今回は現地28日開幕のスペイン1部リーグのACBについて個人的な注目チームや選手を紹介。


ACBは外国人選手が多いこともありロシア、トルコと並んでヨーロッパトップクラスにレベルが高いリーグでロシアから有力選手が大量に抜けたこともあり現在はトルコと2強リーグと見ている。


バルサとレアルが国内のみならずヨーロッパ全体でも別格の資金力でNBA主力経験者や将来のNBAプレイヤーを多数抱える圧倒的タレントチームで優勝候補筆頭格の常連として君臨している。


それに次ぐチームであるバレンシアとバスコニアは2強ほど飛び抜けた資金力があるわけではないが、ヨーロッパトップクラスの資金力を誇り2強に割って入れる存在であり、自分がACBを見るようになって以降この4チームしか優勝していない。


今季もそれ以外のチームが優勝を狙うのは現実的に厳しく、夢がないリーグとも言えるかもしれないが、リーグのレベルが非常に高いのでB1下位チームクラスの資金力の豊富でないチーム含めて全チームに現役の各国代表や将来の代表候補、各国リーグのエースクラスになれるなど有力選手が多いので捨てカードが少なく見所が多いリーグとも言える。


そんな良い選手の多いACBだけに4大チーム意外にも注目チームや選手が多い。


以下リンク内プレ企画で触れた選手もいるので気になる方は参考に。



​バルセロナ


言わずと知れたスペイン並びにヨーロッパの超名門チームでユーロリーグでも常連かつ超強豪チーム。


非NBA選手で最もサラリーを貰っていた選手もバルサのミロティッチであり、昨季は日本円で約7.5億と別格だった。


毎年有力選手が退団しても凄まじい補強をしてワクワクさせてくれるバルサの今オフは7人が退団して6人が加入。


退団した選手の中にはギリシャ代表正PGでヨーロッパのPG5指にも入るであろうカラテスや一時期ヨーロッパNo.1センターと言われていたデイビス、ラトビア代表で主力のスミッツ、オーストラリア代表のエグザム、大学からプロ入り後でプレイスタイルがガラリと変わったヘイズなどユーロリーグ常連チームを渡り歩く超有名選手が多数。


中堅チームではエース格になりうるピュレンも退団選手の中にいるが、バルサクラスでは有力選手となりえない時点でタレントの充実振りが伺える。


そして出ていった有力選手の代わりに入った有力選手はチェコ代表で直近までNBAでプレイしていたサトランスキー、同じくチェコ代表でヨーロッパトップクラスのビッグマンのヴェセリー、セルビア代表フォワードのカリニッチ、スロベニア代表センターのトビーなど相変わらず豪華な顔触れを揃えた。


契約を継続した選手もサンリ、クリッチ、ヨクバイティス、ミロティッチなど強豪国代表選手やユーロリーグ常連チームを渡り歩くヨーロッパトップクラスが残留。


出ていった選手も入ってきた選手も凄すぎて弱体化したのか強化したのか断言出来ないないくらいだが、仮に多少弱体化したところで国内での優位性は揺らがないぐらいのチームなのは間違いなく、今季もレアルと並んで優勝候補筆頭なのは変わらない。


主力全員が注目選手と言っていいくらいだが、1人選ぶとすれば新加入のサトランスキーを挙げたい。


2メートルオーバーの長身ガードのサトランスキーはNBA6シーズンで平均4アシストを記録するなどゲームメイクが得意。


ロールマンと相性が良いので同じチェコ代表で新加入のヴェセリーやトビーとのコンビプレイに注目したい。



​バスコニア


シェンゲリアとヴォイトマンのツインタワー時代が個人的に全盛期だと思っており、それ以降はスケールダウンした気もするが、コロナで短縮したシーズンでは優勝しておりリーグ有数の強豪なのは変わらない。


今オフはNBAに行った欧州屈指のシューターのフォンテッキオやユーロリーグ常連チームを渡り歩くヨーロッパ上位層であるピーターズやバルドウィンなど有力選手含めて7名が退団。


特にバルドウィンはチームのトップスコアラーでフォンテッキオも上位の得点力とNo.1の3P%だった主力であり、2人の抜けた箇所に誰を連れてくるか注目だったが、6人が新加入。


有力選手ではジャルギリスでコンスタントに高確率を記録していたベテランシューターのミラクニス、ヨーロッパ中堅チームで主力だったトンプソンやNBAで下位ローテーションやローテーション外だったが、強豪マーケット大では圧倒的なスコアラーだった若手のハワード、オールラウンドなスコアラーのホメスが挙げられる。


ホメスとトンプソンはバルドウィンとフォンテッキオと比べるとタレントでは劣るかもしれないが役割や能力的には2人の欠けた穴を補えるほどの実力は備えている。


残留した選手ではリトアニア代表で主力のギエドライティスやシーズン中のスペイン代表のディエス、冒頭リンク内プレ企画でも触れたコステロなどがいるが、ピーターズの埋め合わせが出来ていないと感じる点が不安要素かも知れない。


注目選手は新加入のホメス。


日本に来て欲しいと前から思っていたフォワード選手の1人でシュートもドライブも上手く、中堅チームでは圧倒的なスコアラーだった。


強豪のバスコニアではスコアラーになるのは難しいかもしれない、というか十分なPTも得られるかどうかも分からないが活躍を期待したい。



​レアル・マドリード


バルサと並ぶスペイン2強でドンチッチ、カンパッソチームNo.1選手が連続で抜けたり、シーズン中にNBAに選手を持っていかれても揺るがないくらいヨーロッパでも別格に全ポジションが充実したロスターを揃えている。


今オフは6人が退団したが、有力選手はヒューテルとストレッチビッグのトンプキンスくらいでトンプキンスもレアルではビッグマン層が厚すぎるが故に一昨季と比べてば出番が大幅に減り、ヨーロッパトップクラスのトンプキンスの退団でさえ痛手ではないだろう。


新加入ではトランジションで活きるヘゾーニャや205cmでガードのスキルを持っているムサ、当ブログ国内外国人予想プレ企画でユーロリーグ行きはないと予想していたコーネリのまさかの加入など超強豪でありながら明らかに戦力的にはアップしているのが恐ろしい。


簡単に有力選手だけでデプスを見てみるとガードに攻撃的ガードのゴス、元スペイン代表のロドリゲスとリュル、若手のアロセン。


ウイングにはハンガリー代表エースのハンガ、昨季ファイナルで大活躍したコーシャー、新加入のヘゾーニャ、同じく新加入でボスニア代表エース格のムサ、アルゼンチン代表でもスコアラーのデック、スペイン代表のベテランであるフェルナンデスなど様々なタイプが集まって豪華。


ビッグマンはヤブセレ、ポワリエの現役フランス代表級揃い踏みに圧倒的サイズのタバレス、ロールマンのランドルフがいるのでPTはあまりもらえなさそうであるが、コーネリも加わって分厚い。


各ポジションに1人はヨーロッパでトップ10に入ってるような選手が1人はおり、ビッグマンに至っては3人もいるなど改めて見ても異常なほどトップクラスの選手が集まっている。


この選手層で昨季のように20分前後の選手が多くなるようタイムシェアされるとシーズン通して安定した強さを発揮してくるわけで、ほとんどのチームは太刀打ちしようがない。


注目選手は1人選ぶのが難しいが、新加入のムサを挙げたい。


この超タレントチームでどれだけPTが貰えるか分からないが、サイズからは想像出来ないドリブルスキルから繰り出されるドライブやシュートでの活躍に期待したい。



​テネリフェ


昨季BCL優勝チームで当ブログでも何度も試合を取り上げたスペインの中堅チームで資金力があるわけではないが、シャーマディーニやサリン、フィッチパルドなど核になる選手は数年変わっていないのが強み。


今オフは6人の入れ替えがあり、抜けた選手の中には千葉の新外国人選手として予想したウィルチャーがBCL優勝にも大きく貢献した有力選手と言える。


新加入組ではクック、アブロマイティス、フェルナンデスが有力選手で戦力的にはアップしたと見ている。


残留組も先述の3人に加えてベテランのマルセリーニョやグエラにドゥアーネケンプと資金力を考えたら優秀な選手が揃っており、4大チームに割って入るには難しいかもしれないが今季もプレイオフ進出が狙えるチームだろう。


注目選手はシャーマディーニ。


ここ数年で体を絞って重くて強いだけの選手からキレのある選手に代わって攻撃力が増したと感じるセブンフッター。


長身から繰り出されるポストプレイとダイブが非常に強力でFTも抜群に上手い。


年齢的にベテランなので衰える前に日本でも見たいと前から思っていた選手でディフェンスも昨季良い活躍をしていたので攻守ともに期待したい。



​バレンシア


4大チームの中では最も格下にあたるチームで他の3チームが抱えているようなヨーロッパのトップ級選手はいないが、各国代表主力が多い。


バレンシアは今オフ5人が退団し4人が新加入。


退団した選手の中にはラベイリーとスロベニア代表正センターのトビーなど有力選手が含まれ、新加入はアスベルで優勝に貢献したジョーンズと日本に来ることを密かに期待していたハーパーが有力選手と言える。


ハーパーはGリーグで圧倒的なスタッツを残しており、間違いなく目玉補強でジョーンズも入ったことでバックコートは大幅に強化されたが、トビーの穴埋めが出来ていない点が気がかり。


残留したメンバーではスロベニア代表で得点力抜群のプレペリッチ、モンテネグロ代表のストレッチビッグであるドゥブリエヴィッチ、キューバ代表ロールマンのリベロ、現役スペイン代表のプラディラとロペス、元スペイン代表のクラベール、スコアリングとゲームメイクの出来るヘルマンソンが残って層が厚いがトビーの穴を埋めるのはやはり難しそうだ。


注目選手は新加入のハーパー。


Gリーグの3シーズンでFG45%、3P38%、FT80%、アシスト6本、21点を平均したPGでスタメンになると予想しており、スコアリングとゲームメイクの両面での活躍が期待される。


トビーが残っていたらコンビプレイも見たかったが、プレペリッチとどっちが多く得点できるかにも注目したい。


以上5チームが個人的に今季ACBで注目するチームで、冒頭で述べた通り選手単位で見ると注目選手は数え切れないほど多い。


それでもバルサとレアル以外が優勝するにはプレイオフでバルサとレアルが同じ山に入って準決勝までに潰しあってくれないと優勝までに両方を倒さなければならず、難易度が非常に高い。


潰しあってくれれば片方だけを倒せばいいので、それでも難しいとはいえ難易度はいくらかマシになるだろう。


とはいえ、2強以外の優勝はバスコニアとバレンシアでも相当に難しいのでレアルの優勝と予想する。