Bリーグ開幕前総評第10弾は個人的今季注目チームの滋賀レイクス。


滋賀については当ブログで昨季スポットを当てていなかったので昨季の総評などはないが、今季は試合も取り上げる方向で。


軽く昨季の振り返りをしてみると成績は下から3番目で平均得点が80.3点でリーグ12位。


平均失点は90.6点でリーグワースト。


3Pは平均25.2本でリーグ9位のアテンプトから33.2%でリーグワースト3位の確率。


ペイント内FGは平均32.4本でリーグ9位のアテンプトから57.2%でリーグ10位の確率。


FGは平均65.3本でリーグ10位のアテンプトから45.4%で確率14位。


FTは平均17.1本でリーグ13位のアテンプトから74.2%で確率も13位。


ORは平均8.9本でリーグワースト2位。


トータルリバウンドでは平均33.2本でリーグワースト2位。


アシストは平均20.2本でリーグ14位。


TOは13.4本でリーグワースト5位。


ファウルの多さは平均22個でリーグ断トツワースト。


オフェンシブレーティングは99でリーグワースト4位。


ディフェンシブレーティングは112.1でリーグワースト2位と下位だけに各項目でも下位が目立ち改善が全体的に必要と言える。


特にペース最速なのに得点は多いわけでもなく、逆に失点は最多などと効率や合理性とはかけ離れたバスケをしていたのが見て取れる。


そんな改善点の多い滋賀の今オフは昨季の広島を思わせるような大改革を断行。


外国人選手は全入れ替えし、新加入が6人で全員が前任者より実力ある選手という文字通りの補強に成功。


特にテーブスと外国人3選手の補強は大きく、この4人の加入が決まったことで今季は今まで見てこなかった滋賀を新たにピックアップし、注目することを決めた。


まず、滋賀はガード陣がリーグ最弱クラスの貧弱さでラベナの負担が非常に大きかった。


そこにサイズとポテンシャルがあり、栃木では100%実力を発揮しきれていなかったテーブスは滋賀とテーブス双方にとっていい移籍になる予感がしている。


新外国人選手のワイリーは身体能力の高いオフボールタイプのフィニッシャーでオンボールでのスキルはほぼないが、そちらはブバやマクリーがいるので問題ないだろう。


ワイリーはダイブやカットが得意でテーブスの入った滋賀にはピッタリの外国人選手であり、栃木時代にはフィーラーとテーブスの使い方のせいか2人のコンビプレイでの得点が思っていたより少なかったが滋賀ではワイリーの得点を引き出してくれそうな気がする。


仮にテーブスが上手くワイリーを使えなかったとしても滋賀にはラベナがいるのでワイリーが置物と化すことはなさそうだ。


また、ワイリーは高い走力でトランジションから得点することも得意としており、ワンマンやアウトナンバーでブレイクを出すシーンの増加が見込まれる。


FTも直近4シーズンで7割を越えておりビッグマンとしては十分な数字を備えている。


リバウンドもサイズの割に平均的ビッグマン以上の力を有しており、ディフェンスではフットワークを活かしたペリメーターディフェンスが持ち味。


2人目の外国人選手のマクリーは他のチームの外国人選手を予想する時に毎年最終候補5人以内に入ってた個人的にも日本で見たかった選手でスコアリングタイプのフォワード。


シュートが得意でGリーグとヨーロッパでプレイした全てのシーズンで3Pが最低でも3割後半と高確率。


近年は体を絞ってキレを増したドライブが重かった時のよりも驚異的になっており、そのままフィニッシュするだけでなくFT獲得にも繋がっている。


そのFTもだいたいのシーズンで7割に乗る感じでフォワードとしては上手いわけではないが下手でもなく穴にはならない。


日本ではFTを多く貰えるタイプの選手だと思うのでFTでの得点そのものよりも相手の外国人選手にファウルを嵩ませる意味で有用かもしれない。


リバウンド、ディフェンスはそれぞれ平均的で強かったり上手いわけではないが、弱くて下手とも思わない。


惜しむらくは滋賀のアジア枠選手がガードなのでマクリーを3番起用するのが難しいことだが、4番起用でも間違いなく活躍するだろう。


そして最後の新外国人選手には得点力に優れるビッグマンのブバを獲得。


ブバも他のチームの外国人予想で候補選手をリストアップする際に最終10〜5人に残る常連だった優秀な選手でこちらも日本で見ることが出来るのは非常に嬉しい。


ブバはアンダーサイズのポストゲーマーであるが、重心の低さを利用したポストプレイでサイズに勝る相手でもリング側に入ってフィニッシュまで持っていける巧さと強さを兼ね備えている。


ダイブも得意なのでワイリー同様にテーブスやラベナのいる滋賀ではP&Rからの得点も大いに期待できる。


このポストプレイとダイブでヨーロッパでも多くのFTを稼いでほとんどのシーズンで7割以上の高い確率で決めてきたので日本ではもっと多くFTを貰える可能性も十分にあり、ポストプレイとダイブに加えて得点源の3本柱として見込める。


シュートも昨季は3Pを高い確率で決めているが、元々シュートが多いわけではなく確率も安定していないのでシューティングポテンシャルはあるかもしれないが、入ったらラッキーくらいに思うのが良いかもしれない。


あくまでもブバの本分はインサイドなのでラベナやマクリー、狩野のいる滋賀で積極的にシュートを打つとは思えず、離されたら打つくらいの少ない試投数に収まると見ている。


リバウンドはサイズの割にORがかなり強く、ディフェンスではポストディフェンスが得意でペリメーターディフェンスも平均以上は持ち合わせており穴になることはないと思われる。


このように滋賀は全入れ替えした外国人3選手とも良い選手を揃えた上にバランスも良く、これまで誰がHCをやっても厳しかったチームから戦えるチームになった。


そして指揮を取るのはリーグでもトップクラスのHCであるギルであり、優秀な外国人が揃ったチームでギルがどれだけ勝ち星を伸ばすか非常に楽しみである。


とはいえ、まだ日本人選手は今後も強化をする余地があり、気が早いが来季以降も今季のような気合の入った補強で日本人選手の入れ替えにも着手出来るか、群馬や島根のように鈍化してしまうかという意味でも目が離せないチームかもしれない。


個人的注目選手はマクリー。


数年前からマクリーのようなフォワードが日本には増えると思っていたが、エバンスやクラーク、ブルックスあたりが活躍して徐々に増えても人数的にはまだ少ないので、そういった選手に対応出来る選手を抱えていないチームも多い日本はマクリーにとって穴場であり、間違いなく活躍するだろう。


トップスコアラーはブバになる可能性が最も高いが、マクリーも高い得点能力とスペースを作れるシュート力があるのでチーム全体への寄与は大きいと思われる。


ドライブでガンガン得点することにも期待したい。


1番手選手は強力な滋賀なので昨季の島根のように偏重したPTでシーズンを戦えば好成績を残せるかもしれないが、ギルがそのような戦い方をするとは思えないので日本人選手にまだ不安のある今季は地区枠に入るのは難しく、ワイルドカード争いに絡むと予想というか補強頑張ったのでそれくらいのサプライズは見せてほしい。