今回はBリーグ20節から千葉ジェッツとアルバルク東京のカードをピックアップ。


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昨季プレイオフSFと同じカードの両チームは今季成績に大きく差があるが、試合は接戦で非常に面白いものになった。



1Q


千葉はインサイドへのアタックやアウトサイドでもチャンスを確実に沈めて中外関係なく効率的に得点。


東京はORを大量に取るが、TOも多く出た上にアウトサイドシュートとFTを上手く決められず5点ビハインドで終える。



2Q


千葉はアテンプトを寄せたアウトサイドシュートが良い確率で決まらないが、TOをほとんど出さず隙を与えない。


東京はTOはFTをパーフェクトで決めて得点源にするが、依然TOが多くハーフコートオフェンスの精度が低調で4点ビハインドで折り返す。



3Q


千葉はギアを上げた東京のディフェンスに苦しめられFG28%にまで追い込まれるが、TOの少なさはキープ。


東京もアウトサイドシュートは入らず、インサイドでのフィニッシュを得点源として3点ビハインドで最終Qへ。



4Q


千葉はFGから富樫とムーニーしか得点出来なかったが、2人が大事なショットを尽く決めるとファウルゲームも乗り切る。


東京はアウトサイドシュートが相変わらず入らないのでインサイドへアタックを仕掛けるが、FTが決められず1点差で敗北となった。



チームスタッツ


チームスタッツは3Pが千葉11/33で33%、東京は6/22で27%と確率と成功数で千葉が上回った。


2Pは千葉が18/34で53%、東京は21/38で55%と確率と成功数で東京が上回った。


FG全体では千葉が29/67で43%、東京は27/60で45%と確率は東京で成功数は千葉が上回った。


FTは千葉が6/7で86%、東京は14/22で64%と確率は千葉で成功数は東京が上回った。


EFGは千葉が51%、東京は50%で千葉が僅かに効率面で上回った。


リバウンドは千葉がOR8本のトータル27本、東京はOR16本のトータル46本で東京が圧倒した。


TOは千葉7個、東京16個で千葉はミスが非常に少なかった。


その他気になるスタッツとしてTOポイントが千葉18点に対して東京8点と二桁差があった。



個人スタッツ


個人では千葉のジョン・ムーニーがミドルやフィニッシングなどでゲームハイの20点とチームトップの8リバウンドに4アシストでオールラウンドに大活躍。


ゼイビア・クックスはドライブから高確率でフィニッシュして14点と5リバウンドに4アシストでマルチに貢献。


負けた東京はレオナルド・メインデルがシュートやドライブからチームハイの18点と4リバウンドに4アシストで活躍。


帰化選手のライアン・ロシターはカットやプットバックなどで10点とチームトップの15リバウンドに5アシストでマルチに貢献。



総括


個人的には今季ベストゲームだった。


プレイオフのような強度とコンタクトの応酬がありながら簡単にファウルが鳴らないのも試合が面白くなった要因と思っており、これくらいが基準になってくれれば面白い試合は増えるが選手の負担を考えると難しい問題かもしれない。


千葉はファウルゲームがあっても全体で7本しか打てないなどあれだけのコンタクトある試合でもFTを貰うのが難しかったことが分かる。


通常であればファウルゲームがなくても千葉は10本以上FTがあってもおかしくなければ東京も30本以上貰ってもおかしくなかったかもしれない。


それだけ東京のインサイド陣が上手く線引きを見極めてコンタクトしたとも言える部分で、実際に東京はクックスとムーニーのいる千葉相手に倍のORを取るなどインサイドの強さは流石だった。


その東京相手にFTが少ないながら勝ち切った千葉も見事であり、ショットの大半を決めた西村や平面のミスマッチを攻め切った富樫、ミドルを有効活用したムーニーは素晴らしかった。


特にムーニーのミドルは効果的に決まっており、先述のインサイドが強い東京にペイントでのフィニッシュが阻まれるのであればという賢さが見えた。


現代バスケではミドルは非効率的でオフェンスでは極力狙わず、ディフェンス側も優先的に捨てる場合が多いが、捨てられてフリーで打てるからこそミドルが得意な選手や決められる選手にとっては他で攻められない時には有効な得点手段になり得る。


そのようにムーニーが追いかけて来る東京の時間帯をミドルで繋いだのは大きかった。


加えて千葉はFTを貰えずリバウンドでも劣勢だったが、激しい東京のディフェンス相手にTOを10個未満に抑えており、逆にTOの少ない東京相手に16個出させるなどTOは勝因だった。


千葉はこの東京のTOから18点取っており、ORで多かった東京の攻撃回数を減らす意味でも大きかった。


それでも東京は接戦の展開でFTが千葉より圧倒的に多かったので勝つチャンスは十分にあったはずであり、終盤にメインデルがFTを2本外したのは痛かった。


これで東京はアウェー初の敗北であり、全体1位を三遠に明け渡すことになった。


三遠とは直接対決も控えていて非常に楽しみにしているので怪我人が出ないことを祈りたい。


千葉は上げ調子で5割ギリギリだったところから貯金を増やしてはいるが、上の栃木と東京とはゲーム差が大きく、2チームとも大型連敗をするとは思えないのでプレイオフを目指すならワイルドカードが現実的かもしれない。


今季のワイルドカード争いは面白くなりそうなのでどこが制するか楽しみつつ見守りたい。