今回はちょうどこの記事が上がる24日から開幕するフランス1部リーグの注目チームや注目選手や簡単な展望について。


フランスリーグはヨーロッパの主要リーグの中では珍しく絶対的チームが存在せず、近年はアスベルが連覇中でそれに近いチームになりつつあるとはいえ他のリーグの絶対的チームほど圧倒的に抜けているわけではないので他のチームも優勝が十分に狙える。


そんなLNBで個人的に今季注目するチームは4つあり、注目選手など見ていきたいが、執筆時と更新時でタイムラグがあるのでロスターは執筆時点のものとする。


​アスベル


フランスのレジェンド選手トニー・パーカーがオーナーのアスベルは昨季の総サラリーが日本円で約10.5億とフランスでは別格の資金力を誇りタレント揃いのチームで実質3連覇中の強豪チーム。


入れ替えが少なく数人の入れ替えのみで主力がほとんど同じチームで来季に臨むチームが多い日本と違いヨーロッパでは解体に近いくらいの大幅入れ替えが当たり前に起こるのがオフシーズンの動きであり、コアメンバーが変わらないチームというのは一部しかない。


アスベルもその例に漏れず、今オフでは有力選手含めて10人の入れ替えが起きた。


退団した選手には個人的に過去に某掲示板で日本行きを予想してユーロリーグでのプレイを楽しみにしていたが腰の怪我で出場機会のなかったモーガンやリーグ優勝に貢献したホワード、ナイト、オコボ、ジョーンズ、ストラツェルにアスベルでは思ったほど活躍出来なかったオセトコウスキやウェンバンヤマなど有力選手8名が含まれる。


特にNBAドラフト上位指名確実のウェンバンヤマが他のユーロリーグ常連チームに行くでもなく同じフランスで中堅のルバロアに行ったのは最大のサプライズであり、ヤブセレに続いて2年連続で自国のスーパービッグマンが抜けるのはアスベルとしても痛いかもしれない。


その代わりに入ってきたのが個人的に日本に来て欲しいと思っていたオバソハン、昨季ドイツでブレイクしユーロリーグチームに行くだろうと思っていたカートライト、ヨーロッパトップ5に入るであろう自国ガードのデコロ、ロールマンのローバーンなど10名。


新加入のガードがスラッシャータイプのオバソハン、スコアリングガードのカートライト、何でも出来るデコロと3人とも違うタイプで実力的には昨季のメンバーより高い選手が集まってバックコートは強化されたと言える。


特にデコロは数年前のNBAGMアンケートで非NBAのベストプレイヤーでミロティッチに次ぐ得票数でミロティッチがNBAでプレイ出来るのにヨーロッパに来た特殊な選手であることを考えれば実質1位であり、その頃から衰えをあまり感じないので自国選手としてデコロが使えるのは大きい。


一方でビッグマンのローバーンは良い選手でデコロがいるのでジャルギリス時代よりもローバーン自身もプレイしやすいと思われるが、スキルフルなウェンバンヤマやヤブセレと比べると同じ自国選手でも大幅なランクダウンと感じる。


全体で見てもガード陣の強化だけでは補えない戦力低下が起きたと思っているので昨季以上に他のチームにはチャンスのシーズンかもしれない。


それでも優勝候補筆頭格なのは変わらないので個人的注目選手のオバソハンとデコロのプレイとともに昨季との違いを楽しみたい。



​ルバロア


注目チーム2つ目は先程アスベルの項目でウェンバンヤマの移籍先として書いたルバロア。


ルバロアは12人が退団し13人が加入した今オフはウェンバンヤマに大金を注ぎ込んでしまったのか、加入選手の多くが10代やNBAで出番のなかった20代前半選手などサラリーの安そうな選手が多い。


しかも退団した選手はランドル、クロッカー、ホーンズビー、カミングス、ハンターと各ポジションの有力選手が多く、ウェンバンヤマを取るための犠牲としては代償が大きすぎる。


一時期リーグ首位にも立っていたチームで戦力的には確実にウェンバンヤマ1人では補えない大損失としか思えず、ウェンバンヤマの話題性で利益はあるかもしれないが勝利や優勝を目指すに当たっては昨季から後退した印象。


そんなルバロアなので注目チームとして挙げたが、ルバロアそのものに注目しているというよりはルバロアでのウェンバンヤマがどうなるか見たいという意味での注目で優勝戦線に絡むとは微塵も思ってないのでサプライズに期待したい。



​モナコ


当ブログでは昨季から海外カテゴリの記事で昨季ガラタサライと並んで非ユーロリーグチームの中で良い補強をしたと評していたモナコはアスベルに次ぐ日本円で約8億の総サラリーを費やしたこともあり、昨季アスベルをあと1歩まで追い詰め、今季もユーロリーグへの継続参戦が決まり気合の入った補強をしている。


今オフは8人が入れ替わり、その中の有力選手は北海道に入ったモータムやアンドゥーシッチ、リーとベーコンが挙げられるが、代わりに入った選手はそれ以上の選手が多く戦力的には大幅な強化と感じている。


ドライブとゲームメイクが得意なガードのロイド、オールラウンダーのブロッサムゲーム、ユーロリーグ常連かつ上位チームで長くプレイしたモルマン、アスベルで優勝に貢献したオコボ、将来的にフランス代表のPGになると思われるストラツェルと豪華な新顔が並ぶ。


ベーコンも残せたら尚良かったが、NBAで活躍したモティユナスと身体能力高いロールマンのホールに個人的にセルフィッシュな面を嫌って放出すると思っていた能力抜群のジェームスが残留してタレントと層では昨季以上と感じる。


個人的注目選手は新加入のブロッサムゲームでイスラエルとドイツでは凄まじい得点力を発揮していたが、タレント揃いのアスベルでもスコアラーを任されるかどうか注目したい。



​ストラスブール


昨季プレイオフ1回戦で敗退したストラスブールは7人が退団し9人が新加入となったが、有力選手のロバーソンとボハチックの抜けた穴はキーンとオコイェの同格クラスを連れてくる見事なオフ人事で少なくとも戦力低下は起きていないだろう。


とはいえ、優勝を狙うにはフロントコートが貧弱気味に感じるので昨季の2強に割って入るのは難しそうだ。


注目選手はドライブ、シュートともに得意でヨーロッパでもトップクラスの得点力を誇るキーン。


タレントが少なく層も厚いわけでないストラスブールではキーンの平均得点が高くなることが予想され、理不尽な得点力で泣きを見るチームがどれだけ出るかに注目したい。


以上4チームが個人的に今季LNBで気になるチームで開幕が楽しみだが、優勝予想はアスベルではなくモナコを推したい。