スペイン勢初の3冠を欧州クラブにとって最高の舞台で成し遂げたBARCELONA。
就任1年目にして、この偉業をなしとげたペップこと、ジョゼップ・グアルディオラ監督。
彼らの功績は未来永劫、バルセロニスタ、あるいは欧州の舞台で語り継がれていくことだろう。
また、初のカンテラ出身監督が史上最強といわれるチームを作り上げたことは彼らにとって誇りであるはずだ。
3年前に獲得したビッグイヤーの時のチームも素晴らしい攻撃陣を持ち合わせていた。前にはエトー、メッシ(決勝の舞台には立てなかったが)、ジュリー、グジョンセン、そして今のクリスチアーノ・ロナウドのように、ワンプレーでチームを勝利へ導けるロナウジーニョという選手がいた。
当時も圧倒するパスワークとポゼッションを持っていたが、実に面白いことに今回の決勝にスタメンとして出ていたフィールドプレーヤーは、プジョルとエトーの2人だけなのである。しかもプジョルはCBとしての出場だった。イニエスタも途中出場をしているが、25分弱の出場であった。
フィールドプレーヤーが7人、あるいは8人変わっても素晴らしいパスワークは変わらない。こんなところにもBARCELONAの哲学がいかに選手に浸透しているかが分かるのではないだろうか。もっともパスワークという面では今期のほうが人々を魅了しているだろう。
実際、今回のBall possessionはBARCELONAが51%であり、Man.Uは49%であった。前回優勝時のArsenal戦では64%も保持していたのだ。だが、印象的には今期の方が、いいパスワークを持っていたように思う人も多いのではないだろうか。
さらに、今回はダニエル・アウベス、アビダルの両SBが出場停止であり、守備の要の一人であるマルケスも不在という決して万全でない中でも変わらないスタイルとポゼッション。彼らのパスワークを観れるだけで、ROMAを訪れた観衆はチケットの値段など気にしないだろう、Man.Uサポーターを含めて。
戦前の評価はMan.Uの連覇という意見が圧倒的に多かった。
事実、開始10分までは、Man.Uが圧倒していた。スタイルが逆転したかのように、パスをまわし、チャンスと見れば決定的なラストパスを狙うギグス、アンデルソン、エブラ、朴。実際、C・ロナウドのFKを得たプレーと、その後の左足でのシュートはそれだったろう。
それを変えたのやはりイニエスタであった。クライフがベップをそうしたように、ベップはイニエスタを世界最高の中盤の選手の一人へと押し上げた。彼のドリブル、ターン、ラストパスからの先制。
Man.Uが、苦戦した要因というか、それを如実に表しているのはルーニーとギグスではないだろうか。彼らがほとんどプレーに絡めなかった、特にルーニーはディフェンスの場面でしかなかなか実況の名前に出てこなかったイメージしかわかない。
プジョル、シウビーニョという“代役”は本当に素晴らしい働きをしたと思う。プジョルのプレーはやはりSBの動きではなかったし、シウビーニョはなかなか縦に切れ込めなかった。だが、逆にそれが幸いしたようにも感じた。思ったよりも上がってこないのでMan.Uはカウンター攻撃が塞がれた形になった。実際、シウビーニョは本当にいい守備をしたし、彼のパス、ロングボールは随所で正確であった。個人的にはアビダルよりもいい選手だし、評価されるべきであると思う。
総括をしていくと、前半はやはりあの1点を除けば、Man.Uが流れをつかんでいただろう。シュートの数を見ても、BARCELONAの4本に対し、倍の8本を打っている。
先制後とはいえ、ピケが16分にC・ロナウドを止めれず、イエローをもらった場面あたりを思い返しても、Man.Uの縦への早いパス、展開は脅威であった。
イエローをもらったとはいえ、ピケは本当にいい働きをしていた、本当に。目立たなかったが、ブスケスもあの若さ(まだ20歳、これからのバルサの中盤における守備は安泰と言っていい)で素晴らしい貢献をした。
後半はもうBARCELONAの得意な展開に持ち込まれたというのがMan.U、ファーガソン監督の率直な感想ではないだろうか。
チャビのバーに直撃したFKが入っていたら決定的だったろう。結果的には、メッシがとどめを刺すWonderfulなヘディングを決めるわけだが・・・。
思えば、あのアシストをしたのもチャビであった。UEFAが選んだMan Of Matchはそのチャビであった。チーム内では何気にプジョルと並んで9年目のベテランである。彼が30歳になる来年、非常に楽しみである。
Barcaはプレーヤーすべてが評価される働きをした。ホイッスル後の歓喜、セレモニーでの一体感を見てもそのチームワークが勝因のひとつであることは間違いない。Barcaは「美しいサッカー」の他にも大事なことを教えてくれたのではないだろうか。
来年の決勝の舞台は、BARCELONAにとって宿敵であるREAL MADRIDの本拠地サンチャゴ・ベルナベウである。昨今のプレミア勢の力は本物であり、来期もBEST4に最低2クラブは割り込んでくるだろう。いや、BIG4がそのままくることもありえなくはない。
だがしかし、舞台を考えると多くの人がクラシコを期待するはずだ。
マドリーは、宿敵の3冠により今期は無冠に終わった。来期は舞台が舞台なのでCLにかなり重点を置いてくるだろう。特に経済状況から、ミランがカカを放出する可能性は高く、結果マドリーへというのはあり得る話であり、C・ロナウドの移籍話は後を絶たない。
今後のマーケットにも注目だ。