グリーンブック (吹き替え)

ジャンル:ドラマ、ロードムービー、コメディ、実話
 
キャスト: ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ

 

あらすじ:

時は1962年。
人種差別が色濃く残っていた時代。
ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまう。
そんな折、アメリカ南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストがツアーの臨時の運転手の募集をしていた。
黒人差別主義の傾向があるトニーは一時悩むが、生活の為に渋々臨時の運転手を引き受けることにした。

トニーは、黒人用旅行ガイドブックである「グリーンブック」を頼りに、臨時の運転手として8週間、ツアーに同行することになる

 

 

感想:

グリーンブック?
なにそれ?
黒人用のガイドブック?
どういうこと?
旅行ものの映画?
そんな感じで、わけもわからず、なんかまったりと落ち着いた作品を観たいと思って選んだんですが、これが…
 
実に面白い
 
爆笑するとか、ハラハラするとか、そんな類の面白いじゃないんです。
つい微笑んでしまっている、頷いてしまっている、同調してしまっている、そんな類の面白さなんです。
正直なところ、始まってしばらくは「これはつまらないかも」と思っていたんですが、ツアーに出かけるようになってから引き込まれていきました。
実話をもとに作られたこの作品には、いくつもの差別描写が描かれています。
しかし、それもこの作品を語るうえで必要不可欠な要素となっており、とてもメッセージ性の強い作品となっていました。
片や本物の紳士、片や粗暴な差別主義者。
例えるなら水と油のような二人です。
なのに、この二人に惹かれてしまいます。
言葉に、行動に、心のありように、そして残酷な現実に。
この二人も何かに気づき、惹かれあったんでしょうか。
微笑み、頷き、考え込み、気づけばもうラスト付近です。
そんな時、ある一抹の不安が私の頭をよぎりました
今までの経緯からして、もしかしたらラストでも同じようなことが起こるんじゃないかと。
しかし、それは私の杞憂に終わりました。
トニーが家族にドクターを紹介したときの、静から動への、あの心地の良い間(ま)。
そして奥さんのあの台詞。
それはそれはもう、完璧な〆でした。
この作品、できれば映画館で観たかったです
その場にいる人たちと、この感覚を共有したかったです。
それもクリスマスの日に。
そう思ってしまうほどに、素晴らしい作品でした
ぜひ、観てください。