今回は現地9月30日開幕のトルコ1部リーグBSLの注目チームと選手について。


BSLはヨーロッパの主要リーグでもトップクラスにレベルが高く、アナドゥル・エフェスとフェネルバフチェの2チームがトルコ国内のみならずヨーロッパでもバルサやレアルに次ぐトップクラスの資金力を誇りリーグ2強として君臨する。


ACB同様にこの2チーム以外が優勝するのは非常に難易度が高く、ここ8シーズンではどちらかが必ず優勝している。


そんなBSLで個人的に今季注目するチームは4つあるが、以下過去記事に登場する選手もいるので参考に。『今季国内記事まとめリンク』2022-23シーズン開幕前総評『Bリーグ22-23 開幕前総評 秋田ノーザンハピネッツ』Bリーグ開幕前総評第1弾は秋田ノーザンハピネッツ。外国人選手予想は…リンクameblo.jp




​アナドゥル・エフェス


トルコ2強のエフェスは1部の選手以外はバルサやレアルと比べてタレントが落ちるかもしれないが、強豪国の代表経験者やユーロリーグ強豪チームを渡り歩いた選手が多くヨーロッパでもトップクラスの選手層には変わりない。


そんなエフェスは今オフ退団が5人と少なく、有力選手もモルマンとアンダーソンくらいだが、モルマンの移籍は痛い。


新加入は6人で日本でもプレイした現役フランス代表のウンバイ、イタリア代表のポロナラ、まだ若くて優秀なロールマンのジジッチ、オールラウンドフォワードのクライバーンなど有力選手だらけで戦力的には間違いなくアップだが、モルマンの代わりになれる選手はいないのでその影響が出るかも注目したい。


残留選手はトルコ代表とセルビア代表でも主力でヨーロッパ屈指のガードであるラーキンとミチッチ、スコアリングガードのバボアにトルコ代表のトゥンツァーと揃っているバックコート陣に加えてビッグマンは元ドイツ代表で圧倒的なサイズにシュート力も合わせ持つプレイスと全盛期にはヨーロッパNo.1センターにも数えられていたロールマンのダンストンがいて厚い。


フォワードも新加入組で回せるなど今季も文句なく優勝候補筆頭だろう。


注目選手はミチッチ。


ラーキンと共にエフェスの看板ガードでヨーロッパNo.1ガードの評価をする人も多く、スコアリングとゲームメイクの両方がハイレベルなスーパープレイヤー。


NBAからのオファーを蹴ってヨーロッパでのプレイ続行を決めたミチッチが今季も大暴れすることに期待したい。



​フェネルバフチェ


エフェスと同じくトルコ2強で昨季はユーロリーグで不覚を取ったが国内は優勝しており、最近はエフェスよりもリーグ優勝回数が圧倒的に多い。


元々はエフェスより資金力のあるチームだったが、年々資金力を増すエフェスに予算とサラリーで抜かされてしまった。


それでもヨーロッパ全体でトップクラスの資金力を誇るフェネルバフチェの今オフはヨーロッパトップクラスのガードであるデコロやイタリア代表のポロナラ、チェコ代表でヨーロッパ屈指のロールマンのヴェセリー、今季サマーリーグに参加したヘンリーなど有力選手を含む9人が退団。


新加入はトルコ代表経験もありヨーロッパトップクラスの得点力を持つウィルべキンや全盛期は過ぎたが現在もヨーロッパトップクラスのPGであるカラテス、NBAには定着出来なかったエドワーズ、リムプロテクターのジェキリや個人的に日本に来ることを期待していたモトリーなど豪華な7人が加入。


残留選手もトルコ代表のメリーとヘイザー、NBAで8シーズンプレイしたビエリツァと同じくセルビア代表のグダリッチ、ロールマンのブッカーにディフェンスで大きな働きをするピエールを残すことに成功。


ヴェセリーとデコロの移籍は実力者が抜けることになるが、同じくロールマンのブッカーがいることやタイプは違うがゲームメイクとスコアリングでそれぞれヨーロッパトップクラスのカラテスとウィルべキンが入ったので大きな問題にはならないと見ている。


やはり優勝候補筆頭格なのは間違いない。


個人的注目選手は新加入のモトリー。


典型的な中堅チームで輝くスコアラータイプのビッグマンなので超強豪フェネルバフチェでPTが貰えるかも分からないが、オフボールでもオンボールでも得点出来るので得点力に期待したい。


昨季のシェイヨク然りこのタイプが強豪に移って成功する例が少ないように思うので逆パターンも見たい。


無理だったら是非日本に…。



​ガラタサライ


ガラタサライは当ブログで昨季何度も書いたように非ユーロリーグ常連チームの中ではモナコと並んで別格の補強をしていた中堅チームであり、昨季以前も補強した選手がユーロリーグチームに毎年のように持っていかれるなどGMの能力が非常に高い。


そんなスカウトに定評のあるガラタサライの昨季はオフェンスに特化気味で中堅トップクラスの選手や上位レベルの選手が集まっており、リーグでRS3位と2強に次ぐタレントチームとして違わぬ実力を見せていた。


各チームでトップスコアラーになってもおかしくないようなメンバーが集まっていたこともあり主力を維持することは難しく、当ブログ国内新外国人予想プレ企画でも触れたクラヴィッシュや広島に加入したブラックシアー、P&Rアクションと得点力が凄まじいトリンブルなど主力を含む12人が退団。


新加入は8人でコロンビア代表エース格のローダスやプレ企画でも触れたモーガン、ACBで長く正PGをしていたエニスなどの有力選手を含む。


残留組ではスコアリングガードのボストと攻守で評価の高いスイングマンのパーセルを何とか残すことに成功したが、クラヴィッシュとブラックシアーの退団は痛かったかもしれない。


セルフィッシュな部分のあったトリンブルはいなくなっても問題ないかもしれないが、外で得点出来たブラックシアーと中で得点してくれたクラヴィッシュの穴をモーガン1人で埋めるのは難しく、モーガンは怪我明けでもあるので長いPTで使うのは怖い部分でもある。


バックコートのバランスが良くなった分とフロントコートの弱体化でチーム全体的にはプラマイ0な気がするが、今季もリーグ上位のチームと見ている。


個人的注目選手はパーセル。


身体能力が高くドライブやシュート、カット、トランジションと多彩なパターンから得点力も抜群なスイングマンでディフェンスのレベルも高い。


日本に来て欲しいと何年も前から思っている選手の1人でトリンブルやブラックシアーなど得点力ある選手が抜けたのでスコアリング面でより活躍が予想出来る。



​カーシヤカ


カーシヤカは一昨季前のBCL準優勝チームで低迷期もあったが、ウファクの在任中は上位で離任後再び低迷し再任後の近年再びプレイオフ常連になったウファクの存在次第で成績が大きく変わる面白いチームと言える。


そして今季もウファクが続投したので低迷することはないと見ている。


今オフはダルマズを除く14人全員が退団という大解体レベルの引き抜きに遭い、その中にはシューターのブラックモンや昨季補強の目玉だったコンボガードのロール、冒頭リンク内プレ企画でも触れたスイングマンのケネディとロールマンのタイアス、フランス代表で日本でもプレイしたウンバイ、攻撃的PGのテイラー、個人的に日本で見たかったオールラウンドフォワードのコルソンなど主力が全員抜かれる大打撃。


新加入はドミニカ共和国代表主力のデルガドやユーロバスケットでも活躍したリトアニア代表のクズミンスカス、ベテランスコアリングガードのマッカラム、冒頭リンク内の新外国人予想栃木編で挙げたブラウンとシュートとドライブ共に高レベルのブラウンなどの有力選手含む12人が加入したが、抜かれた有力選手の数を考えたらビッグマンがもう1人欲しかった。


それでも、あれだけ刈られ尽くした状態からビッグマン以外は昨季と遜色ないと言えるくらいのメンバーを集めたのは流石と言え、ウファクの求心力も関係しているのかもしれない。


昨季はプレイオフ出場したとはいえ下位での出場だったので今季は一昨季の2強を割ってRS2位だった時のような強さが見たい。


個人的注目選手は新加入のクズミンスカス。


冒頭リンク内のプレ企画でも触れた通りオールラウンドなフォワードで今オフのユーロバスケットでもリトアニア代表としてスコアリング面で大活躍だった。


同じオールラウンドフォワードで一回りサイズが小さいコルソンもインパクト抜群だったので、入れ替わる形のクズミンスカスには全盛期並みの大活躍を期待したい。


以上BSLでの注目4チームを挙げたが、優勝予想は2強で迷った末に今季も超強力な2大ガードを重要な試合では長く使うと思われるエフェスとしたい。