セハード地域からアマゾン・3 | 南米・鳥獣虫魚・探遊

セハード地域からアマゾン・3

どんどん拡張するセハード開発で、もはやサンタレン港だけでは輸出の処理がおぼつかなくなった。そこで、タパジョース河のサンタレン上流にあるイタイトゥーバにも輸出港が最近新造された。

 

イタイトゥーバの新港

 

そして耕作地は、セハード地域だけでなく、徐々にアマゾン熱帯雨林地帯にも浸食が進んできた。マット・グロッソ州の北部やパラ州南部には、素晴らしい環境のジャングルが誇らしげに広がっていた。生物学的な調査も、それほど進んでいないので、多様生物の新種の宝庫でもある。新種の珍・熱帯魚なんかも多い。今、その聖域で、どんどん伐採や農地開発が進んでいる。

 

シングー・ダムの工事

 

アマゾンの巨大ダム工事には、世界中の環境団体が反対活動を行っている。しかし、オレに言わせると、セハード開発のほうが、よっぽどテラ(地球)に悲惨と思える。ダム湖によって破壊される密林と、セハード開発によって伐採されるそれを比べたら、後者のほうが圧倒的に規模が大きいからである。すでに多様性の顕著な魚たちが生息する小型の河川に、土砂が流入して、さながら死の川の様相を呈し始めたところも多い。

 

地平線まで大豆

 

セハード開発は、キミの同胞である極東島国の政治家思惑から始まったプロジェクトだ。ニッポン国の環境屋さんたち、もちろんダム工事反対もありでしょうけど、もっともっとセハード開発の問題も、重要視しませんか?

 

【小論・終わり】

 

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