オイラの部屋にあるマンガの紹介。

浦沢直樹の「プルートゥ」です。

「プルートゥ」は、手塚治虫の名作「鉄腕アトム」のエピソードの一つである「地上最大のロボット」の回を、浦沢直樹がリメイクした作品です。
トラキア合衆国は、ペルシア王国が大量殺戮ロボットを保有していると主張し、優れた見識者を集め結成したボラー調査団を派遣する。
しかし、確たる証拠を見つけられず、ボラー調査団が見たものは夥しい数のロボットの残骸が置かれた地下空間であり、それをペルシア王国側はただの残骸置き場だと説明する。
トラキア合衆国がペルシア王国を糾弾したことを発端に起こった中央アジア紛争は泥沼と化していた。
国連は、世界最高水準のロボットたちを、平和維持軍として派遣する。
そのメンバーには、スイスのモンブラン、ブリテンのノース2号、トルコのブランド、ギリシアのヘラクレス、ドイツのゲジヒト、オーストラリアのエプシロン、日本のアトムが選ばれた。
モンブラン、ノース2号、ブランド、ヘラクレスの4体は、ロボット兵たちを次々と破壊。
ロボット刑事であるゲジヒトは市内探索を任され、アトムはアイドル扱いされ戦災にあった人々の慰問に回される。
そして、徴兵拒否したエプシロンは、戦後処理に駆り出された。
4年後、ゲジヒトは森林火災の現場でモンブランの残骸を発見。
モンブランの頭部には、角を見立てた物が刺されていた。
同じ頃、リンケという活動家が殺害され、彼にも角に見立てた物が頭に刺されていた。
リンケを殺害した者はロボットとしか思えない能力を持っていたが、人工頭脳のシステム上、ロボットは人間を殺害できないはずであった。
ゲジヒトは、過去に唯一殺人を犯したことのあるロボット、ブラウ1589に会う。
ブラウ1589の人工頭脳は、何度調べても正常で、人々はブラウ1589を恐れ幽閉していた。
今度は、ノース2号が破壊され、法学者の田崎が殺害される。
ノース2号と田崎の頭部にも、やはり角に見立てた物が刺されていた。
捜査のために来日したゲジヒトは、アトムに会う。
アトムは、ゲジヒトから得た情報を解析し、狙われているのが元ボラー調査団のメンバーと、平和維持軍に選ばれたロボットたちだと知る。
ゲジヒトはギリシャに向かい、ヘラクレスに事件のことを伝え警告する。
その頃、ブランドはモンブランの敵を打とうと軍用スーツを装着し、襲撃者を待ち受けていた。
すると、ブランドの前に謎の巨大ロボットが現れ、ブランドは奮闘空しく破壊されてしまう。
ゲジヒトは自分の記憶に違和感を憶え、メンテナンスを請け負うホフマン博士に調べて貰うが、ゲジヒトの記憶は2年前に改竄されていた。
アトムの妹ウランは、突然発生した竜巻により逃げ出してしまった猛獣たちを救うが、その時誰かが発する恐怖を感じとる。
アトムは、ウランを迎えにいった帰りに、人間ともロボットとも識別できない何者かと遭遇する。
「プルートゥ」は、2003年~2009年まで、ビッグコミックオリジナルに連載され、単行本は全8巻で発売されました。
浦沢直樹が、初めてマンガで感動した作品が「鉄腕アトム」のエピソードの一つである「地上最大のロボット」でした。
そして、手塚治虫の息子である手塚眞からの許可を得て、「プルートゥ」が制作されました。