10月のシングー・ファイト編・13 | 南米・鳥獣虫魚・探遊

10月のシングー・ファイト編・13

さてここで、シングー下流に生息するピーコックバスをちょっと解説しよう。2種類がいると書いたけど、学名で言うと…… Cichla monoculus と Chicla pinima  だ。

 

モノクルス・ピーコックバス

 

まずモノクルスだけど、本種はイエロー系ピーコックバスに大別できる。イエロー系の顕著な特徴は、胸ビレの下辺りに雲紋状の黒斑があること。この黒斑は、ジャイアント系にも、高原系(たとえばシングー・ピーコックバス)にもない。イエロー系はサイズ的には、他の系統よりも小さい。同系統には、数種類が知られているけど、モノクルス種が一番分布が広く、ペルー・アマゾンからアマゾン河口部まで本流に沿って生息している。地域によって模様がかなり変異がある。

  ピニーマ・ピーコックバス

 

ピニーマは、ジャイアント系ピーコックバスである。この系統には巨大化することで有名なテメンシスって種がいる。この2種の外見の違いは、体側のブラック・バーの形にある。テメンシスでは、バーが直線的で乱れがほとんどない。対してピニーマではバーが細くなったり、太くなったり、円形になったりする。

 

テメンシス・ピーコックバス

 

テメンシスの分布は、オリノコ河上流とネグロ河、マデイラ下流の一部、ウァトマン川下流、プレート・ダ・エヴァ川などと、やや狭い。対してピニーマは、アマゾン河南岸ではマデイラ下流~タパジョース下流~シングー下流~トカンチンス下流。そして北岸にも生息する。さらにアマゾン河口南岸から南の独立河川に東北ブラジル地方まで分布する。天然での南限は、おそらくバイア州までだろう。テメンシスのワールド・レコードは、14キロくらいで10キロ・オーバーも珍しくないが、ピニーマではめったに10キロを超えない。

 

続く

 

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