今シーズン初の水曜開催となった5節からは千葉vs栃木をピックアップ。


栃木


全てのQで千葉を上回り、最高でも22点しか取らせないディフェンスに加えて100点取るオフェンスで完勝。


3P40%、FG55%とどちらも千葉より10%以上高い高確率で決めたことに加えて帰化選手のいる千葉にリバウンド数で負けなかったこと、FTを24本も獲得して20本決めたこと、千葉に16ものTOを出させて自分達はその半分に抑えたことが効いた形となった。


個人では比江島が脅威のFG72%から21点と超高効率のオフェンスで千葉ペイントを撹乱。


緩急を使ったドライブに千葉ディフェンスは全く対応出来ないまま得点を許し続けた。


比江島と同じくフォトゥがFG75%から21点でトップスコアラーに。


得意のバッグダウンからのフックで得点を量産するだけでなく、オフェンスリバウンドからポゼッションを稼いでチームに大きく貢献した。


そのフォトゥと共にスコットもポストプレイで得点とファウルを稼いで千葉インサイドを蹂躙。


フォトゥとスコットはポストディフェンスでも体を張って千葉ビッグマンに負けないフィジカルの強さが際立った。


フィーラーは相変わらず苦手なオンボールでのプレイもやらされている分スコア面では苦しんでいるが、3番でも起用されるようになり持ち前の機動力とサイズを活かしてスイッチ出来る優位性からペリメーターディフェンスで貢献。


そしてこのフィーラー3番起用が出来るのは竹内の存在が大きい。


今シーズンの竹内は離されてフリーになった場面でのミドルを高確率で決めており、リバウンドもいい場面で取るのが目立つ。


千葉戦でもQ終了間際にムーニーからオフェンスリバウンドを奪い得点を決めたシーンがあった。


恐らく千葉にとってこの試合で最もダメージのあったプレイだろう。


個人的にロールプレイヤーにはバークレーが言っていたように試合でPTやアテンプトが少ないからこそフリーのシュートを高確率で決めることが求められると思う。


このバークレー理論を体現しているのが今シーズンここまでの竹内であり、今後もこれを継続することでフィーラー3番起用の有用性にも関わってくるだろう。


フィーラーと相性が良さそうなテーブスがいないのでドライブからディッシュ出来る比江島に合わせてカットする形を作れば得点面でも活躍出来そうだが安斎HCが今後のフィーラーのオフェンスをどうするかは注目したい。


他のプレイヤーでは鵤がFG100%、遠藤がFG66%と少ないアテンプトながら高確率で決めて栃木の効率いいオフェンスを作った一因にもなった。


遠藤はマッチアップが富樫であればポストアップを仕掛けたり、ディフェンスなど数字に残らない部分での活躍も印象的だった。


スターターとベンチ得点で8:2と偏りが大きいのがバランス的に悪いが、今のフィーラーの使われ方だとこういう得点配分に近い形が多くなるかもしれない。


千葉


今シーズン初の10点差以上での敗戦となった千葉だが、富樫が2P71%で12点取っているものの3Pは0/5でTO4個と千葉オフェンスを好調時のようには引っ張れなかった。


どうしてもディフェンスで穴になる上にボールを長く持ってアテンプトもチームでダントツに多い富樫は他の小さいガードよりも高い水準で安定した数字を残さないと主要な敗因になりかねない。


ましてや千葉は富樫中心でバスケットをしているので栃木のような強いチーム相手に富樫が及第点程度の活躍だと周りが得点で助ける、ディフェンスで失点を減らすなどのフォローが必要だろう。


今節はオフェンス面でそれが出来るムーニーがアテンプト12もありながらFG33%で10点と上手く伸びなかった。


チーム最強のスコアラーであるスミスも栃木の強固なディフェンスに苦しんだ結果、アテンプトはわずか5本で7点と平均得点の半分以下に抑えられてしまった。


そんな中でもダンカンがシュートが好調なことに加えてポストアタックでもボールをねじ込み、FTも多く稼いでチームハイの21点で大活躍。


千葉のように帰化、外国人選手が全員スコアラーであると敵からしたら的が絞りにくい。


味方からしても今節のように他の選手が抑えられても別の誰かがカバーしてくれる確率が高いのはチームの強みだろう。


日本人では原が高確率でシュートを決めて8点とアシスト4と良い活躍をしながらTO3で惜しかった。


西村が11分の出場ながらアシスト4にTO0と繋ぎのPGとして見事な活躍。


ディフェンス面ではチーム全体で無駄なファウルや栃木プレイヤーの能力の高さから上手く抑えられず、FTを大量に与えてしまったことが大きく響いた。


長いリーグ戦の中ではどんなに強いチームでも大差で負けることは珍しくないので、千葉もこの後に連敗が続かない限り悲観するような敗戦ではないだろう。


また、リーグ内で強いと見られるチームもヨーロッパの上位チームほど圧倒的に抜けたチームではなく下位チームでも下剋上できるチャンスが多いにあるのが面白いところ。


千葉に勝った栃木も開幕直後こそ負けが込んだが川崎に続いて千葉を撃破するような依然として強いチームであり、東地区が相変わらずハイレベルなことを示しているので今後も楽しみだ。