Bリーグ開幕前シリーズ第11弾は群馬、名古屋と同様に個人的注目チーム3つ目の島根スサノオマジック。


大型資本により着実に力を付けつつある島根は今オフの話題を攫ったチームの1つ。


昨シーズンはニカ加入によるオン3を様々な布陣で試みるも日本人選手のタレント力不足は否めず、勝率5割を超えることは出来なかった。


チーム全体のスタッツで見ても中位〜下位が多く、特に最下位の3P成功率とワースト3のTOは改善が必要だろう。


3Pを平均1本以上打ってる選手で35%以上はおらず、確率が低い選手ほど試投数も多くなりがちで、「シュートが入らない」というよりも「シュートの上手い選手がいない」に近い印象。


ポジティブ要素としてはリバウンドとオフェンスリバウンドがリーグ上位であり、ニカ加入が効いたのではないだろうか。


主力選手個人で見てみると、スコアラーのブルックスがシュートやドライブから加点して得点面で牽引。


帰化選手のニカはファウルが多めだが、リバウンドやダイブ、ポストプレイなどペイント内を持ち場としてFG64%と凄まじい記録で貢献度が大きかった。


トラビスは体を張ったポストディフェンスとリバウンドで存在感を見せ、オフェンスではダイブやカット、ポストプレイを中心に得点。


シュートを打たせるために下がって守る相手の狙い通りに得意でないシュートをポンポン打ってしまい、3Pが平均2.7本で26.3%と苦手分野での勝負をしてしまったことは仇になった。


ビュフォードは身体能力の高さゆえにリバウンドの強いウイングで、海外ではあまりやることのなかったハンドラーも途中から担い、見事その起用に答えチームトップかつキャリア最高の平均アシストを記録。


ドライブから自らの得点やアシストに繋げる打開力は強烈。


速い展開からの得点を最も得意としているので、トランジションオフェンスが増えればより活躍するだろう。


この外国人と帰化選手に割って入れる日本人選手がいなかった島根は、補強として安藤と金丸を獲得して大幅な強化に打って出た。


先述した3P成功率、試投数の部分では2人の加入で一定以上の効果が期待できる。


金丸はチームトップスコアラーになる可能性も十分にあるだろう。


安藤は1番手PGとしての起用はほぼ間違いなく、持ち前の得点力とゲームメイクで島根にどこまで寄与出来るか注目。


そして外国人ではケイが加入し、島根の補強は完成。


オリンピック3位のオーストラリア代表という肩書きだけ見て支配的な選手を想像している人はガッカリするかもしれない。


ケイはそういう1人で何でもこなしたり、平均20点するような選手ではない。


コートのバランスを見て賢く立ち回るタイプで、カットなど合わせから得点するのが上手く、オンボールではポストプレイからフックに繋げて得点出来る。


FTは上手いものの3Pは大学時代からほとんどがシーズン30%を切っており、上手いとは言えないだろう。


良いシーズンでは39%以上を記録しているので、そういう上ブレが起これば島根にとっては追い風。


ブルックスの代わりにバリバリのスコアラーでないケイを獲得したのは金丸がいるからと見られる。


島根の注目選手はオフボールから圧倒的な得点力を誇る日本人スコアラーの金丸。


シュートはミドル、ロング、FT問わず高確率でスクリーンを使うのも抜群に上手い。


ローポストでポストアップからフェイドアウェイも打ってくる。


シュートがフォーカスされがちだがカットも非常に上手く、三河では金丸のカットに合わせてビッグマンのパスから得点に繋げるシーンも多かった。


金丸が島根でどのようにプレイするか注目したい。


このように昨シーズンから着実にレベルアップした島根だが、まだ日本人の2番手以降が弱いのもあって地区中位、良くてもワイルドカード争いと予想。