今回はBリーグから新外国人選手予想第3弾の仙台89ERS編。


予想前提


仙台は今まで当ブログで取り上げることはほとんどなかったのだが、昨季序盤から千葉や東京相手に良い試合をしたり、ロスターや資金力の割に好成績を残していることで興味を持ち始めた。


また、仙台は過去に某掲示板で予想していた時に挙げていたオリバーやブースを獲得していたのもあってか勝手に親近感が湧いてしまった。


さらに、知らない選手だったが絶大なインパクトを残したゲルンを獲得するなど、限られた予算で良い外国人選手を獲得する仙台GMの手腕に惚れ込んだのもある。


そんな仙台はオーナーチェンジがあって資本力は増えたと思われるが、現状では最重要選手のブースの残留には成功させたもののゲルンは去就不明で日本人選手もほとんど固まっておらず、アジア枠はヤンが継続となっている。


日本人選手はどうなるか読めないが、リーグ全体で日本人選手の補強が難しい傾向にあることから大きな強化が望めなくてもおかしくはない。


一方で確実に入れ替えて強化を図ると思っていたアジア枠ではヤンを継続していることからも新しい外国人選手のランクが急激に上がるとも思えない。


つまりはオーナーチェンジがあったからといって群馬、渋谷、広島、島根のように有名選手や高ランク選手が来るとは限らず、その可能性が低くてもおかしくはない。


場合によっては今までと同じくらいのランクの日本人選手や外国人選手しか選択肢にないかもしれないので、東京が地区からいなくなったとはいえプレイオフ進出を目標にするならチーム戦力に与える影響が大きい外国人選手への比重はより大きくなり、外国人選手の選択の重要性は大きい。


また、仙台は勝率5割を切っているので当然と言えば当然だが弱点や課題が多く、3P%、2P%、FT%とFG関係の確率は全て改善の余地がある。


もっと細分化して見てもミドルの上手いブースがいるとはいえ2PAの割合が高いのにペイント得点割合が低いことやOR獲得率が高いのにセカンドチャンス決定率が低いこと、TOの割合が高いことなどからオフェンスが効率的でないことが分かる。


ディフェンス面でもペイントでの失点が多いことで被2P%が高く、与FT率も高いので相手には効率的なオフェンスをされている。


一方で仙台の強みはTOポイント決定率が高いことでTOポイントが多いこと、両リバウンド獲得率、アシスト割合などが挙げられるが弱点に比べて少ない。


なので、強みを維持したり伸ばすよりも弱点克服を重視した選手予想で考えてみた。


また、ゲルンについては何も発表されていないが、退団と仮定してトーマスとゲルンで2人分の予想とする。



1人目


1人目はゲルンの枠の外国人選手かつアジア枠がヤンということでビッグマンで間違いないと見ている。


ゲルンはリバウンドがリーグ最強格で、割合で見てもDRはほぼ3割でORは3シーズン連続で15%前後という脅威的なリバウンダーだった一方でFTは平均5本以上も打って5割未満とかなりの低確率であり、仙台のFT%を大きく下げる要因でもあった。


平均得点で見てもトーマスとブースより劣り、FG60%は高確率に見えるが、意外にもゴール下の決定率はギリギリ7割を切っていおり、もう少し高確率で決めてくれればペイント内得点ももう少し増やせた。


TO割合も平均得点やFGA、USGなどから見て多めの16%でこちらも仙台の弱点と通ずる部分である。


なので、FTやフィニッシュ率でゲルン以上の選手であれば仙台の弱点の2P%や少なかったペイント内得点、セカンドチャンス決定率やFT%などの改善が見込める。


その上でゲルンほどでなくてもリバウンドが強い選手であれば大当たりと考えている。


以上から1人目の選手に欲しい、必要と思われる要素をまとめると、


①ビッグマン

②フィニッシュ力

③最低限ゲルン以上のFT%

④TOが多くない

⑤ビッグマン水準を上回るくらいのリバウンド力


の5点と考え、これらに複数当てはまる選手をリストアップした43名から最終的に予想選手として選ぶのは…


Azuolas Tubelis

(208cm/111kg/22age)



トゥべリスは若いリトアニア人ビッグマンで、近い内に間違いなく高ランク選手になると思っている。


プロでプレイしてから大学へ行って昨季から再びプロキャリアを再開させた特殊な経歴の選手で、プロではヨーロッパのみでプレイ。


昨季はリトアニアでプレイして平均28分のPTから平均17点でチーム断トツのトップスコアラーかつリーグでも4位の非常に高い得点力を誇った。


インサイドでの得点に長けており、ポストプレイとダイブは特に上手く、C&Fからの得点も多い。


その2つほどスキルが高いわけではないが、ドライブでも得点が可能でサイズとストライドあるドライブはなかなか日本では見られないので効果的に決まりそう。


トランジションに参加する走力も持ち合わせており、このサイズで先頭を走ってのフィニッシュも強力。


それらに加えてミドルも打ちながら昨季の2P%は63%と非常に高確率であり、スコアラーだけでなくフィニッシャーとしても優秀。


シューティングポテンシャルも感じる選手であり、ミドルに加えて3Pも年々確率を上げており、まだ確率は低いがゲルンよりはシュートレンジが広い。


FTは大学では平均7割以上だったところから昨季は61%に大きく下がってしまったが、それでもゲルンよりは確率が良く、アテンプトも平均4本あることからゲルンより有効活用出来るはず。


リバウンドも攻守ともに非常に強力であり、DRは昨季22%もあるなどリーグでも4位のリバウンダーとして活躍。


ORからはプットバックが見込めるのもトゥべリスの2P%が高い一因になっており、セカンドチャンス決定率が低い仙台には合っている。


ディフェンス面も非常に優秀でオンボールディフェンスには定評があり、特にポストディフェンスはサイズとフィジカルを活かして行なっている。


ペリメーターディフェンスも少なく見積もってもビッグマンの平均を上回るレベルだと思っている。


ビッグマンでありながら昨季スティールで平均1本以上記録しており、自身のスティールからもトランジションオフェンスに繋げられる。


ショットブロッカーとしても優秀で、昨季は平均1本以上のブロックを記録。


トゥべリスは現時点では新卒1年目でランクが高いわけではないが、章の冒頭で述べたように数年以内に間違いなく高ランク選手になる選手だろう。


今オフにもユーロリーグ参戦チームからオファーがあってもおかしくないくらいの選手だが、最初からユーロリーグチームでプレイしているわけではないので今なら僅かながらチャンスがあるのではと思い、オーナーチェンジで気合の入った仙台が獲得したら面白いというのもあって予想選手に選んでみた。


国内選手枠で使えるジャルギリスが狙う可能性が高そうな気もするが、日本で間違いなく活躍出来る選手だと思っているので是非とも仙台でなくとも日本で見たい。



2人目


続いてトーマスの枠の選手だが、ポジション的にはビッグマンかフォワードが考えられるが、アジア枠でヤンが継続したのでビッグマンに絞った。


そして前提で述べた仙台の弱点や強みとトーマスを照らし合わせてみると、ゴール下決定率が65%でトーマスのプレイスタイルや仙台のペイント内得点割合の少なさ的にもう少しフィニッシュ力が欲しい。


3Pもアテンプトは少ないので無駄打ちは少ないが、トーマス自身も仙台全体で見ても3P%が低いので最低でもトーマス以上のシュート力で3P%を底上げしたい。


また、仙台はTOが多かったがトーマスもUSG%が高いとはいえ、TO割合はPTが減ったのに増えており、TOはトーマスより少ない選手の方が望ましい。


トーマスはファウルが多めでファウルトラブルになることも多く、トーマス自身のPTが減って他の外国人選手に負担が掛かったり、仙台の弱点でもある与FT率にも関わる部分なのでファウルも少ない方がいい。


逆にトーマスが仙台の強みになっていた部分ではリバウンド力が挙げられ、DRは非常に高い割合だったので大きく損ねない程度のリバウンド力は欲しいと思われる。


以上から2人目の選手に必要、あるいは欲しいと思われる要素をまとめると…


①ビッグマン

②フィニッシュ力

③シュート力

④TOの少なさ

⑤ファウルの少なさ

⑥リバウンド力


の6点と考え、これらになるべく複数当てはまる選手をリストアップした47名から最終的に予想選手として挙げるのは…


Marko Pecarski

(208cm/98kg/24age)


ペカースキは中でも外でも多彩なスキルから得点出来るオフェンスタイプのビッグマンでヨーロッパのみでプレイ。


昨季はトルコで平均25分のPTから平均11点を記録。


シュートが上手く、スポットアップやP&PでのC&Sだけでなくビッグマンでありながらステップバックなども打って直近4シーズン中3シーズンで3Pが4割以上、昨季も41%で超高確率だったので仙台の低い3P%を大きく向上させられる。


インサイドではポストプレイやドライブに加えてダイブやカットなどオンボール、オフボール問わず得点可能な万能ぶりとフィニッシュ力の高さを見せる。


さらに機動力が優れているのでトランジションでのフィニッシュも持ち味で、それらのスキルから昨季の2P%は61%であり、リーグが違うので単純比較は出来ないとはいえトーマスより10%も高かった点も仙台の弱点の2P%やペイント内得点の少なさという点に合っている。


FTも5シーズン連続で75%以上を記録しており、今季は80%の超高確率でトーマスよりも上手い。


それでいてプロ入り後にTOがシーズン平均1個以上を記録したのは1シーズンのみで昨季も平均0.5個で割合5%と非常に少なかったのもTOが多かった仙台にピッタリ。


これらのオフェンス面の優秀さからオフェンシブレーティングが4シーズン連続で130以上という凄まじい数値で、オフェンスにおける影響力は非常に大きい。


リバウンドもORが非常に強く、毎年のようにOR割合が13%前後で高いのはOR獲得率の高かった仙台の強みに合致しており、高確率のプットバックにも繋げられるのでセカンドチャンス決定率の向上にも寄与出来る。


ファウルもキャリアで平均2個未満をキープしていて少ないのはトーマスとの違いであり、与FT率の高い仙台的にはファウルが少ない方がFTを打たれる可能性は低いのでリスクは軽減する。


一方で、ディフェンス面ではオフェンスほどの評価や有用性は見られず、ディフェンシブレーティングも優秀だったトーマスと比較してお世辞にも良いとは言えない。


ただ、オフェンス面でお釣りが来るくらいの選手だと思っているので是非とも日本で見てみたい。


かなりオフェンスに寄った選手であるが、1人目で予想したトゥべリスがディフェンス面も評価が高い選手なのでオフェンス重視の予想にしてみた。


チーム体制が変わった仙台が誰を連れてくるか楽しみにしたい。