博物画のお話し(付ピーコックバスの研究)・7
Cichla piquiti (2)
ブルー・ピーコックバス、すなわちピキティ種の特徴をお話ししよう。魚体コンディションにもよるけど、本種の全体観はかなり白っぽい。やや明瞭な数本の暗色バンドが背から腹下部近くまで延びる(この傾向は、メラニアエ、ミリアナエにもある)、頬部に雲紋状にならない少数の黒い斑点がある(この傾向は、メラニアエ、ミリアナエにもある)。
尾柄から背ビレ&尻ビレ後端にかけて、少数黒斑のある個体がいる(ないのもいる)。本種にも繁殖に関わっていない個体(NSF=ノー・スポーニング・フェーズ)のパッカ斑(=白い小斑点)がある(この傾向は、メラニアエ、ミリアナエにもある)。
南アメリカ大陸の中央、ブラジルのド真ん中に標高300mから900mの広大な高原がある。いわゆるブラジル高原である。ご当地では、プラッタフォルマ・ブラジレイロ(直訳ブラジル卓状地)と呼ばれテーブル上部はセラードと呼ばれるサバンナになっている。
ここでもう一度、メラニアエ、ミリアナエ&ピキティの3種シクラの天然分布マップを載せよう。
これらの3種類が、セラード地区の北側、すなわちアマゾン側の高原と斜面に重なっているのがお判りになるかな? オレがこれら3種を、「ブラジル高原系ピーコックバス」として括った理由の源泉は、共通項目、最大サイズが4~5キロまでであること、暗色バンドが数本であること、頬部に小斑点がある(ジャイアント系は雲紋状、イエロー系は基本的にない)、そして分布地図である。
アラグァイア・トカンチンス水系、シングー水系、タパジョース水系には、淡水エイやプレコに共通ご先祖を持った種が生息していることも裏にある。3種類を並べて見てみよう。
メラニアエとミリアナエは間違いなく近縁だけど、ピキティの外観はそれから少し離れているような感じはもちろんある。それじゃmtDNAを比べてみるかね。
これも外観差異と似たような結果だ。ピキティはちょっと離れるけど、すごく遠くもない。
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