オイラが持ってるCDのアーティスト紹介。

ドカヘル(土木作業用ヘルメット)をかぶり手拭いなどで顔を隠した、昭和の左翼活動家の様な格好の謎の覆面バンド、「ザ・タイマース」です。
ザ・タイマーズは、RCサクセションの忌野清志郎によく似たゼリー(リードヴォーカル&ギター)、MOJO CLUBの三宅伸治によく似たトッピ(ギター&バックヴォーカル)、MOJO CLUBの杉山章二丸によく似たパー(ドラムス)、ヒルビリー・バップスの川上剛によく似たボビー(ベース)の4人で結成。
メンバーの名前は、ザ・タイガースのパロディ。
ジュリー(沢田研二)→ゼリー
トッポ(加橋かつみ)→トッピ
ピー(瞳みのる)→パー
サリー(岸部一徳)→ボビー
楽曲は、社会批判、権力批判、政治批判、マスコミ批判、当時起こった事件を風刺したものなど、過激な内容のものが多くあります。
1988年、ザ・タイマーズは富士急ハイランドで行われたアン・ルイスのライヴに乱入し初ライヴを行い、イベントや学園祭にゲリラ的に出没しました。
同年、広島平和コンサートに飛び入り参加し、イベントプロデューサーへ向けた曲「偽善者」や「ロックン仁義」などザ・タイマーズのオリジナル曲を演奏した他、RCサクセションの発売禁止となったカヴァー曲「ラヴ・ミー・テンダー」や「サマータイム・ブルース」を演奏しました。
1989年、モンキーズの「デイドリーム」のカヴァー曲で1stシングルの「デイドリーム・ビリーバー」をリリースし、オリコン週間ランキングで2位を獲得しました。
「デイドリーム・ビリーバー」は、エースコックのカップ麺・スーパーカップのCM曲として使用されました。
しかし、「デイドリーム・ビリーバー」発売直後に出演したフジテレビの音楽番組「夜のヒットスタジオR&N」で事件は起こります。
生放送番組でしたが、1曲目を演奏した後に予定には無かった曲を演奏し始め、「FM東京」を連呼しながら「腐ったラジオ、最低のラジオ、政治家の手先、こそこそすんじゃねえ」と歌い、卑猥な放送禁止用語を叫びまくりました。
これは、ザ・タイマーズの「土木作業員ブルース」とゼリー作詞のティアドロップスの「谷間のうた」をFM東京が放送自粛したことへの講義でした。
これにより、フジテレビはザ・タイマーズを3年間出入り禁止にし、FM東京はザ・タイマーズと同じ東芝EMI所属の松任谷由実の曲を放送しないという措置を取りました。
ですがこの年、東芝EMIはザ・タイマーズの1stアルバム「TIMERS」と2ndシングル「ロックン仁義」をリリース。
そして、ザ・タイマーズは活動を休止しました。
1994年、ザ・タイマーズは活動再開します。
この年、福岡市は異常な渇水に見舞われ、水不足が問題になっていました。
ザ・タイマーズは、福岡市で翌年行われるユニバーシアード開催を記念するコンサートに出演予定でしたが、登場前に「ダムでトラブル発生。完全断水に入るのでコンサートは中止します」というアナウンスが流れました。
このアナウンスはフェイクで、アナウンス後にメンバーが「勝手に中止すんじゃねぇ!」と叫びながら登場する予定でしたが、アナウンスに動揺した観客は皆帰ってしまい、水道局に問い合わせが殺到。
この事件の経緯は全国紙にも掲載され、テレビのワイドショー番組などでも批判されました。
福岡市は、事務所とザ・タイマーズの連盟で謝罪文を書かせて提出させ発表しましたが、ザ・タイマーズはその後のコンサートで「謝罪文なんて書いてねぇよ。福岡市の職員がスタッフを脅して書かせたんだ」という内容の曲を披露しました。
1995年、1月に起こった阪神・淡路大震災のチャリティー曲「サヨナラはしない」をシングルCDでリリースし、印税は義援金として寄付されました。
この曲は、テレビ朝日夕方のニュース番組「ステーションEYE」のエンディングテーマとして採用されましたが、カップリング曲の「ヘリコプター」はマスメディアの震災に対する報道姿勢を批判する内容でした。
結果的に、このシングルがザ・タイマーズのラストシングルとなりました。
その後、ライヴアルバム「復活!!ザ・タイマーズ」と「不死身のタイマーズ」がリリースされました。

2005年、忌野清志郎35周年記念公演にシークレット・ゲストで出演し、新曲を披露。
渋谷パルコで5日間行われたプレミアムライヴ「GOD Presents ROMANCE GRAY35」で限定復活をしました。
「デイドリーム・ビリーバー」は。2006年にサントリーモルツのCM曲に使用され、2011年にはセブンイレブンのCM曲として使用されています。
また、多くのアーティストに再カヴァーされ、原曲の日本語歌詞として確率されています。