自分は被爆者なんだ
2024年7月18日(木)
朝日新聞 夕刊
一期一会(いちごいちえ)
自分は被爆者なんだ
体の中の戦争 語り継ぐ使命
映画監督 池谷薫(いけやかおる)さん
父 善一さんの言葉
父の背中が怖かった。理系で、やさしい父。だが、背中に無数の傷があった。風呂に一緒に入っても、おっかなくて、理由は聞けなかった。
大学受験を控えた18歳の時、父が唐突に言った。「自分は被爆者なんだ」。改まった風ではなく、台所での立ち話でぼそっと。広島に原爆が落とされた時、爆心地から1・4キロの軍需工場の寮で朝ごはんを食べていた。おかわりしようと窓に背を向けた瞬間、ピカドンが落ち、窓ガラスの破片を無数に受けた。一緒にいた3人は即死だった。
そんな話を聞くうち、無性に腹が立ってきた。「なぜ、こんな大事なことをずっと黙っていたんだ。おやじひとりの問題じゃない。俺の問題でもある」と。自分の体の中に戦争がある。その思いはずっと残った。
中略
ウクライナ🇺🇦にパレスチナ🇵🇸、戦争が身近になったいま、各地の大学で「蟻の兵隊」の上映が続く。6月下旬、東京の立教大学ではこう語りかけた。「知らないことを恥ずかしく思う必要はない。大事なのは知った後に、どうするかだ」。
自分の体の中に、戦争がある。語り継ぐのが使命だと考えている。
何度も記載しています。
私の大学の専攻、社会福祉。
広島、8月6日
長崎、8月9日
遠い昔。
原水禁のサークル
確か、ありました。