ある日、顕在意識の顕ちゃんは
めちゃくちゃ落ち込んでいた
ルンルン♪で車の
運転をしていたら
勢い余って目の前の車に
ぶつかって
衝突事故を起こしてしまったり
(みんな無事だったから良かったけど)
芋けんぴを食べていたら
前歯が大きく欠けたり
リードからすり抜けた
近所の犬に追いかけられて
吠えられまくったり
大風邪を引いて
体調が悪くなったり
挙げ句の果てに、
住んでた家が
バクハツしたりした。
顕ちゃんにとって
もうとんでもない事件が
連日起きまくり
これまで一生懸命
心の根っこを鍛え上げてきた
顕ちゃんだったけど、
流石に落ち込みかけていた
顕「これはしんどすぎる…
心が挫けそう…😭」
そんな今にも泣きそうな
顕ちゃんの元に
どこからともなく
潜在意識の潜ちゃんが現れた
潜「おう!元気か!!」
顕「今の私、
元気そうに見える…⁇」
げっそりした顔と震える声で
答える顕ちゃん
潜「まぁことのあらましは
全部見てたけどよ!
良かったじゃねぇか!!
まさにおめでとう!!だ!」
そう言って笑いながら
潜ちゃんは大きく拍手を
してるけど
脈略もなく突然お祝いされて
困惑する顕ちゃん
顕「は、はぁ??
私、今めっっちゃドンマイな
状況なんですけど…!
潜ちゃんだって全部
見てたでしょ…!
うっ…グスッ
全部知ってるでしょ〜〜!!」
わーん!と堪えていた
感情が溢れて
泣き出してしまった顕ちゃん
うんうん、と頷きながら
潜ちゃんは言った
潜「顕在意識の視点からだと
マジで勘弁してほしい状況の
連続かもしれねぇけどよ。
お前は今、まさに
大きな人生の転換期
っつーだけだな!」
潜ちゃんのその言葉に、
泣きながらも
きょとんとする顕ちゃん
顕「て、転換期…?」
潜「そうだ!!
びっくりするような出来事が
起きれば起きる程
己の魂はデトックスされている!
大きく成長したり、進化する時
まぁ次元上昇とか
パラレルワールドに移行するとか
よく言うけどな
そんな時に
過去の心の残りカスや
自分の中にあった未熟な部分が
淘汰されていくんだ
3次元のびっくり現象が
心の奥にあった余計な感情を
表に出してくれるから
意識の大掃除が出来るんだよ!
だからつまりてめぇは
今絶賛デトックス中
っつーことだ!」
「そ…そうなんだ…」
と、涙が少しずつ
引っ込んできた顕ちゃん
本当はどこかで
(私がまた鈍臭かったからこんなことが起こってしまったのかな)とか考えてたから
そうじゃないと知れて
少しホッとしていた
潜「まぁ、デトックス期間は
めちゃくちゃ良いこと
なんだがなぁ
間違ってもその時に
自己嫌悪したりだとか
(私、何か悪いことしたかな🥹)
とか
全く意味の無い
生産性の無い原因探しは
一切しなくて良いからな」
自分の思考を全て把握されて
一瞬「ヒッ」と
たじろぐ顕ちゃん
顕ちゃんの考えて居ることは
全て潜ちゃんにお見通しなのだ
潜「早とちりして
可哀想な自分に酔ったり
被害者ポジションに
回るんじゃねぇぞ!
反省と自己嫌悪は全く別だから
そこんとこ見誤るなよ!」
顕「は、はい…」
たくさん泣いたら
お腹が空いたので、
あんぱんをもぐもぐと
食べながら潜ちゃんの話を
聞いている顕ちゃん
ようやくちょっと気持ちが
落ち着いてきた
潜「そもそもの話だがな、
高次の世界で何が起きているとか
無限の叡智である宇宙のことを
顕在意識で理解するなんざ
不可能だし、別に
把握しようとしなくていい
一見びっくりするような
出来事も、全ては宇宙からの
ギフトであり愛だ!
そこんとこを絶対に
忘れるんじゃねぇぞ!」
そう潜ちゃんに励まされ
顕ちゃんは「そっかぁ…!」と
納得した
心も落ち着いてきたので
改めて自分の内側を
観察してみることにした
(これから先、現実で
どんなことが起きたとしても
縮小思考になんかならなくて良い
狼狽える必要なんか無い。
自分の中の余分なものが
どんどんデトックスされたら
後は幸せな世界が
待っているだけ
じゃあ怖いものなんて
ないじゃんか!)
と、
大きな気付きを得た顕ちゃんが
勢い良く立ち上がった瞬間に
上空から一気に
トンビが飛んできて
顕ちゃんのあんぱんを
掻っ攫っていた。
顕「???!?」
一瞬のこと過ぎて
かなりビックリしたけど、
もうメソメソしている顕ちゃんは
そこに居なかった
顕「……よし!潜ちゃん!
今からピクニックをしよう!!
素敵な曲もかけて
一緒にダンスしよう!!」
潜「おうよ!!」
ねぇ今のトンビ何…⁇とか
私のアンパン、どうして…⁇とか
考えてもどうせ顕在意識には
何が起きたかよく分からない!
これも宇宙のデトックスだ!!と
前祝いもかねて
大喜びしながら
その日は2人で踊り明かした








