筆者がスイッチボウラーをしている理由については,これまでに何度か触れてきた.

 

 色々と試行錯誤を繰り返すうちに,最も自然に思えるのが,元々「左利き右投げ」だった,という説.

 現在は,これを前提として考えることにしている.

 

 従って,(矯正によってかなり「両利き」に近い)「左利き」ではあるのだけれど,長年にわたり多くの「球技」を「右投げ」として行ってきた.そのため,何か別の「狙い」や「(負傷などの)理由」がないのなら,そのまま右投げを続けていたとしても,特に問題はなかった筈だ.

 

 しかし,少なくとも「野球・ソフトボール系」と「ボウリング」という二種の「球技」については,左右の「両投げ」を続けている.以下,本稿では「ボウリング」に特化して記述する.

 

 筆者が「ボウリング」において,「左投げ」も続けている理由.整理・要約すると,恐らく次の3点.

 

1 そもそも「左利き」なら「左投げ」できて当たり前

2 どっちも大したことないなら「他の人にできないようなこと」をしてみたい

3 高校でボウリング部にも入った「長男」が「左利き・左投げ」

 

 2番目は,所謂「ナンバーワンよりオンリーワン」的な奴.

 で,現在,最も大きいのが,3番目なんじゃないかと.

 

 多くの「球技」は,「対面対戦型」なので,相手の動きは「鏡に映ったように」理解できるから,真似したり取り入れたりする場合に,右投げ・左投げがあまり関係しない.

 ところが「ボウリング」は,「球技」の中でも「投擲競技」の一種であるため,他のプレイヤーの動きを「背後」から見ることがほとんどになってしまう.

 そのため,自分とは反対側の腕で投球する他者の動きを参考にしようとすると,頭の中で「画像」を「反転」させる必要が出てくる.他の「球技」なら,正面から見たり,背後から見たりする機会がそれなりにあるから,「視点」を変えれば対応できる.

 

 現在では,長男が筆者の投球を参考にすることも,そんなにはなくなってしまったかも知れない.むしろ「もっとうまい人」を参考にしたほうがいいレベルになっているだろうと思うし,筆者の「右投げ」を「反転」させて参考にする程度の理解力も身に着いているだろう.

 むしろ,練習時に一緒のボックスで投げながら,色々なパターンを体験できるのが大きいかも知れない.

 

 実際の競技会では,同ボックスにレフティが一人いるかいないか,ということがほとんどだろう.

 すると,長男のような左投げの選手は,他のボウラーとラインがかぶることが少ない.勿論それは,有利になることも不利になることもある.ボウラー(特にレフティ)なら解ることだと思う.

 逆に,普段は他者の投球ラインの影響を受けない,という「環境」に慣れているレフティが,同ボックスにレフティが複数,という環境になると,途端に勝手が変わってしまう.右投げの選手からすると「当たり前」のことなのだが,レフティにとっては「特殊」な環境になる.その意味では「ひだりいず」のような機会は重要なのかも知れない.

 これ(この「左右」での違い)を,感覚的に解ることができるのは,スイッチボウラーの「強味」の一つだろうと思う.

 

 そこで最近では,長男と練習する際に「敢えて」どちらかの腕に決めて投げることが増えてきた.

 普段の環境に近付けようと思えば,右で投げるし,他のレフティと同ボックスになる環境を想定するなら左で投げる.敢えて,色々な回転,色々なラインで投げてみたりもする.

 一投目だけを考えれば,右投げボウラーのライン取りの影響はあまりなかろうが,6番や10番をカバーに行く際には,当然ながら一投目用のボールを使うため,レーンの奥側では多少の影響が出てしまうことが時々ある.

 勿論,左で投げれば,オイルを削ったり伸ばしたりする度合いも大きくなって,レーンコンディションの変化が早くなる.

 これらを色々と組み合わせながら,様々な「環境」で投球する練習につなげられればいいかな,と思っている.

 

 あとは,時と場合によって,左投げのほうが調子がいい時もあれば,右投げのほうがいいこともある.

 大雑把に見ると,現在は「ちょくちょく『大爆発』するけどダメな時も多い(Low-High差が大きい)右投げ」と「たまにしか『爆発』しないけど概ねスコアが安定している左投げ」という感じ.しかしこれも,年単位で見ると「波」があり「変化」が大きい.

 その時々で,「調子のいいほう」が選べるような「ルール」になってくれないだろうか,とも思うし,「自分の中」に「二人のボウラー」が「同居」しているような「感覚」になることもある.スイッチボウラーならでは,なのだとは思う.

 

 何度も書いたけれど,結局「左右両方を使って投げること」が禁じられている(ように言われるだけで,明文化したルールを示されたという経験もない)のは,「どっちでも投げられるなんてズルい」という「僻み」でしかないと思っている.

 

 「ズルいと思うなら,自分もやればいいこと.やれるもんなら,だけど」

 

 「シューズやボール(場合によってはテープ類とかリスタイとかも)を変えるのに時間がかかるから,って,片方でしか投げない人はテープの調整もしないの?(むしろ自分のほうが「無頓着」なくらいだし) それよりアプローチに上がってからがやたら長い人のほうがよっぽど迷惑だと思う」 

 

 「そもそも,左右両投げが『禁止』なんてどこかに書いてあるの? 見たことも見せられたこともない(あるなら明示してほしい).ただ言われるだけ(それじゃそれこそ「※個人の感想」でしょ).そのほうがよっぽどズルい」

 (「日本ボウリングルール(NBR)」の第23条の(6)がよく引き合いに出されるけれど,そこにも「禁止」とは書かれていなくて,むしろ「認められます」と書いてある)

 

 まあ,こう言ったら,「そういうルール」を「後出し」して来られる可能性もあるので,ほどほどにしておこう(笑).