男声デューオ鑑賞~素朴な演奏~秀逸の一曲 | 愛唱会ジャーナル

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猛暑をものともせずバス停目前でダッシュ、無事乗車してコンサート会場の老人施設に着いた。集合時刻には遅れていたので応対の職員に言い訳すると、怪訝そうに“(そちら様のグループの)コンサートは明日です、、、”とのお言葉。
 
やってしまった。スケジュールの誤認は初めてはでない。
 
スケジュールを確認せずに家を飛び出したのは軽率であるが、それ以前に、日取りを勘違いしていたのが情けない。連日の猛暑で思考回路のあちこちが焼き切れたのかも。勿論、齢の所為もある。
 
職員さんが気の毒がって、冷たいお茶で一休みするようにと勧めてくれたので、素直に従った。先客の男性がいて、音楽演奏の準備をしていた。本日の出演者であると直ぐに判る。訊くと、二人組、つまり二重唱で、伴奏はディジタル音源とのこと。
 
マイクからスピーカまで、コンパクトな音響装置一式を持ち込んで、三十分の時間枠で十曲ほどの演奏とのこと。偶然ながら折角の機会と、鑑賞させて貰うことにした。後から合流した相方さんも男性で、男声デューオだった。
 
時間になり、司会の職員から男声デューオ「ココナッツ」が紹介された。
 
余計なお喋りは一切なく、曲名を告げて直ちに演奏に入る無駄の無い進行。
 
発声および発音が無雑作で、日常会話の喋り方での歌唱、曲想に無関係な一本調子の歌い方から、特段声楽の訓練、指導を受けていないと知れる。したがって、演奏中の盛り上がりも無く、淡々と進行する。それでも三十名ほどのお客さんは大体おとなしく聴いている:
 
星の世界、エーデルワイス、夏の思い出、ローレライ、野ばら、夏は来ぬ、椰子の実、ビリーバンバン特集≪白いブランコ、また君に恋してる、さよならをするために≫、花は咲く、アンコール≪旅人よ≫
 
アンコールは、職員が儀礼的に求めたものだが、この≪旅人よ≫が本日秀逸の一曲だった。多分、かなりの期間に亘って歌いこんだ十八番なのだ。終わりよければ総てよし。二人の声の質も程良く調和していた。
 
同年配、同好のお二人に蔭ながら声援を送る。
 
細かいことを言えば、「夏は来ぬ」の歌詞中“楝(おうち。発音はオーチ)ちる 川べの宿の”の『』には“あうち” 〈古くは“あふち”〉と読みが付されていたらしく“ouch”と歌っていた。