わが心のアルカンタラ・その4 | 南米・鳥獣虫魚・探遊

わが心のアルカンタラ・その4

心旅の起源・1


今を去ること20年ほども前、怪人は熱帯魚界の魔人Mの仕事でマナウスにいた。仕事が終わってベレンへの帰路、当時はブラジル最大航空会社で羽振りのよかったVARIGのジェットに乗った。機内雑誌のイカロをペラペラめくっていたら、「ブラジル最大の恐竜の墓場の発見!」てな記事が眼に飛びこんできた。場所は、サン・ルイスに近いカジュアル島、UFMA(マラニョン連邦大学)が調査をやっていると記されていた。澄んだ瞳がキラっと光った。むむむぅ~、行ってみたいなぁ。ベレン空港に着いて、怪人はそのままVARIGカウンターへ直行し、ベレン/サン・ルイス往復チケットを買ってしまったのだ(笑)。



サン・ルイスは島にある


サン・ルイス空港からタクシーでUFMAに直行し、古生物学セクションを捜す。そして研究室にいた可愛い大学生ちゃんに、どうやったらカジュアル島で化石が見れる?、って聞いた。そんなに簡単には行けないわよぉ、申し訳なさそうな答えが彼女から帰ってきた。怪人は、かなり落胆した顔をしていたんだと思う(笑)。じゃあ、アルカンタラに行ってみたら? というウレシい助け舟を出してくれた。そして道順を詳しく教えてくれた。


イタペクル層の化石


イタペクル層群の下部にあるイタペクル層についてちょっと記そう。時代は、クレタシアス(白亜紀)のアルビアン階である。一般サピーは、白亜紀くらいまで認知してても、小分けした部分まで知らないのはアタリマエ。だから階層表を載せよう。



メソゾイック終わりのクレタシアス(白亜紀)階層表


アルビアンは、白亜紀前期の終わりで、1億1300万年~1億50万年前ころとされている。このイタペクル層の堆積環境は、河口デルタ~ラグーン系と考えられている。そこにいた古代生物を簡単に紹介しよう。



カンジドドンの頭骨


まずは、ワニ型爬虫類のカンジドドン・イタペクルエンセ(Candidodon itapecuruense)。歯の構造に特異な特徴がある。属名は、ジイちゃん学者カンジド・シモンエス老師に捧げられた。




イタペクル・ミリン川をボートで航行するカンジド・爺ちゃん


次にブラジル産ディプロドクス類では、もっとも多くの骨部品が発見されている草食恐竜。その名もアマゾンサウルス、種小名はマラニェンシス(Amazonsaurus maranhensis)であるね。産地は前日に載せた地質図の付近。



アマゾンサウルス・マラニェンシスの産状と採集風景


ディプロドクス類ってのは、前脚がやや短めのちょっと原始的な竜脚類である。より新しく出現した竜脚類だったティタノサウルス類では、前脚が長めになっている。後者は、より高い樹木の葉を食べられるように適応して、前者に取って代わったとされている。



アマゾンサウルスの組み立て


発見されたアマゾンサウルスの骨格から推定された全長は約12メートル、竜脚類の仲間にしては小型の部類に入る。


続く


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