アマゾンが開く日
<<アマゾンが開く日>>
ジュルアは4日間で初めての曇り空。
ジャングルはいつもより静かなように思える。
みんなは、今日のセレモニーが終わったら舟まで戻らなくてはならないので、荷物の整理が必要だ。
朝9時までに荷物を作らなくてはならない。
また、村人に荷物を持ってもらうからだ。
また、通訳のH氏から、村人に、日本から持ってきたものを全て置いていって欲しいとの事。
先日、我々は、コミュニティを訪れたお土産としてダイナモ式の懐中電燈を買っていった。
アマゾンの奥地は電池を買うのが大変と思ったからだ。
案の定、この電燈は好評で、かなり喜んでもらった。
アマゾンの夜は光がない。
当然だ。
したがって、村人は一人ひとり懐中電燈を持っている。
必需品らしい。
乾電池の必要のないこの電燈は、彼らにとって珍しいし、最も欲しいものとなった。
我々は、それぞれ、荷物を減らす意味もあるが、自分のズボン、洋服、薬、食品、ジップロック等の袋、バッグ、手袋、懐中電燈、今回使ったハンモック、モスキートネットなどを部屋に置いた。
後からみんなで分けるらしい。
日本のものは彼らにとって非常に珍しく、必要らしい。
こんなことなら、もっと持って来ればと思ったが時すでに遅しである。
さて、朝、突然、村人に演奏と歌を歌ってもらうことになった。
O氏はその音楽に合わせて踊ることとなった。
セレモニーは言霊(ことだま)、音霊(おとだま)、数霊(かぞだま)、産霊(むすび)が必要だ。
言霊はH氏、音霊はO氏。数霊はY氏、産霊はS氏が担当する。
昨日の勉強会で全て確認済みだ。
午後1時、村人が三々五々集まってくる。
村人に、正装が必要か?と聞かれる。
村人も、我々の存在と今回のセレモニーの重要性を感じているようだ。
午後1時45分。
いよいよ、出発だ。
S氏を先頭にジャングルの中に入っていく。
ジャングルは何か静けさを感じ、シーンとしている用に思う。
途中、赤と黒と白のロープのような物体を発見する。
誰かジャングルにロープを忘れたのかと思ったら、蛇だった。
毒蛇だ。
われわれは、何食わぬ顔をして横を通り過ぎる。
毒蛇は、ササッとジャングルの中に消えていった。
ジャングルには見えないところに一杯動物がいるんだなと実感させられた。
午後1時55分。
みんなが立ち位置に着いた。
静寂の中いよいよ始まりだ。
森の中にH氏、O氏、K氏の声が響き渡る。
森の入り口から我々の間を通り、ジャングルの奥地に抜けてゆくようだ。
村の人たちはこの時、森の神を感じたようだ。
セレモニーはさらに進み村人の演奏が始まる。
8月8日の歌が、再現された。
みんな真剣に歌ってくれる。
演奏はF氏のギター。
演奏にあわせてO氏が踊る。
全員が一体となって音楽が奏でられた。
村人とみんなが一つになった瞬間だ。
そして、セレモニーは無事終了。
ギターを演奏したF氏は、自分がエネルギーを感じた場所に移動した。
村人が彼の下に集まった。
そこで、我々は、彼と彼らに今回のお礼を言った。
ここは、F氏がいなければ絶対に来られない場所で、必要だったからだ。
彼はペルーからリオ・デジャネイロまでの全てのたびをコーディネートしてくれた。
大変な尽力だ。
そこで彼らは一曲歌を歌ってくれた。
彼らの歌は、神との会話で祈りである。
また、1つになった。
終わった後我々は彼らと感激の握手をし、感動を分かち合った。
セレモニー中、膝間ついて祈りを共にした女性がいた。
彼女は感激のあまり涙を流してM.Yと抱き合っていた。
アマゾンが宇宙の中心となり彼らがそこを守ってくれる。
まさに「アマゾンが開かれる日」となった。
そんな実感を持ったセレモニーとなった。
我々の最大のイベントは無事終了し、我々は帰路に着いた。
村人に別れを告げ、村を出た我々は、来た道を戻ってゆく。
帰りも2時間歩かなければならない。
途中、ラグーンで別なセレモニーが行われた。
我々8人はそこで新たにひとつとなった。
舟までのみんなの足取りは、来るときよりも遥かに速い。
2時間で舟ついた。
舟に乗ると村人が船の周りに集まりだした。
セレモニーでM.Yと抱き合った女性が現れた。
彼女は、正装を着替えて、同じ道のりを歩いてきたらしい。
感動だ。
彼女は、またM.Yと別れを惜しみ抱き合っていた。
午後6時。
間もなく、舟は出航する。
我々を見送るために、さらに村人が集まる。
50人いや100人はいた。
みんな心から我々を送ってくれた。
ジュルアの旅は、我々にとって過酷な旅だった。
特に女性には、大変だったと思う。
水、蚊、長距離歩行、食事、体調不良・・・・・。
みんな頑張った。
村人は出航後も手を振って送ってくれた。
われわれの疲れが癒された瞬間だった。
我々は、次の目的地イースター島に向けて出発した。
ここジュルアでの写真は後ほどアップします。
お楽しみに。