2010.7.10、つかこうへいが肺がんで亡くなりました。学生の頃、彼の本を夢中になって読んでいた思い出があります。「青春かけおち篇」、「つか版・忠臣蔵」、「ストリッパー物語」、「熱海殺人事件」、「寝盗られ宗介」、「いつも心に太陽を」、「蒲田行進曲」など、どの作品も“自虐的な”登場人物が登場し、自らの恥を曝け出して生きる主人公たちに魅力を感じていました。つかさん曰く“前向きのマゾヒズム”をベースにした話しに引き込まれていました。
その頃は作家の勢いを感じていたのですが、「井戸のある街」から作風が変わり始め、それ以後、前述した作品の様な熱気を感じられなくなりました。新しい本が出ても気に留まらなくなりました。ただ、いつか舞台は見てみたいと思っていました。
夢が実現できたのは就職で上京して3年目の頃です。両国のシアターXで「熱海殺人事件」の公演をやっている時に観に行きました。キャストは池田成志、春田純一、山崎銀之丞、平栗あつみ、だったと思います。(15年以上前の記憶なので曖昧になっています、ご容赦下さい) それは衝撃的でした。2時間以上あるステージを4人の俳優が出ずっぱりで物語を引っ張っていきます。長台詞、間髪入れない台詞の応酬、歌、ダンスなどフィナーレまで息もつかせない演出でした。想像していた通りのもので、終わった後はしばらく言葉も忘れるくらい興奮していました。これが当時(1970~80年代)の東京の若者を熱狂させていたものか、こんなに面白いものがあるのかと感動した思い出があります。
つかさんにはひとの観方を教えてもらった様な気がします。当時好きだった小説をまた読み返してみたいと思います。有り難うございました。