今回はBリーグ32節からサンロッカーズ渋谷とシーホース三河のカードをピックアップ。


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どちらもプレイオフ進出可能性が地区枠とワイルドカード両方で現実的にあるチームの直接対決で注目の試合は両日とも逆転勝ちの試合になった。



1戦目


渋谷はインサイドでフィニッシュし切れず、アウトサイドでもシュートが入らずFG14%で7点の最悪の出だし。


三河はダバンテがアタックもシュートタッチも絶好調で中でも外でもアンストッパブルな活躍で20点リードで折り返す。


渋谷は後半に入ると持ち前のシュート力から高確率かつ効率的に得点して一気に1ケタ差まで詰める。


三河は前半の勢いを維持できず、4Qで10点に抑えられ、渋谷のP&Rを止められず5点差で逆転負けとなった。


チームスタッツは3Pが渋谷12/26で46%、三河9/21で43%と確率と成功数で渋谷が上回った。


2Pは渋谷17/30で57%、三河は18/34で53%と確率は渋谷で成功数は三河が上回った。


FG全体では渋谷が29/56で52%、三河は27/55で49%と確率と成功数で渋谷が上回った。


FTは渋谷が11/14で79%、三河は13/17で76%と確率は渋谷で成功数は三河が上回った。


EFGは渋谷が62%、三河は57%で効率面でも渋谷が上回った。


リバウンドは渋谷がOR7本のトータル32本、三河はOR5本のトータル25本で渋谷が優勢だった。


アシストは渋谷が22本、三河は13本で圧倒的に渋谷が多かった。


TOは渋谷10個、三河9個で三河が僅かに少なかった。


個人では渋谷のベンドラメがミドルやロングを高確率で決めてチームハイの18点と1リバウンドに3アシストで活躍。


帰化選手のジョシュ・ホーキンソンはシュートやダイブなどで16点とチームトップの8リバウンドに3アシストでマルチに貢献。


負けた三河はダバンテ・ガードナーがシュートやポストプレイ、ドライブなどでゲームハイの38点とチームトップの9リバウンドに1アシストで大活躍。


ジェイク・レイマンはシュートやドライブなどで9点と2リバウンドを記録。



2戦目


渋谷は前日と変わって序盤から好調なシュートタッチから3P75%の超高確率で得点源にすると先行して入る。


三河は反対にシュートタッチに苦しみ、TOも大量に出るなどオフェンスのリズムを掴めずビハインドで後半へ。


渋谷はシュートタッチが狂い始めると、逆に三河に高確率でシュートを決められリードを溶かし始める。


三河は好調なシューティングを維持し続けるとディフェンスでも渋谷を12点に抑えて14点差でリベンジした。


チームスタッツは3Pが渋谷13/30で43%、三河は10/21で48%と確率は三河で成功数は渋谷が上回った。


2Pは渋谷が13/25で52%、三河は18/32で56%と確率と成功数で三河が上回った。


FG全体では渋谷が26/55で47%、三河は28/53で53%と確率と成功数で三河が上回った。


FTは渋谷が2/4で50%、三河は15/17で88%と確率と成功数で三河が圧倒した。


EFGは渋谷が59%、三河は62%で効率面でも三河が上回った。


リバウンドは渋谷がOR8本のトータル25本、三河はOR8本のトータル29本で三河が優勢だった。


TOは渋谷11個で三河8個と前日同様に三河が上回った。


その他気のなるスタッツとしてファストブレイクポイントが渋谷0点に対して三河11点。


ペイント内得点が渋谷16点に対して三河32点。


TOポイントは渋谷10点に対して三河23点だった。


個人では渋谷のジョシュ・ホーキンソンがシュートやポストプレイ、ダイブなどでチームハイの19点とチームトップの8リバウンドに4アシストでオールラウンドに活躍。


アンソニー・クレモンズはシュート中心に17点と5リバウンドにチームトップの5アシストでスコアリングとゲームメイクで貢献。


勝った三河はダバンテ・ガードナーがシュートやポストプレイなどでゲームハイの20点とチームトップの8リバウンドに3アシストで活躍。


ザック・オーガストはポストプレイやドライブ、オフボールの合わせなどで14点と7リバウンドに2アシストで活躍。



総括


両日とも前半と後半で優勢具合が変わる試合だった。


1戦目では渋谷が最大20点以上もリードされながら後半の怒涛の猛追で逆転するという非常に面白い試合だった。


1戦目での渋谷はダバンテ1人に40点近く取られたが、他の選手は全て10点未満に抑えるなど取られて良い部分を絞って逆転に持っていったのは見事だった。


渋谷は持ち味の高確率のシュートと少ないTOに加えて苦手分野であるリバウンドでも踏ん張れたのが大きかった。


そして、ベンドラメが難しいシチュエーションのショットを何度も決めたのが効いた。


三河もシュートが高確率でTOは渋谷以上に少なかったのだが、ダバンテ1人に得点が集中して分散させられなかったのが響いてしまった。


やはり1人の選手だけで得点するとその選手が今回のように停滞した場合にチームの得点も停滞するリスクがあるのは否めない。


今季の三河は今までと違って外国人選手全員が高い得点力を備えて3人で万遍なく得点出来るのが強みでもあると思っているので偏りすぎてしまったのは勝敗に影響したかもしれない。


オフェンスの形としても得点出来ているとはいえダバンテが1対1で打開するのでアシスト数で渋谷と大きく差が付いた。


一方で2戦目ではしっかり外国人選手が分散する形で得点しており、ダバンテ以外にもディフェンス側に得点イメージを植え付けることで円滑なチームオフェンスに繋がった。


三河はディフェンスでも前日渋谷のP&Rに翻弄されていたが、P&Rの起点であるクレモンズにサイズとスピードのあるオーガストをマッチアップさせることで渋谷のオフェンスを削いだ。


ビッグマンをガードに付けるのは渋谷側も想定していなかったと思うのでリッチマンの大胆な采配に驚くとともに成功させた手腕に脱帽するしかない。


このようにディフェンスで勝負出来るのが今季の三河であると改めて認識した。


逆に渋谷は3Qまでリードしていた展開でオフェンスが止められてしまうとディフェンス力下位なために三河のようにディフェンスで耐えるというのは難しくなってしまう。


マカドゥがいればディフェンス面もだいぶ変わってくるはずだが、マカドゥのいない渋谷ではディフェンス面の粗が目立つことから三河に逆転を許すことになってしまった。


三河の起点でもあるダバンテにマッチアップしていたギブスが退場してしまったのもチームのピンチを加速させており、43歳の選手がタイムアウトでHCの指示が出ているのに戻らず審判に文句を言い続けてテクニカルというのはいただけない。


これで渋谷は川崎戦含めてプレイオフ争いをするチームとの直接対決3戦で負け越しの痛い結果になってしまい、順位でも三河とのゲーム差は縮まらず川崎には逆転されてしまった。


ここで全勝出来ていれば三遠との連戦で2敗しても余裕ある展開もありえたかもしれないが、最低でも1本は取らないと厳しい状況に思える。


逆に三河は東京に1本取ったのが非常に大きく、FEに負けた痛手があっても渋谷と川崎に2ゲーム差を付けることになっており、残りの対戦相手を考慮しないならだいぶ有利と言える。


後ろから追ってきている川崎、渋谷、FEの追い上げから逃げ切れるのか注目したい。