イーリャ・ド・シーノ(ベルの島)
8月の某日。ロッジの数キロほど下流にあるイーリャ・ド・シーノという場所に遊びにいった。イーリャってのは、アイランド、つまり「島」という意味である。シーノってのは、「ベル(呼び鈴)」のこと。つまり、ベルの島。
乾期で水が引いて、周囲2キロ程度の小さな川中島だ。周りには似たような島が無数にあって、とりたて特別のように見えない。しかし、ここは近在の住人には、ちょっと知られた場所である。島の頂上付近にある大きな岩に、不思議な図柄が刻まれているからだ。
博物学本によると、200年くらい前のインディオたちは、岩絵を描く風習はもうなかったらしい。彼らに聞いても、「昔っから、そこにあるだべ」という答えしか帰ってこなかった。学者さんたちは、少なくとも数百年、あるいは数千年前の民族のアートじゃないかと考えている。
いちばんはっきりした模様は、何でしょう? グランデ・オガワの脳細胞は、「タコ型の火星人」、「動物の♂を後ろから見たとこ」などイメージしたけど、ブラジル人たちは、呼び鈴、すなわちシーノと観た。これが島の名前の所以だね。
コロニア時代の奴隷制度があったころは、そんな情景もあったけど、古代民族がシーノをもってて、テーブルでチリンチリン鳴らして、「おーい、ねえちゃん! 冷えたビール持って来~い!」と使ったわけはない。すなわち呼び鈴説は却下される。じゃ、何でしょう? 貴兄&貴女に判りますか?
呼び鈴以外は、ちょっとかすれているけど、同じ岩には、たくさんの絵が描かれている。インディオ・アーチストたちの共感を呼ぶキャンバスだったのだろう。
これは、四肢動物に間違いないでしょう。左側のは、カメと言われている。シングー河にはたくさんのモンキヨコクビガメがいて、古代から食われていた。右側のは、首がないからカエルかな? シングーのある部族は、フタイロネコメガエルの粘液を皮膚に植えて幻覚剤として使っていた。
シングー河の流域には、岩絵のある場所が点在している。グランデ・オガワは今後、一つずつ訪問&検証していこうと思っとります。



