この日記は前回の日記の続きになります。
…車は走り出す。
私達の住む街に向かって。
しばらく走ると、信号で急ブレーキ。
助手席に座るとシートベルトを忘れる私は、フロントガラスにぶつかりそうになり、思わず手を伸ばす。
フロントガラスには私の手型が残った。
今日はこのまま店に出勤だ。
車でメイクをするしかない。
どこかの駐車場に停まってもらいメイクを夜用に直す。
その間、その人は私の付けた手型をキレイに拭き取っていた。
ぼんやりしながら、それを見つめる。
「あ、私が消された」
消された手型と自分の存在が重なって見えた。
私とその人の関係性にどこか似ている。
…時計を見ると出勤時間が迫っていた。
私は車を降りる。
振り返らない。
出張の荷物を抱え歩き出す。
夜の街はネオンが付いて明るくなっている。
今日は金曜日。
店も忙しいだろう。
今日のドレスは新作。
反応はどうかな…
そんな事を考えながら夜のスイッチを入れる。
「おはようございま~す!」
私は笑顔で店のドアを開けた。
夜はこれからだ。