「学校の看板」を背負い,部員数では圧倒的な優位にある学校に対して「快勝」を果たした.

 会場センターが「ホーム」というアドバンテージはあるものの,圧倒的な「アウェイ感」とプレッシャーの中で,ほぼ普段通りに投げられたのは,これまでの「練習」の成果だろう.

 

 なお,6G:1,071で優勝,というのは,スコア的には高くないのだけれど,既に一つ大会をした後であり,また何度も述べたように,現在のコンディションは変化がかなり速いので,大きく打ち続けるのは難しい,ということもあると思われる.

 長男の後半入った3・4番は,前半の予選でも右投げしか使っていなかった,という部分が大きいかも知れない.

 逆に,もう一校の「左のエース」君は,予選で2位(だったかと)に入ったため,前半で長男が投げていた1・2番ボックスに入ったことで,既に相当左側の変化が大きくなっており,スコアが伸ばせなかったのでは,と推察した.

 

 それでも,3年生の先輩がいたら,1,200くらいは打ってしまったんじゃないかと思う.それだけの実力者だ.

 だから,もう一校の上位の選手には「あいつが出ないなら優勝のチャンスだな」と思った人もいただろう.しかしそれを長男は阻止した.先輩に代わって,高校の「看板」をたった一人で守り切ったのだ.

 OBで,現在はプロショップのスタッフでもあるコーチが「見たか!見たか!見たか!」と思わず叫んだのは,そういうことなんだろうと思う.

 

 また,余談であるが,筆者の左投げ6ゲームトータルは1,094なので,長男に勝っているが,右投げも含めた「第6ゲームまで」のトータルだと1,032になってしまい,及ばない.

 

 左投げで「参加」したら,優勝していたな(爆).

 ……年齢制限でアウトだろうけど.

 

 レーンの使用状況にもよるけれど,このような形でも「応援」できるという点は,ボウリングならでは,かも知れない.