- 黒い太陽(上) (祥伝社文庫)/新堂 冬樹
- ¥670
- Amazon.co.jp
- 黒い太陽(下) (祥伝社文庫)/新堂 冬樹
- ¥630
- Amazon.co.jp
ほぼネタバレ。
ネタバレというか中身もろっと書いてます。
父親の入院費を稼ぐため、キャバクラ『ミントキャンディ』のボーイとして働く立花。
水商売をしていた母が駆け落ちで蒸発したこともあり、立花はキャバ嬢を憎んでいた。
だが、自分が知るどのキャバ嬢(キャスト)とは違う女性、千鶴には密かな想いを寄せていた。
また、千鶴も立花を憎からず想っていた。
キャストとボーイは会ってはならないのが掟……だが、二人は逢瀬を重ねる。
ある日、千鶴からキャバクラで働くことになった経緯を聞く。
父親の作った借金返済のために夜の世界にいること。そして、千鶴がキャバクラを選んだ理由の一つに、幼馴染みであり初恋の相手だった、藤堂を頼ったことを。
藤堂は、ミントキャンディ他多数の風俗店を経営し、“風俗王”の異名を持つ藤堂観光の若き社長。
ある夜立花は、千鶴に絡む客を殴り倒すという、ボーイとしてあるまじき行動をおこす。
本来ならクビ。
だが藤堂に見込まれ、謹慎後、ホール長へと異例の昇格をした。
この世界は実力主義。
能のない人間はいらない。
藤堂観光後継者の噂を馳せるホール長・長瀬、日本一の稼ぎを誇るキャスト・冬海との出会い、立花は夜の世界を憎みながらも、藤堂との出会いを境にずぶずぶとその世界へ突き進むことに……。
ざっくり言ってしまえば、愛情のもつれ。
千鶴は立花が好きだが、立花がだんだん藤堂に似ていくのが怖くなり、自分の借金の肩代わりをしようと働く立花を止めたいがため、『藤堂とできてる』と嘘をつく。
立花は千鶴が好きで、千鶴にはキャバ嬢をやめられるよう今より稼ぎの多いホール長の仕事を精力的にこなすも、千鶴の『藤堂とできてる』発言にショックを受け、千鶴と藤堂を憎むようになる。
そして藤堂もまた、千鶴を密かに想っていた。
愛情のもつれという単純な骨、キャバクラ経営の肉付けが作品の魅力。
店同士の駆け引き、立花の店はどうなるのか、藤堂はどういう手段をとるのか……。
立花の焦り、ちらつく藤堂の影、読んでいてドキドキ…というかハラハラしました。
物語の着地点がなかなか見えずハラハラ。
ちょっと強引かな、という印象を受けた幕引き。次回作を予定しての終わり方だったんでしょうか…。
最後まで読んで感じたのは、嫌味な登場人物はいなかったところ。
店のキャストもスタッフも、人間なら『あるある』と頷ける行動や心理。
個人的にないだろと突っ込んだのは『スーパーホール長の長瀬』。
……スーパーホール長って。その単語で萎えたのは秘密です。もっと別な言い回しなかったのか。
次は女王蘭。
Amazonでさんざんなレビューでしたが、帝王星の繋ぎ的なものなのか……読んでいきますよー。