Bリーグ開幕前シリーズ第3弾は栃木ブレックス。
昨シーズンの栃木は天皇杯とリーグともに準優勝の好成績を残した。
栃木の特徴はディフェンスとリバウンドはもちろんのこと、オフェンス面でも得点の分散具合が挙げられる。
昨シーズン栃木の平均得点1位は13点を切っており、B1においてチーム内平均得点1位が13点を下回ったのは先日スコアラーがいないと評した秋田のみ。
上位チームであり、スコット、ロシターとスコアラーになりえる選手を擁しながら秋田とは違う意味でスコアラーがいないチームにしたのは凄いとしか言いようがない。
この得点分散を可能にした要因の1つはタイムシェアだろう。
栃木の最長平均PTは24分であり、他のチームに最長平均PTでこれを下回る選手はいない。
ヨーロッパの強豪チームはこのタイムシェアと得点分散の傾向が強く、全員が8点前後を取って勝つことも珍しくない。
個人的に平均得点はある意味でノルマだと考えており、得点が分散しているほど1人1人のノルマは少なく簡単になるので下ブレがおきにくいとも思う。
仮に下ブレがあっても元々少ないノルマなので1人〜2人くらいの不足分は他の選手のちょっとした上ブレなどで賄いやすい。
逆に特定の選手に偏るとその選手たちが取れなかった時のカバーも平均得点が高いほど厳しい皺寄せが待っているので、栃木のような得点分散はディフェンスに自信のあるチームにとってはある意味リスク回避の手段と言える。
そして面白いことにオフェンシブレーティングはリーグ7位、栃木の平均得点、3P成功率、FG率は中位であり、FT成功率に関してはワースト2。
オフェンシブスタッツが上位でなくてもディフェンスでカバーしていると言えるのではないか。
そんな栃木のディフェンスは3Pをなるべく打たせたくないのかなという印象。
外国人選手も積極的に高い位置まで出てはプレッシャーを掛けて追い込む。
スティールもリーグ上位であり速攻に繋げる。
リバウンドで見てもオフェンスリバウンド、ディフェンスリバウンド共に意識が高く、特にオフェンスリバウンドはリーグ2位の強さでセカンド、サードチャンスから得点。
このような特徴を持っていた栃木だが、今シーズンはロシター、ピーク、ギブスの3人がいなくなってしまった。
中でも帰化選手であり長年大黒柱だったロシターの流出は栃木にとって大打撃。
その代わりと言ってはなんだが、日本人選手を全キープできたので以前の滋賀のような最悪の事態は免れた。
新外国人選手のフォトゥはローポストでのバックダウン、P&Rからのダイブ、カットとペイント内での得点が大半のビッグマン。
シュートも打てるものの、確率、アテンプトから見ても優先度は低い。
ドライブに対してディフェンス側のファウルが取られやすい日本でどれだけマッチアップ外国人のドライブを守れるかが不安要素。
もう1人の新外国人フィーラーは直近2シーズンで3Pのアテンプトが多いにも関わらずFG50%以上と高い成功率を誇るフォワード。
オフボールからの得点が多く、カットが特に上手い。
オンボールではポストアップからミドルなどに繋げる。
今シーズンもタイムシェアを継続すると思われるが、得点分散に関してはスコットもしくはフィーラーがトップスコアラーで平均15点以上取ると見るので昨シーズンほど分散しないと推測。
スコットとフォトゥが同時出場している時のディフェンスがどうなるか未知数で興味深い。
注目選手はテーブス。
フォトゥやフィーラーのようなオフボールで得点できるタイプとは相性が良いので是非とも1番手のPGに上り詰めてほしい。
大黒柱とオン3という武器を失ったものの、日本人選手は残っているのでワイルドカード争いの位置と予想。