年内最後の試合となった今節からは強豪同士の試合で注目の東京vs栃木をピックアップ。


比江島と田中が欠場したのは残念だったが、リーグ屈指のディフェンス力を誇る両チームの対戦とあって守り合いのロースコアゲームとなった。


終盤まで分からない競った展開だったが、3Pの数やFT、オフェンスリバウンドと、より得点機会のあった東京が勝ち切る結果となった。


チームスタッツでは3Pが東京8/22で36%と高確率で決めたのに対し栃木は1/11で9%と決まらなかったのもそうだが、東京のディフェンスが凄まじすぎて打たせてもらえなかった。


しかし、FG%ではシュート中心で得点しインサイドを上手く攻めきれなかった東京とは逆にスコット、フォトゥのポストプレイやダイブとゴールに近い位置での得点が多かった栃木が東京の39%を大きく上回る46%だった。


これと相関して、ペイント内の得点は東京28点に対して栃木は46点とシュートが打てない、入らない状況で別解を出して惜しいところまで行ったのは見事だった。


FTはお互いディフェンスが上手いせいかアタック数の割に少なく、確率でも東京7/12で58%、栃木5/9で56%とお互い低かった。


栃木はFTが下手な選手が外してしまったので妥当だが、東京は小酒部と安藤が勝負所で3本外したのは勿体無く、ヒヤヒヤした場面だろう。


リバウンドでは栃木の34本を大きく上回る45本で東京が圧倒しており、オフェンスリバウンドも見てみると、栃木9本に対して東京15本と東京インサイドの強さが際立った。


こちらも相関するスタッツとしてセカンドチャンスポイントが栃木13点に対して東京18点と、3点差の接戦において多くチャンスを与えるオフェンスリバウンドをこれだけ許してしまったのは栃木にとっては痛かった。


その他に語るべきスタッツとして速攻からの得点が東京1点、栃木6点と互いにブレイクを簡単に出させず、出てもきっちり止めるという強固なディフェンスが表れる数字となった。


またTOにおいては東京8個、栃木6個とディフェンスが激しいチームを相手にしつつ、得点の入らない焦りそうな展開でも落ち着いてミスをしないプレイで両者ともに10個未満に抑える素晴らしい結果となった。


個人では東京のロシターが3P3/5を始め、ミスマッチを突いたポストプレイやダイブなどからFG58%でチームハイの19点に10リバウンドで古巣相手に大暴れ。


カークのコンディションと小島、田中の欠場でPTの増えたテイラーは緩急を使ったドライブや積極的なシュートでロシターに次ぐ16点だったが、FG6/1833%と褒められる数字ではないだろう。


田中がいなかったので仕方ない部分もあるが、スコアリングが本分でないテイラーが18アテンプトは多すぎたかもしれない。


しかし、本分のゲームメイクでは流石の上手さで得意のキックアウトなどからチームトップの5アシストに35分の出場ながらTO1個と見事だった。


リバウンドも5個取っておりマルチな活躍と言えるかもしれない。


サイズはポストアップからは上手くプレイ出来なかったが、P&Rからのミドルやオフェンスリバウンドからの得点でFGは低めの40%ながら9点にリバウンドはチームトップの12本で貢献。


日本人では安藤が2Pがなかなか決まらなかったのでFG36%と低いながら3Pでは3/7の高確率で12点を獲得。


小酒部はわざわざディフェンスのいる方に寄ってからプルアップをしたりプレイ選択の悪さが目立った。


ノーマークでのシュートもほぼ外して勝負所のFTもミスし、オフェンスでは良いところがなかったが、ディフェンスでの貢献が良かった。


オフェンスは日によって入る入らない出てしまうが、ディフェンスは振れ幅が少ないというのはどんな選手でも共通だろう。


なので、小酒部のようにオフェンスが不調でも手を抜かず強度の高いディフェンスをする選手が使われ続けるのは当然であり、ディフェンスの重要性を再認識させられる。


東京は小酒部だけでなく安藤とテイラーも合わせてバックコート、ウイング陣のディフェンスが素晴らしく、それぞれの選手がチェイスやディナイなどオンボールとオフボール問わず激しいディフェンスで相手に仕事をさせない。


この試合でもそうしたディフェンスによって栃木ビッグマンが高い位置でDHOHO、バックドアへのパスを狙うもパスコースが見つからず、しばらく孤立してしまう場面が目立った。


こういったシーンは今回の試合に限らず、東京の試合では良く見られ、今回のように1番ディフェンスの上手い田中が欠場しても同じディフェンスが出来るのは強みだ。


今シーズン出場機会のめっきり減った菊池も、この試合ではサイズとウェイトで大きく差があるフィーラーと短い時間ながらマッチアップして良いディフェンスをするなど流石だった。


負けた栃木ではスコットがダイブやポストアップで積極的にポストアタックしてFG67%からチームハイの23点にリバウンドもチームトップの10本、TOは僅か1個と大黒柱ぶりを発揮。


ディフェンスでもスティール1個にブロックはなんと4本と、東京の強烈なインサイド陣相手に攻守で大活躍だった。


フォトゥもダイブやポストプレイで同じように得点しFG57%16点とチームでシュートが入らない分をペイントで稼いだ。


リバウンドが3本しか取れなかったのは痛いが各選手の活躍を見るにフォトゥを攻めるのは酷だろう。


日本人では遠藤が得意の3Pの代わりにドライブなどで確率良く得点し、FG50%から8点に3リバウンド、アシストはチームトップの4個とマルチに活躍。


しかし、


2桁得点はインサイドで稼いだ外国人2人のみ

②栃木は日本人選手のシュートが入らなかった

③東京は栃木外国人の守るペイントで得点出来ず、栃木日本人の守るエリアを中心にシュートが入った


という点からも栃木は攻守で日本人の活躍がもう少し欲しかったところ。


今回は比江島、田中と両チームの核となる選手がいなかったので次回は選手の揃った状態で見られることを願うばかりだ。