今回はBリーグから新外国人選手予想第12弾の三遠ネオフェニックス編。



​予想前提


当ブログでは三遠をメインに取り上げることは今まででなかったが、昨季地区優勝するなど個人的には1番のサプライズチームであり、1年で大きく成績を向上させた三遠にはシーズン中から注目せざるを得なかった。


しかも三遠は成績こそ付いてこないシーズンが多かったが、過去に某掲示板で三河行きを予想したイェロバツをはじめ、ハリス、メイテン、ダジンスキーなど初来日となる外国人選手を上手く起用して活躍させているイメージが強いのもあって新たに予想をするチームに加えようとシーズン中に思った。


そんな三遠は現時点でニカ、湧川、吉井、津屋、愈、ダジンスキー、山内、太田、メイテン、大浦、佐々木がロスター確定。


他のチームから狙われると思っていた大浦、佐々木をキープしつつ津屋、吉井、湧川と他のチームも欲しがったであろう選手を3人も獲得しており、日本人選手の獲得が難しいリーグにおいてここまでリーグ最高クラスの補強に成功していると感じる。


その上で三遠のバスケの特徴について見てみると、弱点・課題はFT%の低さ、ペイント内失点とセカンドチャンス失点の多さなど。


強みはアテンプトが多い上に高確率の3P、2P%の高さ、FT獲得率が高いことで多いFTA、TOの少なさ、セカンドチャンスとブレイクポイントの多さ、OR獲得率の高さ、被3PAと3P%の低さ、ブレイクとTOとFTによる失点の少なさ、与FT率の深さなど多岐に渡る。


攻守ともにハイレベルで大きな弱点も少ないなど地区1位も納得のチームであった。


ただ、いなくなった選手がそれぞれ関わっていた部分もあるので、それらを考慮に入れた予想を前提としてクラークの枠の選手を予想したい。



クラーク枠


残り1枠の外国人選手であるが、ポジション的には多くの可能性があり得る中で色々考えた結果、SG起用出来る選手に行き着いた。


順当に考えればクラークが抜けたことや帰化選手が入ったとはいえ、ニカは怪我による離脱が多いことでインサイドにも気を配らなければいけない関係からフォワードなのかもしれないが、バックアップに太田がいることと吉井の獲得でフォワードの選手の可能性は消した。


というのも、フォワードの外国人を獲得してニカとメイテン(ダジンスキー)と併用してオン3をするならば吉井のPTが伸びない可能性が高いからである。


吉井がPTを10分貰ってサラリーの高かったであろう東京から移籍する理由としてはPTが長くなる以外には考えにくいと思っており、4番起用がメインだった東京と違って三遠は吉井を3番起用メインにして3番の1番手を吉井にしたオン3を展開すると見ている。


そうなるとオン3をする際に吉井とニカ、ダジンスキーとメイテンでフロントコートは埋まっており、仮にニカが例年通り離脱したなら吉井を4番に回せばいいわけでもあり、1番も枚数が多いことから最も手薄なポジションは2番になると考えた。


なので、クラークの代わりとなる選手のポジションはスイングマンであれば吉井が下がった時間帯に津屋を2番に置いてオン3も出来るのでなおいいが、まずは2番起用出来るというのが最低条件かと思う。


次に三遠の弱点のFT%であるが、前提で並べたように三遠はFT%は低いのにFT獲得率が多いことで大量の試投に繋げてFTによる得点割合が高かったチームであった。


つまり、FT確率が低いのにFTを得点源・武器にしていたチームであり、そこからFTの上手いクラークと金丸が抜けてFTの苦手なニカが入るので来季もFTを得点源にするのならばFTが貰えて決められる選手でないと厳しい。


FTの苦手なニカとメイテンを並べる時間帯も当然あると思われるのでFTが上手いというのは絶対条件かと思う。


同じようにクラークと金丸は2人で約11本とチームの1/3近くの3Pを打ちつつ高確率で決めており、三遠の強みである多投かつ高確率の3Pに大きく関わっていた。


なので新しい選手もシュートを積極的に打って高確率で決めてくれる選手だと強みを損なわないで済む。


ラベナがいなくなったのでドライブ出来る選手も必要かと思う。


また、三遠はハイペースのオフェンスをするチームでTOポイントやブレイクが多かったチームでもあるのでCTCなどトランジションからフィニッシュ出来るとチームスタイルに合う。


そして三遠はTOが少なかったことでTO失点も少なかったチームでもあるのでTOは多くない方がいい。


最後に、ファウルの多いニカが入るので昨季低かった与FT率が上がることも考えられることからファウルは多くない選手が望ましい。


以上、SGに求めてもよさそうな部分で最後の外国人選手に欲しい、必要と思われる要素をまとめると、


①SG起用出来る

②FTが貰えて決められる

③シュートが積極的かつ上手い

④ドライブで得点出来る

⑤トランジションで得点出来る

⑥TOが多くない

⑦ファウルが多くない


の7点と考え、これらに複数当てはまる選手をリストアップした73名から最終的に予想選手として挙げるのは…


Philip Scrubb

(191cm/84kg/31age)


スクラブはオフェンス力の非常に高いカナダ代表のコンボガードでヨーロッパを中心にプレイ。


昨季はトルコで国内リーグとFIBAユーロカップに参戦して平均27分のPTから平均10.7点で強力なスコアラーが数多くいるチームで二桁を記録して45試合に出場。


シュートが非常に上手く、様々なシチュエーションからC&SとOTDでの3Pはプロ入り後8シーズンで4割を切ったことが1度しかないほど高精度で安定しており、昨季は42%だった。


10年以上参加している代表での国際試合平均でも3Pは平均42%と超高確率なのでリーグのレベルに左右されないシュート力を持っている選手だと思っている。


しかもシュートを積極的に打つ選手で、3PAは毎年のようにFGAの半分以上を占めているので金丸とクラークが抜けたことによるシュート力を確率面とアテンプト面の両方で補える。


当然ながらミドルも上手く、プルアップやフェイドアウェイなども決めてくる。


ドライブも出来る選手で、メインの武器がシュートなので数は多くないがシュートばかりに気を取られているとドライブも決めてくる。


このドライブとミドルを中心とした2Pは昨季国内で55%、FIBAユーロカップで60%と3P同様に非常に高確率だった。


FTもプロ入り後に8割を切ったことはなく、昨季は89%の超高確率だったのでメイテンに加えてニカも加わる三遠にとっては2人で下がるFT%をある程度カバー出来る。


FTAに関してもポジション的に日本人選手とのマッチアップが多くなると思われるのでヨーロッパ時代より増えてもおかしくない。


これらの数字を見れば分かる様に非常に効率的なオフェンス力を持った選手であり、ガードでありながら昨季のEFGは6割を超えており、オフェンシブレーティングに至っては135という規格外のオフェンス力を発揮していた。


三遠にはPGが多くいるのでPG起用されることはないと思うが、ゲームメイク能力も高いものを備えており、P&Rアクションは抜群故にアシストも毎年多く、昨季は平均4本以上のアシストも記録していたのでハンドラーの役割も担える。


TOは直近3シーズン1個台で、割合で見ても昨季は15%を切るなど減少傾向でオフェンスでの莫大な貢献を考えたら優秀すぎると思っている。


反面、ディフェンスはオフェンスのようにはいかず、ファウルは少ないがディフェンシブレーティングは毎年ながら数値が良くない。


ただ、欲しい要素でもディフェンスの項目を入れなかったようにこの枠の選手はオフェンスを重視して選んでおり、日本人選手とのマッチアップが多くなるポジションなことからオフェンスで大きなプラスをもたらす選手とも思っているのでディフェンス面は度外視した。


それに同じポジションにはディフェンスの出来る津屋もいるのでディフェンスに関してはこのポジションの選手を獲得するなら目を瞑れる部分かとも思った。


以上スクラブについて見てきたが、この枠の選手は最後の7人から絞るのが非常に難しく非常に悩んだ。


スクラブは欲しい要素に挙げた部分でトランジションでの得点だけは当てはまらない選手であるが、それ以外の部分では他の選手より優れていたり三遠に合いそうだと思ったので選んでみた。


普通にフォワードの選手を獲得する可能性もあるが、ただでさえバックコートの外国人選手が少ないリーグな上に数少ないバックコートの外国人選手が変わり映えしないという点でもいつも以上に願望に寄せた予想となった。


スクラブじゃなくとも吉井のPTが増えて欲しいので最後の選手はバックコートの選手であって欲しい。