秋吉理香子の「暗黒女子」読みました。

あの、某新興宗教団体に出家した若い女優が出演している映画の原作です。
伝統のあるミッション系女子高、聖母女子高等学院で、生徒達の憧れの的だった美少女、白石いつみが殺害される。
白石いつみはテラスから花壇に落下したと思われ、手にはスズランを持った状態で発見された。
白石いつみは学院経営者の娘で、かつて学院にあった文学サークルを復活させ、メンバーを集め活動していた。
文学サークルには、闇鍋をしながら小説を朗読をするとう朗読会の伝統があり、その朗読会も復活し行われている。
白石いつみの親友である澄川小百合は、白石いつみの死後、ある闇鍋朗読会を実施する。
その朗読会は、文学サークルのメンバーが各々、「白石いつみの死」をテーマに短編小説を書き、それを読み上げるというもの。
朗読会が始まり、小百合以外の5人のメンバーが自分の書いた小説を朗読するが、その内容は他のメンバーが犯人であることを名指しで告発したものであった。
5人が全て違う人物を犯人だと告発。
そして、5人全員にスズランの関係するエピソードがあった。
いったい誰が真犯人なのか?
最後に小百合の朗読が始まり、事件の全容が明らかになる。
章ごとに、文学サークルのメンバーの書いた小説が書かれていて、ちゃんと各々の人物にあった文体に変えてあります。
なので、読みやすい章と読みづらい章がありますね。
面白いんですが、ミステリーとして「?」な部分がありますね。
展開的なネダバレになりますが、各々のメンバーが書いた小説から真犯人を予想しながら読み進むんですが、そのメンバーが書いた小説があまり布石になってません。
結局、最後の小百合の朗読で、実はこういう種明かしでした、みたい感じで終わりました。
それと、メンバー各々がなぜ他のメンバーを犯人だと信憑性の無い告発をしたのか、人間関係や因縁がよくわかりませんでした。
ただ、ミステリーとしては弱い感じがしましたが、登場人物達の腹黒さはなかなか面白かったですね。